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Mercedes-Benz S 450 d 4MATIC
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BMW 740i
メルセデスらしい外観が与えられたSクラス


2020年、7世代目としてデビューを飾ったW223型「メルセデス・ベンツ Sクラス」。メルセデス・ベンツが掲げるデザインコンセプト「Sensual Purity (官能的純粋)」が追求されたエクステリアは、エアロダイナミクスの最大化を目的に、エッジを減らしたなめらかなサーフェイスが特徴となる。それでもフロントセクションの中心には、メルセデス・ベンツらしい大型グリルが鎮座する。
Sクラスに2年遅れてワールドプレミアされた7代目「BMW 7シリーズ」は、トラディショナルなSクラスとは対照的に、分割型ヘッドライトやバンパーを貫くように配置されたキドニーグリルなど、個性的かつモダンなエクステリアが採用された。
Sクラスはショートホイールベース(3105mm)とロングホイールベース(3215mm)をラインナップするが、「S 450 d 4MATIC」はショートホイールベースのみが導入されている。対して7シリーズはロングホイールベース(3215mm)のみの展開となる。
メルセデス・ベンツ S 450 d 4MATIC
ボディサイズ=全長5180mm×全幅1930mm×全高1505mm
ホイールベース=3105mm
車両重量=2130kg
タイヤサイズ=255/45R19
BMW 740i
ボディサイズ=全長5390mm×全幅1950mm×全高1545mm
ホイールベース=3215mm
車両重量=2120kg
タイヤサイズ=255/45R20(前)、285/40R20(後)
分厚いトルクが特徴の3.0リッター直6クリーンディーゼル


S 450 d 4MATICは最高出力367PSを発揮する3.0リッター直列6気筒クリーンディーゼルに、メルセデス・ベンツではお馴染みの補助駆動装置「インテグレーテッド・スターター・ジェネレーター(ISG)」の組み合わせ。対する740iは、最高出力381PSの3.0リッター直列6気筒ガソリンターボに、48Vマイルドハイブリッドシステムが搭載される。
最高出力はほぼ変わらないが、最大トルクに関してはディーゼルターボのS 450 d 4MATICが750Nmと、520Nmの740iを大きく凌ぐ。特にストップ&ゴーの多い市街地などでは、トルクの大きいディーゼルエンジンの恩恵を感じる場面が多いかもしれない。ただ、7シリーズにも3.0リッター直6ディーゼルを搭載する「740d xDrive」がラインナップされる。
メルセデス・ベンツ S 450 d 4MATIC
エンジン形式=直列6気筒ディーゼルターボ+ISG
排気量=2988cc
最高出力=367PS/4000rpm
最大トルク=750Nm/1350〜2800rpm
トランスミッション=電子制御9速AT
駆動方式=AWD
BMW 740i
エンジン形式=直列6気筒ガソリンターボ+マイルドハイブリッド
排気量=2997cc
最高出力=381PS/5500rpm
最大トルク=520Nm/1850〜5000rpm
トランスミッション=電子制御8速AT
駆動方式=RWD
よりトラディショナルな「Sクラス」




S 450 d 4MATICのコクピットは12.3インチメーターディスプレイに、縦型の12.8インチ有機ELメディアディスプレイを配置。ベースモデルと言えど、メルセデス・ベンツのトップモデルに相応しい質感と装備を誇る。対する740iは、12.3インチと14.9インチの横型スクリーンを組み合わせた「BMWカーブドディスプレイ」を搭載。トラディショナなSクラスに対して、7シリーズはよりモダンなコクピットが演出されている。
価格はS 450 d 4MATICが740iよりも約100万円安い。全モデルにロングホイールベースを採用した7シリーズは、十分なサイズの後席居住空間が確保されている。Sクラスはロングホイールベースを選ぼうとすると、「S500」からの設定となっており、価格は2000万円を突破してしまう。ロングホイールベースを選ぶなら7シリーズだ。
全輪駆動(AWD)による安定性とメルセデスらしいエクステリア持つS 450 d 4MATICに対し、100万円高ではあるものの、高い居住性を持つ740i。あとは7シリーズを選ぶ場合は、その個性的で尖った内外装を受け入れられるかにかかっているかもしれない。