【SEMAショー】モパーがフル電動レストモッドを含むコンセプトカー3台公開

「製品化も?」EV化されたマッスルカー「1967 プリムス GT エレクトロモッド コンセプト」を公開【動画】

「1967 プリムス GTX エレクトロモッド コンセプト」のエクステリア。
クライスラー&ダッジのハイパフォーマンス部門「モパー」は、 2024年のSEMAショーにおいてフル電動パワートレインを搭載した「1967 プリムス GTX エレクトロモッド コンセプト」を公開した。
クライスラー&ダッジのハイパフォーマンス部門「モパー(Mopar)」は、2024年11月5〜8日にアメリカ・ラスベガスで開催中の「SEMAショー」において、将来的な実用化を想定したフル電動コンバージョンキットを搭載する「1967 プリムス GTX エレクトロモッド コンセプト」を公開した。

1967 Plymouth GTX Electromod Concept

商品化を想定した3台のコンセプトカー

「モパーライズド ラム 1500 RHO」のエクステリア。
モパー製最新アクセサリーを贅沢に奢った「モパーライズド ラム 1500 RHO」をはじめ、製品化を想定した3台のコンセプトカーを披露している。

全米中から注目を集めるSEMAショー。今回、モパーが持ち込んだのはフル電動パワートレイン「モパー・e-クレート(Mopar e-Crate)」を搭載したレストモッド「1967 プリムス GTX エレクトロモッド コンセプト」、日常域とトレイルを両立した「ラム 2500 パワーワゴン コンセプト」そして新デザインのエクステリア・グラフィックとモパー製アクセサリーが奢られた「モパーライズド ラム 1500 RHO」という、3台の魅力的なコンセプトカーである。

モパー・ブースでは、3台のコンセプトカーに加えて、各種パフォーマンスパーツ、ダッジの伝統からインスパイアされた電動バイク「ダッジ E-バイク」を初公開。また、モパー・マニアとして知られるマーク・ウォーマンが手がけたカスタマイズ車両も数多く展示されている。モパーの北米部門責任者を務めるマイク・コヴァル Jr.は、2024年のSEMAショーにおける展示について次のように説明を加えた。

「モパーによる3台の新たなコンセプトカーは、パフォーマンスというキーワードの様々な側面を披露しています。フル電動パワートレインを搭載するゼロエミッションのマッスルカーコンセプトだろうと、ハイパフォーマンス・オフロードピックアップだろうと、モパーは製品化を目標に掲げています」

モダンにアップデートされたエクステリア

「1967 プリムス GT エレクトロモッド コンセプト」のエクステリア。
1967 プリムス GTX エレクトロモッド コンセプトのエクステリアは、1960~1970年代のマッスルカーをリスペクトしながらも、電動化に合わせてモダンにアップデートされた。

「1967 プリムス GTX エレクトロモッド コンセプト」は、将来的なヒストリックモデル用フル電動パワートレイン・キットの販売を想定。ヒストリックカーだけでなく、内燃機関を搭載する現行モデルをEVへとコンバートすることが可能な、EVコンバージョンキット「モパー・e-クレート(Mopar e-Crate)」を搭載する。

エクステリアは、鮮やかなフロストバイトブルーのボディカラーと、マッスルカーらしい低重心スタイルが採用された。モパーのデザインチームは、アグレッシブかつモダンなフォルムとすべく、リヤホイールアーチを拡大。本格的なレストモッド車両らしく、ボディ同色バンパーがフェンダーラインへとすっきり収まるようトリミング加工が施された。

オリジナルのプリムス GTXをリスペクトし、サテンブラック・ストライプが入れられた、デュアル・エアエクストラクター付き「カスタム・カーボンファイバー・ボンネット」を装着。ボディカラーとカーボンボンネットにマッチするよう、グリル、ウインドウトリム、サイドミラー、テールパネルは、サテンブラック・トリムに統一された。

エアロダイナミクスを意識し、カーボンファイバー製フロントスプリッター、ロープロファイル・リヤスポイラーを装着。1960年代から70年代に流行したフリップトップ燃料キャップは、充電ポート用ドアとして機能するようアップデートされている。

マッスルカーに対応するフル電動キット

「1967 プリムス GT エレクトロモッド コンセプト」のフル電動パワートレイン。
モパーが開発したEVコンバージョンキット「モパー・e-クレート(Mopar e-Crate)」は、今回のプリムス GTXだけでなく、EボディやBボディのマッスルカーにも対応。バッテリーはボンネットとトランクに分けて搭載される。

カーボンファイバー製ボンネットの下には、拡張可能な400V・250kWのフル電動駆動モジュール(EDM)を搭載。すべてのマウントは製造のしやすさを考慮しており、ブレースやブラケットは「6061」アルミニウム合金を採用し、ウォータージェットで切断できるよう設計されている。最高出力は339PS、航続距離は250マイル(約402km)が確保された。

フル電動駆動モジュール上部には、統合デュアル充電モジュール(IDCM)がレイアウトされており、世界最速最強のマッスルカー「ヘルキャット」が搭載していたスーパーチャージャーをオマージュした、カスタムスタイルのカバーが取り付けられた。このEDMマウントキットは、EボディやBボディの車両にも対応する。

4基のバッテリーパックには、合計384個のリチウムイオンバッテリーセルを搭載。4基のうち3基はトランク内に固定されたカートリッジスタイルのアルミニウムフレームに収納され、サービスや交換時に簡単に取り外せるよう設計されている。4基目のバッテリーパックは重量配分を改善し、エンジンベイの外観を向上させるため、フロントの薄型ラジエーターセットとグリル後方に搭載。バッテリーシステム全体の容量は73kW、バッテリー総重量は約100kgに抑えられている。

「モパー・e-クレート」には、上記の電動パワートレインに加えて、専用設計されたカーボンファイバー製フェンダーエプロン、防火壁、ラジエータープレナム・クローズアウトが含まれる。専用設計されたアクセスパネルにより、補助バッテリーやクーラントポンプの点検・整備も簡単に行うことができるという。

オリジナルを称えつつ現代化されたコクピット

「1967 プリムス GT エレクトロモッド コンセプト」のインテリア。
コクピットは、電動化に合わせて専用設計されたドライバー・インターフェイスシステムを導入。新たにレザー巻き3本スポークフラットボトムステアリングホイールが採用された。

インテリアには、専用設計されたドライバー・インターフェイスシステムを導入。160mphまで表示可能なアナログ式スピードメーター、バッテリー充電レベル、瞬間的な駆動モーター電流レベル、バッテリーとモーター冷却液の温度など、EV用メーターが搭載されており、すべてが専用デザインのクラスターベゼルに収められた。

オリジナルの3本スポーク丸型ステアリングホイールは取り外され、ビンテージブロンズ仕上げのレザー巻き3本スポークフラットボトムステアリングホイールを採用。ホーンパッドには、オリジナルのフローティング・プリムス・ステアリングハブを称え、フローティング・ブロンズの「オメガM」が配置された。

エクステリアカラーに合わせたブルーのドアパネルは、ビンテージブロンズのアクセントと、手動のウインドウクランクを採用。モパー製ステンレススチール・ペダルカバーは、大胆なコントラストを加え、ドライバーに優れたグリップを提供する。

オリジナルのローバックシートは、サポート性の高いジープ ラングラーのフロントシートに交換。シートは前方へと折りたたむことが可能で、リヤシートへの良好なアクセスが確保された。フロントシートとリヤシートは、インディゴブルーのプレミアムレザー製。ガンメタルのスエード製インナーボルスターが施され、鮮やかなオレンジのアクセントステッチで仕上げられている。

「1967 プリムス GTX エレクトロモッド コンセプト」を動画でチェック!

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ゲンロクWeb編集部

スーパーカー&ラグジュアリーマガジン『GENROQ』のウェブ版ということで、本誌の流れを汲みつつも、若干…