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Totem Automobili GT Super “IPERIA”
608PSを発揮する2.8リッターV6ツインターボを搭載
トーテム・アウトモビリは「アルファロメオ ジュリア」をベースにしたレストモッド「GT スーパー」を開発。わずか40台が限定されるGT スーパーは、イタルテクニカ(Italtecnica)社と共同開発した2.8リッター90°V型6気筒ツインターボエンジンを搭載し、6速MTを介して後輪を駆動する。最高出力608PS、0-100km加速は3.1秒、最高速250km/hという強烈なスペックを実現した。
2024年12月、ヴァイラーノ・サーキットにおいて行われたトラック・ディベロップメントデイにおいて、トーテム・アウトモビリは最新作となる、GT スーパーのシャシーNo.12「イペリア」を公開した。イペリアのボディワークは特注のメタリックグリーン仕上げをチョイス。各部に装着されたマット仕上げのカーボンファイバーエレメントは、光の角度によって正方形かダイヤモンド・パターンへと変化する。
厳しい「IVA」テストのクリアに向けて
インテリアは、臨場感あふれるドライビング体験を求めるクライアントの要望に応え、カーボンファイバー製専用レーシングシートを装着。センタートンネルやダッシュボードなどの内部サポートは、特定部位はケブラーで補強が加えられた構造用カーボンファイバーが贅沢に奢られている。
現在、GT スーパー シャシーNo.12は、ヴィラーノにおいて個別車両承認(IVA)テストの審査過程にある。IVAテストは、登録の標準要件を満たしていない車両、もしくは欧州連合 (EU) 以外から輸入された車両に対して実施されるホモロゲーション審査。 IVAテストでは、対象車両がヨーロッパにおいて合法的に走行するために必要な安全性、環境、車両構造の基準を満たしているかが厳しくチェックされる。
この重要なステップをクリアすることで、トーテム・アウトモビリの車両は、ヨーロッパをはじめとする世界各地で合法的に走行できるようになる。現在、トーテム・アウトモビリは、小規模独立系自動車メーカーとしては異例だが、非常にコストのかかる正規のホモロゲーション審査をクリアしようとしている。
トーテム・アウトモビリが手がけるレストモッドは、高度に合理化されたサプライチェーンを経て製造。環境への影響を最小限に抑え、ヨーロッパの最も厳しい安全要件をクリア。今回、12台目のGT スーパーを完成させ、2025年は「メイド・イン・イタリー」を掲げ、さらなるステップアップを目指していくという。