いよいよ本格始動したリヴィアンが放つ電動SUV

【記事更新】注目のEVブランド「リヴィアン」から、電気だけで走るアメリカンフルサイズSUVの第2弾「R1S」も登場!

リヴィアンの電動SUV、R1S。サイドビュー
リヴィアン オートモーティブが放つ第2弾のプロダクト、R1S。アメリカンSUVらしい堂々たるボディを誇る電動SUVだ。
2009年に創業したリヴィアン オートモーティブが、12年という準備期間を経ていよいよ量産車のセールスをスタートした。第1弾となったのが電動ピックアップトラック「R1T」。邦貨で約770万円から、という野心的な価格設定を掲げて高級路線を打ち出した。そして、時を置かずに登場した第2弾のプロダクトが「R1S」。こちらはグローバルでの販売で期待が持てる電動SUVである。

ガソリンをがぶ飲みしないアメリカンフルサイズSUV

リヴィアンの電動SUV、R1S。フロントビュー
リヴィアンの電動SUV、R1Sはフロント側、リヤ両方にカーゴスペースを確保。申し分のない収納力を備えている。ちなみにパワーリフトゲートやシートヒーターは標準装備。

フォードやAmazonのバックアップを受け、いよいよ自動車メーカーとしての歩みを本格化させたリヴィアン オートモーティブ。米マサチューセッツ工科大学で機械工学の博士号を取得したロバート・J・スカリンジが2009年に創業して以来、謎のEVスタートアップ企業としてその動向が注目を集めてきた。そしてついに2021年、12年の沈黙を破って最初のプロダクトである高級電動ピックアップトラック「R1T」の販売をスタート。イリノイ州ノーマル工場でのラインも動き出している。

そんな彼らが放つ2番目のプロダクトが、SUVの「R1S」。フルサイズのSUVボディを持つ純電気自動車で、2列シート5人乗り/3列シート7人乗りの両方をラインナップしている。

航続距離は最長約508km

リヴィアンの電動SUV、R1S充電ポート
リヴィアンの電動SUV、R1Sの充電ポートはフロントフェンダー前方に設けられている。フル充電からの航続距離は最長約508km(EPAモード)。

ピックアップトラックのR1T同様、リヴィアン自慢の「スケートボード・プラットフォーム」と呼ぶ車台がベース。薄型平面のバッテリーパックを主体に、4基のモーター、独立エアサスペンション、油圧式電制アンチロールシステムをすべての車両に搭載する。

R1Sの航続距離はEPAモードで最長316マイル(約508km)。ただしこれは21インチのロードタイヤ装着時の数字であり、20インチのオールテレイン、22インチのスポーツタイヤの場合は10%前後短くなるそうだ。ちなみにタイヤはすべてピレリと共同開発した専用モデルとなる。

レクサスLXやレンジローバー並みの体躯

リヴィアン オートモーティブのイリノイ州ノーマル工場。バッテリーパック
リヴィアン オートモーティブのイリノイ州ノーマル工場。写真は検査工程を待つパッテリーパック。このバッテリーがすべての リヴィアン車に搭載される。

モーターはフロント側が415hp/560Nm、リヤ側が420hp/671Nmを発生。4基のモーターでそれぞれのホイールにトルクを配分する全輪駆動で、0-60mph加速は3秒を謳う。さらに、378mmという十分なグラウンドクリアランスを確保しており、公式資料には「3フィート強(およそ910mm)の渡河性能を実現」との記載がある。ちなみにグラウンドクリアランスは223mm〜378mmまでの範囲で調整可能である。

ボディディメンションは全長5100mm×全幅2077mm×全高1963mmで、ホイールベースが3075mm。サイズ感としてはレクサスLXやレンジローバーに近く、シンプルなデザインながら存在感は堂々たるものだろうと想像できる。

着脱式スピーカーやルーフトップテントも用意

リヴィアンの電動SUV、R1S。リヤビュー
リヴィアンの電動SUV、R1S。新興スタートアップならではの自由な発想から、ユニークなオプションや純正アクセサリーを用意するのも特徴。追って着脱可能なルーフもラインナップに追加するという。

大型バッテリーを車体の底に薄く敷き詰めたレイアウトにより、上屋の空間は余裕たっぷり。キャビンはもちろん、フロントボンネット下、リヤのカーゴスペース、シート下コンパートメントなど、車両トータルでの荷物積載容量は最大2944リットルにもなるという。

ユニークな装備を選択できるのもリヴィアンの特徴で、オーディオメーカーのメリディアンと共同開発したBluetooth搭載の着脱式ポータブルスピーカーや、助手席側のドアポケットにフィットするフィールドキット(非常用ポンチョ、絆創膏、消毒剤、折り畳み式シャベルなど)、ルーフトップテントなどもラインナップしている。

明るく開放的な「今どき」のキャビン

リヴィアンの電動SUV、R1S。リヤビュー
リヴィアンの電動SUV、R1S。同社はピックアップトラックのR1Tの生産を2021年9月に開始。R1Sと宅配車両の生産もスタートしようとしている。ちなみに現時点までに、リヴィアン車全モデルに集まった予約の数は約15万件にのぼるという。

R1Sは全車にパノラミックグラスルーフを装備しており、ミニマルな“リビング調”デザインテイストと相まって、室内は明るく開放的なムード。コクピットはディスプレイを主体とした今どきのスタイルで、車両の設定やオーディオ、ナビゲーションなどの操作はすべてタッチパネルを通して行う。

※2021年12月14日、記事更新
記事内にて不確かな情報があったため、記事内容を更新いたしました。

リヴィアン R1Tのフロントビュー

新ブランド「リヴィアン」はテスライーターとなるか? 今注目されるアメリカ発の高級ピックアップEV

ロバート・J・スカリンジが2009年に創業したリヴィアン オートモーティブが、紆余曲折を経ていよいよEVメーカーとして本格始動しようとしている。すでに生産をスタートしている電動ピックアップトラック「R1T」に続き、電動SUV「R1S」も導入することを明言。米ナスダック市場にも上場するなどその動向が注目を集めている。では、同社の市販車第1弾となったR1Tとはどんなクルマなのか。新興EVスタートアップが満を持して放つ、高級フルサイズピックアップEVの特徴をチェックする。

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著者プロフィール

三代やよい 近影

三代やよい

東京生まれ。青山学院女子短期大学英米文学科卒業後、自動車メーカー広報部勤務。編集プロダクション…