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Chevrolet Silverado EV
CESの主役となったフルサイズピックアップEV
今回の「CES 2022」におけるGMの主役となったのが、2024年型「シボレー シルバラード EV」。同モデルは、フルサイズ・ピックアップトラックのあり方を見直し、GMが誇る電動プラットフォーム「アルティウム」を活かしてゼロから開発された。
シルバラード EVは、「RST ファーストエディション」とフリート向けの「WT」の2仕様を発売する。どちらの仕様も、性能/機能/技術/スタイルが革新的に融合。フル充電での航続距離400マイル(GMによる推定値)を実現し、10.2kWのオフボード充電、四輪ステアリング、固定式ガラスルーフなどを採用した。
さらに、トラックベッドを最大10フィートに延長可能なマルチフレックス・ミッドゲート、10インチ延長可能なマルチフレックス・テールゲート、17インチの大画面LCDフリーフォーム・インフォテインメント・スクリーンなども導入されている。
自動車メーカーから脱却しつつあるGM
EVの普及が加速するなか、GMは自動車メーカーから、プラットフォーム・イノベーターへと変貌しつつある。昨年のCES 2021ではEV技術の大きな転換期におけるGMの方針を発表、今回のCES 2022では、その方針をさらに推し進めることが明らかになった。GMのグローバル・チーフマーケティングオフィサーを務めるデボラ・ウォールは、現在のGMが置かれた状況について、次のように説明する。
「今、目的志向のテクノロジーが世界を変えようとしています。その中で、GMは人とモノの移動のあり方を再定義しています。『事故ゼロ、(CO2)排出ゼロ、混雑ゼロの世界を作りあげる』というGMのビジョンに向けた決意が、私たちをリーダーの地位へと導いています。成長戦略を実行するなかで、私たちには次の世代のためにより良い未来を創造するチャンスを手にしました。率直に言って、その義務があるのです。これこそが『アルティウムの効果(Ultium Effect)』だと言えるでしょう」
GMが誇る電動パワートレイン「アルティウム」は、アメリカのファスト・カンパニー誌による「Next Big Things in Tech 2021」に選出。 昨年末に顧客に納車が開始されたピックアップトラック「GMC ハマー EV Edition 1 Pickup」や「ブライトドロップ EV600」、さらに今年後半からデリバリーを開始する予定の「キャデラック リリック」などにも採用されている。
アメリカにおけるEV市場シェアトップを射程に
GMは、「シボレー シルバラード EV」に加えて、SUVの「シボレー エクイノックス EV」(米国希望小売価格約3万ドル前後)と、大型SUV「シボレー ブレイザーEV」を投入することで、米国EV市場シェアで首位を目指す計画も発表した。
GMの現行及び近々発売のEVラインナップには、電動バンの「ブライトドロップ」、シボレーの「シルバラード EV」「エクイノックス EV」 「ブレイザー EV」「ボルト EV」「ボルト EUV」、GMCの「シエラ EV」「ハマーEV」、キャデラックの「リリック」「セレスティック」などがあり、その車種やカテゴリーは拡大を続けている。