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Ferrari 296 GT3
予選レースで3位を得たアントニオ・フォコ
2024 FIA GTワールドカップ(マカオGTカップ・FIA GTワールドカップ)が、マカオ市街地に設けられたギア・サーキットで華やかに開催された。予選レース12周・決勝レース16周が行われ、フェラーリを含めた23台のGT3マシンが勢揃いしている。
今回3台の「296 GT3」が参戦し、ハーモニー・レーシングの50号車は「フェラーリ 499P」でWECに参戦する中国出身のイェ・イーフェイ、51号車はGTでの経験豊富なダニエル・セラ、AFコルセの83号車は2024年のル・マン24時間レースウィナーでもあるフォコがステアリングを握った。
11月17日、ドライ路面での予選レースを終えたドライバーたちは、土砂降りの雨の中でタイトルを決める決勝レースを迎えた。フォコは予選レースでBMW勢に続く3位でフィニッシュし、3番手グリッドを獲得。レースディレクターはセーフティカー先導でのスタートを選択し、セーフティカーがによる4周の先導走行後、決勝レースの火蓋が切って落とされた。
3番手からスタートしたフォコは「メルセデスAMG GT3エボ」のマーロ・エンゲルと熾烈なバトルを展開。前方では予選レースを制したラファエル・マルチェッロと、ドリス・ヴァントールの「BMW M4 GT3」がトップ2を形成する。一方、中団グループを走行したイーフェイとセラは水飛沫に視界を遮られ、思うように順位を上げることができない。
首位に立ったフォコにまさかのアクシデント
ギア・サーキットでの走行に自信をつけたフォコは、エンゲルとの差を拡大すると、2番手を走るヴァントールをターゲットに定める。レース中盤、最終コーナーで見事なオーバーテイクを披露したフォコがヴァントールをパス。首位を走るマルチェロに照準を合わせ、残り2周、再び最終コーナーでオーバーテイクを仕掛け、トップに立った。
ところが、予想外のドラマがフォコを待ち構えていた。フォコのフェラーリ 296 GT3とマルチェロのBMW M4 GT3が、ギア・サーキット最難関の第1コーナーへと進入すると、フォコがインに入ったタイミングで後方からマルチェロが接触。2台はコースオフを喫し、エスケープゾーンからコースに復帰するも、これでフォコは10番手にまでポジションを落とし、その後マルチェロのリタイアで9位完走となった。
トップ2台が脱落したことで、首位に立ったメルセデス AMG GT3エボのマーロ・エンゲルが優勝を飾った。地元からの大声援を受けたイーフェイは11位、セラは14位となった。