「ブリッツ」がランクルのサスとコンピューターを仕上げた

国産チューニングカーを牽引してきた「ブリッツ」がランクルを仕上げたらこうなる!「サスとコンピューターは必見」

ブリッツが開発に取り組むランドクルーザー250に迫った。
ブリッツが開発に取り組むランドクルーザー250に迫った。
ブリッツは「チューン・ユア・ライフ」というコンセプトを持ってあらゆるカーライフを豊かに快適に、そして刺激的に誘ってくれる。その指針を持って開発に取り組んでいるランドクルーザー250に迫る。(GENROQ 2025年2月号より転載・再構成)

BLITZ × LAND CRUISER Series

すべての人びとのカーライフを豊かに

国産チューニングカーが隆盛を極めた一時代を牽引し、モンスター級のチューニングカーを含めて、数々の機能部品パーツを製作してきた。そんなブリッツは、今では「チューン・ユア・ライフ」と掲げて、コアなファンだけでなく、すべての人びとのカーライフを豊かにするような製品づくりに取り組む。車高調の一般化や、電子制御系の改良を含めたパワーユニットのポテンシャルアップへの敷居を下げるなど幅は広い。

コンプリートカーとして完成しているランクル300 GRスポーツと、開発が進むランクル250は、ブリッツの活動を体現するような存在だと思う。取材に訪れた2024年12月某日は、ランクル250のコンプレッサーシステムを開発している最中だった。開発車両は250VX。トヨタの代表的なガソリンエンジンである2.7リッター直列4気筒(2TR-FE型)を搭載する。世界中の僻地で酷使してもへっちゃらという信頼耐久性の高さから、ランクル勢やハイエースなどに広く使われてきた。とはいえ最高出力163PS、最大トルク246Nmという数値では、重量級のSUVを引っ張るには物足りないという声が多いのは事実だ。オフロードタイヤを履かせたり、また多人数乗車をする機会が多いのなら、よりアンダーパワーが露呈する。

ランクル250をパワフルに

そこにブリッツは応え続けてきた。過去、プラドやハイエースの同型ユニットに対して、コンプレッサーシステム(スーパーチャージャーキット)を供給してきた歴史がある。そのノウハウを活かして、ランクル250もパワフルにしようという試みだ。とはいえ他車種から簡単に流用はできない。エンジンの搭載位置やパイプの取り回しなどが大きく違うために、フィッティングを中心とする開発が必要となった。まだ出力データは得られていないものの、150型プラドであれば+35PS以上、+54Nm以上もオントップしているため、ランクル250でも期待できそうだ。

さらにパワーユニットを活かすため、純正ECUの範囲内でエアフロセンサーを制御してパワーアップさせるパワコンや、排気効率を上げるエキゾーストシステムなども開発中だという。これらはすべて、カプラーオンもしくはボルトオンなど、余計な気苦労はなく簡単に装着できるよう仕上げるのがブリッツらしい。「チューン・ユア・ライフ」思想はこうした部分に象徴される。

32段階の減衰力調整機能

さらに並行してサスペンションの開発も進む。今ではブリッツの看板商品だという全長調整式車高調システム「ダンパーZZ-RスペックDSCプラス」のランクル250への適合である。これには32段階の減衰力調整機能が設けられ、車内の液晶モニターを使って瞬時に変更できるのがウリだ。ランクル250をより好みの乗り味へと導くことができるようになる。今回は敢えてローダウン方向から試している最中だという。

ランクル250にある一連のプログラムは、2025年の東京オートサロンで発表される予定で、その後も熟成が続けられる。ランクル300 GRスポーツのように、質の高いコンプリートカーとして結実する日が楽しみである。

REPORT/中三川大地(Daichi NAKAMIGAWA)
PHOTO/真壁敦史(Atsushi MAKABE)
MAGAZINE/GENROQ 2025年2月号

【問い合わせ】
ブリッツサポートセンター
TEL 0422-60-2277
https://www.blitz.co.jp

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