【CES 2025】ソニー・ホンダモビリティが「アフィーラ 1」市販仕様を公開

ソニーとホンダの共同開発EV「アフィーラ 1」予約受付が米カリフォルニアで開始【CES 2025】

ソニー・ホンダモビリティは、ラスベガスで開催中のCES 2025において、初の市販EV「アフィーラ 1」を発表した。
ソニー・ホンダモビリティは、ラスベガスで開催中のCES 2025において、初の市販EV「アフィーラ 1」を発表した。
ソニー・ホンダモビリティ(SHM)は、現在ラスベガスで開催中の「CES 2025(コンシューマー・エレクトロニクス・ショー 2025)」において、「アフィーラ(AFEELA)」ブランドとして販売する最初のモデル「アフィーラ 1」を発表した。アフィーラ 1は、米国オハイオ州で生産され、カリフォルニア州における2025年内の正式発売と、2026年中旬のデリバリー開始を予定。価格は特定の機能と装備の3年間無料サブスクリプションを含めて、8万9900ドルから。全額払い戻し可能な予約金200ドルで、オンライン予約受付をスタートした。

AFEELA 1

「オーバル」をコンセプトに掲げたデザイン

CES 2025で行われたソニー・ホンダモビリティによる、「アフィーラ 1」のプレスカンファレンス。
シンプルかつ調和のとれた「アフィーラ 1」のエクステリアとインテリアデザインは、車室を包み込む「オーバル」がコンセプトに採用された。写真は、SHMの水野泰秀会長兼CEOによる、プレスカンファレンスの様子。

ソニー・ホンダモビリティ(SHM)が販売する初のフル電動モデルとして開発された「アフィーラ1」は、先進のソフトウェアと高性能なハードウェアを融合。モビリティを知能化することで、人とクルマとのインタラクティブな関係性が追求された。

アフィーラ1には、運転負荷軽減と安心・安全な移動体験を提供する先進運転支援システム(ADAS)、モビリティとのコミュニケーションを可能にする対話型パーソナルエージェントを搭載。室内には、多彩なアプリやエンターテインメントコンテンツを楽しめる独自のサウンドシステムとディスプレイが、それぞれのシートに応じて最適に配置されている。

そのデザインは、乗る人の心地よさを最優先に考え、車室を包み込む「オーバル」をコンセプトに、インテリアとエクステリアの細部にまで調和のとれた普遍性を追求。インテリアは最上の移動空間を追求した洗練された空間づくりを、エクステリアは、装飾的な線や誇張された面の抑揚を徹底的に削ぎ落とした、滑らかで硬質感と緊張感のあるサーフェスを特徴としている。

車両としてのダイナミクス性能は、ドライバーとの一体感を追求して設計されており、軽快かつ安定感のある操縦性を実現。上質な乗り心地を乗る人すべてに提供する。インテリアには原料の一部に植物由来原料や再生材を使用する高品質な機能性素材を採用した。さらに、アフィーラ 1は、OTA(オーバー・ジ・エアー)により、カスタマーが購入後も機能改良やシステムの拡張が可能となっている。

ソニー・ホンダモビリティの代表取締役会長兼CEOを務める水野泰秀は、アフィーラ 1について次のようにコメントした。

「ソニー・ホンダモビリティは、モビリティの知能化により人との関係を進化させ、移動体験に革新をもたらします。今回、自動運転時代に向けて開発したアフィーラ 1を、CES 2025の場でお披露目できたことを大変うれしく思います。アフィーラ 1は、先進のソフトウェアと徹底的に磨き上げられたハードウェアを組み合わせた『バディ(相棒)』と呼べる存在です。お客様のご期待に応え、安心・安全で快適な移動体験を提供していきます」

独自開発「ADAS」による高度な運転支援を実現

アフィーラ 1には、ソニー・ホンダモビリティ独自開発した運転支援システム「アフィーラ・インテリジェント・ドライブ」を搭載。高度な運転支援を実現した。
アフィーラ 1には、ソニー・ホンダモビリティ独自開発した運転支援システム「アフィーラ・インテリジェント・ドライブ」を搭載。高度な運転支援を実現した。

アフィーラ 1には、SHMが独自したADAS「アフィーラ・インテリジェント・ドライブ(AFEELA Intelligent Drive)」を搭載する。40のセンサー(カメラ、LiDAR、レーダー、超音波センサー)が、周囲をセンシングして収集したデータと、最大800TOPSの計算能力を持つ電子制御ユニット(ECU)を駆使。AI技術により「認識(Perception)」「予測(Prediction)」「行動計画(Planning)」の各行程で、高度な運転支援を実現した。

出発地点から目的地点での駐車まで、エンド・ツー・エンドの経路でドライバーの運転負荷を軽減。また、アフィーラ 1が常時モニタリングしている周辺環境と運転状況は、「Unreal Engine」によりビジュアル化された「ADASビューやマップ」としてディスプレイに表示され、ドライバーに安心・安全な移動体験を提供する。

ドライバーはコクピットにおいて、「アフィーラ・パーソナル・エージェント(AFEELA Personal Agent)」との自然な対話を通じて、様々な車載機能を音声でコントロールが可能。さらに、エージェントとの会話を楽しんだり、行動計画の提案を受けたりすることもできる。

インテリアは、乗る人それぞれのシートに最適化された独自のサウンドシステムとディスプレイを搭載。走行中、エンターテインメントパートナーの提供する多彩なアプリやコンテンツを楽しむことができる。ソニー・ホンダモビリティ独自のノイズキャンセリング技術を融合させた圧倒的な静粛性と最適に配置されたスピーカー、ソニーの立体音響技術(360 Spatial Sound Technologies)を駆使し、没入感のある音場で高品質なオーディオ体験が提供される。

日本市場には2026年内に導入を予定

ソニー・ホンダモビリティ初の市販EV「アフィーラ 1」のインテリア。
アフィーラ 1の先進的なインテリア。米国・カリフォルニアに先行導入され、日本市場には2026年内の発売を予定している。

アフィーラ 1は、「オリジン(Origin)」と「シグネチャー(Signature)」という2種類のトリムを展開。どちらのトリムも「アフィーラ・インテリジェント・ドライブ」と「アフィーラ・パーソナル・エージェント」、厳選されたエンターテインメントコンテンツ、車両をデジタルでカスタマイズできる様々なテーマセット、5Gデータ通信を、3年間無料のサブスクリプションで利用可能となっている。

価格はアフィーラ 1 オリジンが8万9900ドルから。アフィーラ 1 シグネチャーは、21インチホイール、リヤエンターテインメントシステム、「C-CMS(センターカメラモニタリングシステム)」を装備し、10万2900ドルというプライスタグがつけられた。

エクステリアカラーは「タイダルグレー(Tidal Gray)」「カルムホワイト(Calm White)」「コアブラック(Core Black)」の3色を展開。アフィーラ 1 シグネチャーは、エクステリアカラー3色に「ブラック」と「グレー」のインテリアカラーから自由なコンビネーションを選ぶことができる。

充電はテスラのスーパーチャージャーネットワークが利用可能で、航続距離は最大300マイル(482km)を目標に開発中。また、購入後も安心して長く利用できるよう、高品質なサポートサービスも提供される。

「アフィーラ 1」を動画でチェック!

ソニーホンダのプロトタイプBEV「アフィーラ」に見るSDV時代のクルマ作り

総合電機メーカー「ソニー」と自動車メーカー「ホンダ」による異業種の協業から生まれた「AFEELA(アフィーラ)」は、それぞれの強みをいかしたプロトタイプBEVである。北米・ラスベガスの「CES 2023(コンシューマー・エレクトロニクス・ショー 2023)」で大きな注目を集めたが、現代にマッチする価値観を持たせるのはこれからと見るべきだろう。ITジャーナリストの本田雅一はこの協業をどう見るのか?

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著者プロフィール

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ゲンロクWeb編集部

スーパーカー&ラグジュアリーマガジン『GENROQ』のウェブ版ということで、本誌の流れを汲みつつも、若干…