スペインで「アウディ RS Q8 パフォーマンス」の実力を開発責任者が披露

アウディ最強の4.0リッターV8ツインターボを搭載するスーパーSUV「RS Q8 パフォーマンス」の実力を解説

「アウディ RS Q8 パフォーマンス」改良新型の走行シーン
「アウディ RS Q8 パフォーマンス」改良新型の走行シーン
アウディは、2024年6月に販売を開始したハイパフォーマンスSUV「RS Q8 パフォーマンス」改良新型をスペインへと持ち込み、テストドライブを実施した。このイベントにはシャシー開発担当責任者のローランド・ワシュカウが帯同し、その優秀性を説明している。

Audi RS Q8 performance

スペインのシッチェスでRS Q8の実力を確認

アウディは、スペイン・カタルーニャ地方のリゾート地、シッチェスにおいて、シャシー開発担当責任者のローランド・ワシュカウ(写真)を招き、「RS Q8 パフォーマンス」改良新型のテストツアーを実施した。
アウディは、スペイン・カタルーニャ地方のリゾート地、シッチェスにおいて、シャシー開発担当責任者のローランド・ワシュカウ(写真)を招き、「RS Q8 パフォーマンス」改良新型のテストツアーを実施した。

太陽が地中海の上空で照りつけ、パフォーマンスカーのテストドライブには理想的なコンディションになった。ヨーロッパのメディアを対象に実施された「アウディ RS Q8 パフォーマンス」ドライブツアーは、スペイン・カタルーニャ州のリゾート地、シッチェスを起点にスタートした。

集合場所となったシッチェスのホテル前では、RS Q8 パフォーマンスのシャシー開発責任者、ローランド・ワシュカウ(Roland Waschkau)が参加者を出迎えた。彼はアウディ史上最もパワフルな内燃エンジンを搭載したRS Q8 パフォーマンスを指差し、「RS Q8 パフォーマンスは、日常的な実用性とスポーティさを兼ね備えた、他に類を見ない1台だと、自信を持って言い切れます」と、笑顔を見せた。

RS Q8 パフォーマンスは、最高出力640PS(471kW)、最大トルク850Nmを発揮する、アウディ・スポーツ製4.0リッターV型8気筒TFSIツインターボガソリンエンジンを搭載。アウディ・スポーツ製内燃機関エンジンとして最強のスペックをを誇り、0-100km/h加速は3.6秒、最高速度は電子リミッターで305km/hに制限される。

RS Q8 パフォーマンスは、シッチェス周辺のハイウェイや、荒れた舗装路、カステリョーリのパルクモトール・サーキットという過酷な走行環境においても、そのパフォーマンスを発揮。今回、生みの親でもあるワシュカウがステアリングを握った。

「標準装備されている『アダプティブ・エアサスペンション・スポーツ』のおかげで、RS Q8 パフォーマンスは、高速道路の長い区間でもほぼ完璧な相棒になると私は考えています。そのパフォーマンスは、ニュルブルクリンク・ノルドシュライフェで実施されたタイムアタックでも証明されています」

ドライブモードにより性格を変える「eAWS」

「アウディ RS Q8 パフォーマンス」の走行シーン。
今回、モンセラット山中のワインディングロードにおいて、RS Q8 パフォーマンスに導入された「eAWS」がその真価を発揮することになった。

一行は1時間弱でモンセラット山中のワインディングロードに到着。いくつもの短いストレートとコーナーが点在し、挑戦的なセクションがドライバーを待ち構えている。

「RS Q8 パフォーマンスに導入された『eAWS(電気機械式アクティブ・ロールスタビライゼーション)』は、ワインディングロードだけでなく、起伏に富んだ田舎道でも本領を発揮するでしょう。オール・ホイール・ステアリングとの組み合わせによって、最小回転半径を大幅に小さくするという効果ももたらします」と、ワシュカウ。

「eAWSは、ドライビングモードによって、そのキャラクターが大きく変わります。快適な乗り心地を求めるのか、ボディのロールがほとんどないスポーティなセッティングか……。どちらも、お客様の希望に沿ったセッティングが提供されます」

eAWSの駆動エネルギーは、48Vリチウムイオン・バッテリーから供給。大電流を素早く回生・放出できるコンパクトかつ軽量なエネルギー貯蔵ユニットが、それぞれ最大出力1.5kWを発揮する2つの電気モーターへと電力を供給し、eAWSを作動する。

ノルドシュライフェで従来の記録を大幅に更新

パルクモトール・モーターサーキットを走行する、シャシー開発担当責任者のローランド・ワシュカウ。
RS Q8 パフォーマンスはノルドシュライフェにおいてタイムアタックを実施し、先代RS Q8のタイムを6秒近く上まわる、7分36秒698というタイムを叩き出した。写真はパルクモトール・モーターサーキットを走行する、シャシー開発担当責任者のローランド・ワシュカウ。

モンセラットの山々を縫うようにドライブした後、一行は30分ほど離れたカステリョーリにあるパルクモトール・モーターサーキットへと向かった。

開発期間中、RS Q8 パフォーマンスは、ニュルブルクリンク・ノルドシュライフェにおいてタイムアタックを実施。レーシングドライバー兼開発ドライバーのフランク・スティップラーが、全長20.832kmのコースで7分36秒698というタイムを叩き出した。 このラップタイムは先代RS Q8のタイムを6秒近く更新。さらにSUV/オフロードビークル/バン/ピックアップクラスにおいて、従来の記録を2秒以上も上まわっている。

この記録的なラップタイムを実現したのは、パワフルな大排気量エンジンだけでなく、標準装備のRSセラミックブレーキ・システムや、高トルク電動スピンドルドライブ付き「オールホイール・ステアリング」が大きな効果をもたらした。ワシュカウはオプションとして設定される「quattro」4WDシステムに組み込まれたスポーツディファレンシャルの効果を次のように説明した。

「quattroシステムは、前後アクスル間の理想的な駆動トルク配分を保証しています。eAWSとスポーツディファレンシャルによって、RS Q8 パフォーマンスは、特にサーキットにおよて俊敏かつニュートラルなハンドリングを実現しています」

使い勝手と走行性能を高レベルで両立

アウディは、スペイン・カタルーニャ地方のリゾート地、シッチェスにおいて、シャシー開発担当責任者のローランド・ワシュカウ(写真)を招き、「RS Q8 パフォーマンス」改良新型のテストツアーを実施した。
パワフルな4.0リッターV8ツインターボに、様々な最新コンポーネントを組み合わせたことで、RS Q8 パフォーマンスは、日常的な使い勝手と、スポーツ性能を高いレベルで両立している。

最後にワシュカウは、RS Q8 パフォーマンスの完成度の高さをアピールした。

 「RS Q8 パフォーマンスは、市街地、山間部のワインディングロード、ハイウェー、そしてサーキット。あらゆるドライブ環境において、ドライブトレイン、シャシー、AWSの相互作用が、細かく調整されていると理解できるはずです。一番最初にお話したように、RS Q8 パフォーマンスは、日常的な使い勝手と、極めてスポーティな性能を高いレベルで両立しています」

「そして、非常に魅力的なサウンドも特徴のひとつ。新開発の軽量エキゾーストシステムは、背圧の低減によりパフォーマンスの向上と、よりスポーティでエモーショナルなサウンドを実現しました。さらにオプションで用意される『RSスポーツエキゾースト・システム』は、さらにエキサイティングなサウンド体験を提供し、ハイグロスブラックのテールパイプがリヤセクションをスポーティに演出します」

ワシュカウはパルクモトール・サーキットのピットレーンにRS Q8 パフォーマンスを止めると、すぐにサーキットを後にした。ドイツへと向かった彼には、次のプロジェクトが待っているのだ。

新たに追加されたトップ仕様「アウディ RS Q8 パフォーマンス」の走行シーン。

アウディSUV史上最強を誇る「RS Q8 パフォーマンス」がデビュー「ニュルで市販SUV最速7分36秒698を記録」

アウディ・スポーツが、ハイパフォーマンスSUV「RS Q8」改良新型を発表した。新たに追加された最上級仕様「RS Q8 パフォーマンス」が搭載する4.0リッターV型8気筒TFSIエンジンの最高出力は640PSを発揮。価格はRS Q8が14万1900ユーロ〜、RS Q8 パフォーマンスが15万5700ユーロ〜、2024年6月27日から欧州におけるオーダー受付がスタートした。

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ゲンロクWeb編集部

スーパーカー&ラグジュアリーマガジン『GENROQ』のウェブ版ということで、本誌の流れを汲みつつも、若干…