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FIAT Grande Panda
新世代フィアット第1弾モデル

フィアットは、新たなグローバルモデルシリーズ第1弾「グランデ パンダ」を発表。イタリアンデザインを導入した内外装、コンパクトなボディサイズ、十分な居住性、そして持続可能性においてフィアットの新世代を象徴するモデルとして開発された。デビュー時点からフル電動パワートレインと48Vマイルドハイブリッドパワートレインをラインナップし、フィアットが数十年にわたりリードしてきた、Bセグメントへと投入される。
イタリア・トリノのチェントロ・スティーレでデザインされたグランデ パンダは、コンパクトなサイズとすっきりとしたライン、シンプルなインテリアなど、歴代パンダが受け継いできたキャラクターを踏襲。タフな印象を与えるダイナミックなウェッジシェイプデザインは、力強さと現代性をアピールする。
グランデ パンダは、ステランティス・グループが開発した様々なパワートレインに対応する 「スマート・カー・プラットフォーム(Smart Car Platform)」をベースに開発された最初のフィアットであり、今後数年間、導入を予定している新世代フィアット・ファミリーの先駆けとなる1台だ。
初代パンダをオマージュしたエクステリア

グランデ パンダは、1980年代のアイコンとして現在でも高い人気を誇る初代パンダをオマージュ。Bセグメントで一般的な数値を下まわる全長3990mm、全高1570mm、全幅1760mmというコンパクトなサイズに留められながらも、大人5名がリラックスできる居住性能が確保された。
エクステリアは、前後ドアにあしらわれた大胆な「PANDA」の3Dレリーフや、リヤの「FIAT」のレタリングなど、フィアットの原点に立ち返ったデザイン要素が数多く導入された。前後に配置されたシルバーのスキッドプレート、力強いホイールアーチなど、シンプルでありながら機能的なディテールが、イタリアらしさをアピールする。
1980年代のテレビゲームを思わせるヘッドライトの「ピクセル LEDランプ」は、過去のトレンドからインスピレーションが反映されており、高い視認性とスタイルをクールに融合した。されに、ウインドウグラフィックにアクセント与えるブラックピラー仕上げ、「FIAT」ロゴ入りハブキャップ付き17インチ・ダイヤモンドカット・アロイホイールにより、個性的なキャラクターに力強いアクセントが加えられた。
イタリアのカラフルなライフスタイルを体現した個性的なエクステリアカラーは、「リモーネイエロー(Limone Yellow)」「ルナブロンズ(Luna Bronze)」「アクアアズール(Acqua Azure)」「ラーゴブルー(Lago Blue)」「パッシオーネレッド(Passione Red)」「シネマブラック(Cinema Black)」「ジェラートホワイト(Gelato white)」の7色が用意された。
手に届きやすい安価なBEV仕様を提供

パワートレインは、フル電動仕様(BEV)と、48Vマイルドハイブリッドモデルをラインナップ。BEV仕様は容量44kWhバッテリーに、最高出力83kW(114PS)のeモーターが組み合わせられ、最大航続距離は320km(WLTP複合モード)が確保された。0-100km/h加速は11秒、最高速度は電子リミッターで132km/hに制限される。
BEV仕様は大型バッテリーや高出力モーターによるスペックを追うのではなく、フィアットの本質的な価値である手頃な価格を優先。モビリティの電動化の波に乗りたいものの、多額の投資が不可能なカスタマーにも、クールで手の届く安価なBEVを提供する。
リヤの充電ポートに加え、フロントにはACリトラクタブルケーブルを装備。最大7kWの充電が可能で、20%から80%まで4時間20分で充電完了する。カスタマーの要望や、特定のマーケットにおいては、リヤの11kW充電ポートのみを選択することも可能。こちらは20%から80%までの充電時間が2時間50分となっている。どちらの充電ポートもDC急速充電ポートが搭載されており、100kW急速充電器を使うことでわずか27分でフル充電に達する。
様々な局面を電力でカバーするハイブリッド仕様

マイルドハイブリッド仕様は、最高出力100PSを発揮する1.2リッター直列3気筒ガソリンターボに、48Vリチウムイオンバッテリー、21kWのeモーター、インバーター、トランスミッションのセントラルユニットを含む、6速電動デュアルクラッチトランスミッション(eDCT)を搭載。ガソリンエンジンに低回転域と加速時に電力を追加したことで、スムーズで静かな発進と高い効率性を実現した。さらに、この48Vハイブリッドシステムは減速時の回生システムも備える。
1.2リッター直3ガソリンエンジンはミラーサイクルシステムの導入により、CO2排出量は123gに抑えられ、同セグメントのライバルに対して高い競争力を確保。また、100%EVモードで発進できる「e-ローンチ」機能(ガソリン消費ゼロのスムーズで静かな発進)も搭載された。
特定の状況においては、ガソリンエンジンをストップすることも可能で、30km/h以下の速度において最大1kmの電動走行を実現。また、平坦な道や下り坂を含む高速道路など、安定した状況でもドライバーがアクセルを離すとモーターが作動し、効率的な走行が可能になる。渋滞時などを電力でカバーし、アクセルを踏まずに短時間前進する「e-クリープ」、駐車時の「e-パーキング」など、主に低速時をモーターでカバーする機能も搭載された。
環境に配慮した素材を採用したインテリア

シンプルで明るいインテリアは、ブルータスマニアをメインカラーにチョイスし、トンネルパッドを備えたインフォテインメントエリア、ダッシュボード、エアコンの吹き出し口、シートステッチに、アクセントカラーのイエローが施された。コクピットの10.0インチ・メータークラスターと10.25インチ・デジタルラジオは、トリノのフィアット本社に存在した「リンゴットトラック」をイメージしたリングで囲まれる。
前後シートはBセグメント最高のショルダールームが確保され、高い居住性を実現。ダッシュボードを含めた室内の各部には、合計13Lの収納スペースも用意された。ビジネスユースやちょっとした旅行にも十分対応する、361Lというラゲッジ容量も確保されている。
グランデ パンダは、140個の飲料用紙パックから回収されたリサイクルマテリアル導入。欧州における飲料用紙パックの80%はカートン、20%はリサイクル不可能なプラスチックとアルミニウムで構成されており、通常このプラスチックとアルミニウムはリサイクルの際に捨てられてしまう。フィアットはその20%の素材を回収し、「ラポレンエコテック(Lapolen Ecotek)」と呼ばれる内装用のプラスチックパーツに再利用した。
また、最上級トリム「ラ・プリマ(La Prima)」のダッシュボードラッピングに、本物の竹繊維から製造された専用テキスタイル 「バンボックス・バンブー・ファイバーテックス(BAMBOX Bamboo Fiber Tex)」を使用。ダッシュボードの一部が専用テキスタイルでコーティングされ、この生地の33%が本物の竹繊維で構成されている。