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MERCEDES-BENZ E-CLASS STATIONWAGON
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VOLVO V90
ワゴンに懸けるボルボのプライド




「Sクラス」を筆頭とするメルセデス・ベンツは、高級セダンのイメージが強いといえるだろう。対するボルボは、いまだに質実剛健なステーションワゴンのイメージが強いメーカーである。「メルセデス・ベンツ Eクラス」と「ボルボ V90」のボディサイズを比較すると、両車とも非常に似た値を示している。大きく異なるのは車重だが、これは後述するパワートレインの違いによる。
両車とも高級感のある外装だが、特にボルボはテールランプやリヤゲートの形状など、非常に凝った造りとなる。このあたりはボルボのステーションワゴンに対するこだわりの強さがあらわれているといえるだろう。
メルセデス・ベンツ E300 ステーションワゴン・エクスクルーシブ
ボディサイズ=全長4960mm×全幅1880mm×全高1480mm
ホイールベース=2960mm
車両重量=1950kg
タイヤサイズ=225/55R18
ボルボ V90 リチャージ・アルティメットT8 AWD プラグインハイブリッド
ボディサイズ=全長4945mm×全幅1880mm×全高1475mm
ホイールベース=2940mm
車両重量=2130kg
タイヤサイズ=245/40R20
複雑なPHV機構を持つV90




両車ともにハイブリッド機構を採用しているが、そのシステムは異なる。Eクラスはエンジンを始動するセルモーターの出力を向上させたマイルドハイブリッドシステムを搭載している。これは加速時など、より燃料を消費しやすい場面でエンジンをアシストする機構だ。
一方のV90はプラグインハイブリッド(PHV)を採用している。V90は前輪・後輪の両方にモーターを備えており、そのどちらのモーターもEクラスより強力だ。さらにEクラスはモーターのみで走ることはできないが、PHVであるV90はモーターのみでのEV走行が可能だ。その最大航続距離は81kmとなっている。
メルセデス・ベンツ E300 ステーションワゴン・エクスクルーシブ
エンジン形式=直列4気筒DOHCターボ+マイルドハイブリッド
排気量=1997cc
最高出力=258PS/5800rpm
最大トルク=400Nm/2000〜3200rpm
トランスミッション=9速AT
駆動方式=RWD
ボルボ V90 リチャージ・アルティメットT8 AWD プラグインハイブリッド
エンジン形式=直列4気筒DOHCターボ+プラグインハイブリッド
排気量=1968cc
最高出力=317PS/6000rpm
最大トルク=400Nm/3000〜5400rpm
トランスミッション=8速AT
駆動方式=AWD
1000万円オーバーの価値をどこに見出すか


両車ともに1100万円級の高級ステーションワゴンである。ただ、Eクラスは2.0リッター直列4気筒ターボエンジンで1139万円というプライス。V90は同じく2.0リッター直列4気筒ターボエンジンながら、PHVなので1109万円となる。
ブランドを考慮しなければ、PHVという機構を持つV90の方に1100万円を払う価値を感じる人が多いのではないだろうか。さらに後輪にもモーターを備えるV90は、当然AWDとなる。ボルボらしく走破性が高いという機能性も持ち合わせているのだ。