アストンマーティン「ヴァンテージ S」がデビュー「680馬力にパワーアップ」「専用シャシーや空力デバイス導入」【動画】
新型「アストンマーティン ヴァンテージ S」デリバリーは2025年後半
Aston Martin Vantage S
ラインナップ最強を意味する「S」の称号
「アストンマーティン ヴァンテージ S」は、フロントエンジンスポーツカーの頂点に位置するヴァンテージをベースに、出力アップと専用シャシーにより、パフォーマンスアップを実現。エクステリアとインテリアに専用コンポーネントを加え、セグメントのベンチマークに君臨すべく開発されたと謳う。
アストンマーティンは、歴史的にハイパフォーマンス仕様の末尾に「S」を与えており、現行のラインナップでは「DBX S」に続く。近年では、2004年パリ・モーターショーで一般公開された「ヴァンキッシュ S」、その後2011年の「V8 ヴァンテージ S」、2013年の「V12 ヴァンテージ S」などが投入されている。
アストンマーティンのエイドリアン・ホールマークCEOは、新型ヴァンテージ Sについて次のようにコメントした。
「ヴァンテージは数十年にわたって、最高のパフォーマンスと興奮、ドライビングスリルの代名詞であり続けました。昨年、新型ヴァンテージを発売し、世界的な名声を獲得した際にも注目を浴びたのは、このような要素でした。それをさらに超えていくことが、今回発表したヴァンテージ Sの挑戦であり、原動力です」
「こうして生まれたのが、フロントエンジンのウルトララグジュアリースポーツカーの分野における新たなベンチマークとなるヴァンテージ Sです。情熱的で強いこだわりを持った、アストンマーティンのお客様の心を躍らせる1台だと言えるでしょう」
エンジンの出力向上と専用シャシー
ヴァンテージ Sは、最高出力680PS、最大トルク800Nmを発揮する、4.0リッターV型8気筒ツインターボエンジンを搭載。ドライビングの楽しさとドライブフィールの向上を目的に、スロットルペダルの踏力とレスポンスに専用の改良と調整が施された。今回、ドライブバイワイヤのスロットルマップに合ったペダルフィールを導入し、ドライブモードごとに専用チューニングも施されている。
パワートレインのキャリブレーション変更も実施。ローンチコントロール・システムの最適化により、0-60mph加速は0.1秒向上した3.3秒（0-62mphは3.4秒）、0-124mph（200km/h）加速は10.1秒へと進化を果たした。最高速度はヴァンテージと変わらず、202mph（325km/h）を誇る。
サスペンション、パワートレインマウント、制御ソフトウェアにも広範にアップデートを加え、高い俊敏性と安定性が大幅な進化を果たした。ビルシュタイン製DTXアダプティブダンパーのチューニングと、ソフトウェアのキャリブレーションにり、フロントアクスルのフィーリングとレスポンスを向上。リヤスプリングレートを下げることで、圧縮と反発のバランスを最適化し、低速走行時の乗り心地を改善した。
リヤサブフレームをラバーブッシュから、直接ボディへと取り付けるよう変更。サスペンションのキャンバー、トー、キャスターを微調整し、シャープなレスポンスを実現したという。これにより、高い横荷重下におけるフロントセクションのグリップを向上させ、全体的な動的バランスをより正確にした。
専用エアロダイナミクスコンポーネント
エクステリアは、センターに配置されたボンネットブレードが、ヴァンテージ Sのアイキャッチとなる。グロスブラック＆2×2ツイルカーボンファイバー仕上げがチョイスされ、強烈なデザインアピールとなるだけでなく、4.0リッターV8エンジンの熱気を効率的に排出する。
モデル名を示すのは、控えめなフロントフェンダーの「S」バッジのみ。ハンドメイドで製造された真鍮鍛造製の「S」バッジは、ジュエリーと呼ぶにふさわしい輝きを持つ。レッドのエナメルガラスを充填した「S」の枠は、カスタマーが選んだアストンマーティン・ウイングバッジのカラーに合わせて、ブライトクローム加工かダーククローム加工が施された。
リヤセクションには、車幅いっぱいにデッキリッドスポイラーを装着。デザイン的な視覚要素だけでなく、最高速度時にリヤのダウンフォースを44kg増加させ、全体で111kgのダウンフォースを生み出す。安定性を高めながら、ダウンフォースのバランスをフロントセクションへと傾け、優れたターンインのレスポンスと高いコーナリンググリップを生み出す効果を持つ。
足元には専用の21インチYスポークホイールを選ぶことも可能。レッドのアクセントカラーが入ったサテンブラック仕上げとなり、「S」バッジと同様にレッドのディテールが、ブロンズペイントのブレーキキャリパーとエレガントなコントラストを生み出している。
「S」をアピールするレーシーなコクピット
ヴァンテージ Sは、アルカンターラとレザーの「Accelerate」インテリアに、サテン2×2ツイル・カーボンファイバー製トリムインレイが組み合わせられた。スポーティなコクピットは、ヴァンテージと較べて大幅な軽量化も実施されている。
専用装備として、シートの上部ショルダーパネルに色を合わせた 「S」ロゴをシートへと刺繍。約2500針のステッチと16mを超える糸で描き出された「S」の文字は、アストンマーティンのSモデルに対する、徹底的なラグジュアリーとパフォーマンスへのこだわりを具現化しているという。
ヘッドレストにはアストンマーティン・ウイングを刺繍。エンボス加工とデボス加工を用いた業界初の手法によるウイングもオプションで選択可能となっている。こちらは超高圧（1.5トン）と熱によってレザーの上に精密に形づくられたウイングが繊細に描かれる。「S」マークはトレッドプレートとエンジンベイの最終検査プラークにも刻まれている。
金属製のドライブモード用ロータリースイッチは、レッドかシルバーの陽極酸化仕上げを用意。ロータリースイッチのカラーはシートベルト、コントラストウェルト、コントラストステッチ、ヘッドレストの刺繍にも展開され、インテリアに独自の統一感を加えることも可能だ。
「アストンマーティン ヴァンテージ S」を動画でチェック！
