待望のMINIのコンバーチブルモデルを試乗!

ついに追加された待望の新型コンバーチブル「MINI クーパー コンバーチブル」にアメリカで試乗

矢継ぎ早に新グレードを投入しているMINIだが、ファンにとっては待望のコンバーチブルがついに追加された。オープンエアを楽しむことにとことんこだわった、新型MINIコンバーチブル。そのファーストインプレッションをお届けしよう。
3ドアや5ドア、電動モデルなど矢継ぎ早にグレード追加しているMINIにコンバーチブルモデルが追加された。その走りの進化とは!?
矢継ぎ早に新グレードを投入しているMINIだが、ファンにとっては待望のコンバーチブルがついに追加された。オープンエアを楽しむことにとことんこだわった、新型MINIコンバーチブル。そのファーストインプレッションをお届けしよう。(GENROQ 2025年3月号より転載・再構成)

MINI Cooper Convertible

約20秒で開閉可能な電動ソフトトップ

MINIクーパー・コンバーチブルは電動ソフトトップを採用する。30km/h以内なら走行中でも開閉可能だ。
MINIクーパー・コンバーチブルは電動ソフトトップを採用する。30km/h以内なら走行中でも開閉可能だ。

日本で人気のMINIに魅力的な「コンバーチブル」が追加された。BMWグループの一員となった初代MINIは2001年にデビュー。当時は全長約3.6mと初代メルセデス・ベンツ Aクラスとほぼ同じサイズだった。日本では2002年3月2日に市販され、2004年には初のコンバーチブルが登場し、電動ソフトトップを採用していた。

当時はオープンカーのボディ剛性と衝突安全が課題だったので、ボディワークが最大の技術課題であった。我が家もMINIのソフトトップを所有していたことがあるが、趣味と実用を兼ねるソフトトップの存在感は抜群で、実際の走りもオープンカーながら、ボディがワナワナと揺すられることはまったくなかった。

MINIの生産は英国のオックスフォード工場が担当する。以前見学したときに驚いたのは、MINIのボディ作りがいままでの常識にとらわれない取り組みだったこと。当時からゴーカートのようなハンドリングがMINIの個性だったので「ボディ剛性は非常に重要」とエンジニアは考えていた。BMWの技術がここで活躍したことは言うまでもない。

ソフトトップのオープンカーの場合、ルーフをチョップすることで「ハイ、出来上がり」というわけにはいかない。ルーフがないので当然ボディ剛性は低下する。そこでMINIは最初からルーフがない状態でもボディ剛性が確保できるように、フロアからサイドシルの部分を補強し、捻り剛性を確保。さらにAピラーを補強し、アルミロールバーを追加している。側面衝突の対応としてはドアが強化されたことで安全性が増している。そのため重量は約130kg増加したが、今回試乗した新型「クーパー・コンバーチブルS」のソフトトップは重量差が100kgとなった。20年の年月の中で、ソフトトップの軽量化も進化しているのである。

ガラス製の240mmセンターディスプレイはモダンなデザイン

試乗はアメリカ南部のサウス・カロライナ州にあるBMWのカスタマーセンター。ドライブしたクーパー・コンバーチブルSは204PSの2.0リッター4気筒ターボを搭載するモデルだ。欧州ではディーゼルも用意されるが、アメリカではガソリン車が中心だ。アメリカ人のMINI愛好家はソフトトップを好む傾向が強く、寒い地域でもオープンカーのドライブを楽しんでいるらしい。

早速ソフトトップを試すべく、電動ソフトトップのスイッチをオン。30km/h以下なら走行中でも開閉が可能なので、気軽にオープンとクローズを試すことができた。全開までは約20秒で開放感が得られる。試乗は11月だったので寒さを感じたがシートヒーターが体を温めてくれた。寒さに耐えられないときは、ルーフを40cmだけ開くサンルーフモードモードも備わるので気軽に開放感を得ることができた。

相性の良いピレリタイヤをチョイス

クーパー・コンバーチブルSはグリップバランスに優れたピレリ・シンチュラートP7を履きこなしていた。
クーパー・コンバーチブルSはグリップバランスに優れたピレリ・シンチュラートP7を履きこなしていた。

ギヤボックスにDCTを採用する点はクーパーSと同じで、小気味よいギヤシフトが楽しめる。さて、ソフトトップで、最も気になるのは、乗り心地とハンドリングの出来栄えだ。サーキット走行はできなかったが、フリーウェイとカントリー路で走りをチェック。すでにクーパーSは日本で試乗済みだが、クーパー・コンバーチブルSと比較してもボディ剛性が低いという印象はなく、むしろ重量を増したことで細かい振動は車体が吸収している。ロードノイズが小さく感じたのはそのおかげかもしれない。

フリーウェイを降りて、カントリー路を走ると、ところどころ路面が荒れているところがあった。ここは乗り心地の評価に適していると思い、何度も走ってみた。取り付けたiPhoneの動画からも、揺れが少ないことがわかった。凹凸路面ではサスペンションがうまく吸収している。MINIはゴーカート的な走りを標榜するので、サスペンションは硬めだが、ボディと一体感があるダンピングはMINIの真髄だ。日本へは2025年に導入されるがこのクラスはソフトトップモデルが少ないので、貴重な1台となりそうだ。

生産は英国オックスフォード工場

オープン時のデザインもかっこカワイイMINIクーパー・コンバーチブル。日本でも人気を博すことだろう。
オープン時のデザインもかっこカワイイMINIクーパー・コンバーチブル。日本でも人気を博すことだろう。

REPORT/清水和夫(Kazuo SHIMIZU)
PHOTO/BMW AG
MAGAZINE/GENROQ 2025年3月号

SPECIFICATIONS

MINIクーパー・コンバーチブルS


ボディサイズ:全長3880 全幅1745 全高1435mm
ホイールベース:2495mm
エンジン:直列4気筒DOHCターボ
総排気量:1998cc
最高出力:154kW(204PS)/5000rpm
最大トルク:300Nm(30.6kgm)/1450-4500rpm
トランスミッション:7速DCT
駆動方式:FWD
サスペンション:前マクファーソンストラット 後マルチリンク
ブレーキ:前後ベンチレーテッドディスク
タイヤサイズ:前後215/45R17
車両本体価格:514万円

【問い合わせ】
MINIカスタマー・インタラクション・センター
TEL 0120-329-814
https://www.mini.jp

フルモデルチェンジに近いアップデートを果たした、新型「MINI クーパー コンバーチブル」がデビューを飾った。

最新デザインとインテリアが導入された新型「MINI クーパー コンバーチブル」がデビュー【動画】

BMWグループのMINIブランドは、新型「MINI クーパー コンバーチブル」をワールドプレミアした。4代目MINI クーパーをベースにコンバーチブルとした。ヘッドライトやインテリアなどに、新型MINI クーパーのデザインが導入されている。

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著者プロフィール

清水和夫 近影

清水和夫

1954年生まれ東京出身/武蔵工業大学電子通信工学科卒業。1972年のラリーデビュー以来、N1耐久や全日本ツ…