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ポルシェの礎を築きモータースポーツで活躍した356から911へ
ポルシェとアバルトのダブルネーミングをもつ不世出の名車
モータースポーツシーンでの活躍も目覚ましいポルシェだが、過去には他社と共同製作のレーシングカーもプロデュースしている。提携相手はイタリアのレーシングコンストラクター「アバルト」。ビッグネーム同士がタッグを組んでレースに臨んだ356B 1600GS カレラ アバルトだが、総生産台数は僅か21台に留まる。その理由とは?
フラット4にツインカムを与えた「カレラ2」
フォルクスワーゲン ビートル由来の空冷水平対向OHVエンジンをレースに用いていたポルシェだったが、パフォーマンスの限界を悟り新たなパワーユニットの開発を行う。そして生まれたのが2.0リッター空冷水平対向DOHCのType 547ユニット。新たにツインカムを得たこのエンジンの搭載モデルには「カレラ2」の名称が与えられた。
時代を築いた356の最終進化系
一定の成績を収めながらも他社との協業でクオリティコントロールができなかった356B 1600GS カレラGTL アバルトの反省を受け、すべて自社開発に立ち戻って生産されたレーシングカーが「356B 2000GS-GT」だ。2.0リッター空冷水平対向DOHCを、当時としては最先端のエアロダイナミクス性能をもつオールアルミ製ボディに搭載し、356ベースのレーシングモデルの掉尾を飾った。
ポルシェの新時代「911」へと繋がるプロトタイプ
356で成功を収めていたポルシェだが、マーケットはさらなるパワーと快適性を備えたニューモデルを希求し、早急な新型モデルの開発を迫られていた。そして社内呼称「T7」と呼ばれたプロジェクトによって「Type754 T7」というプロトタイプが製作される。356から後の911へと繋がった、希少なモデルを解説する。