メルセデス製フラッグシップ電動SUVが間もなくデビュー

メルセデス・ベンツ EQSがインテリアを先行公開! アラバマの新バッテリー工場も本格稼働へ

メルセデス・ベンツ EQS SUVのフェイシア
メルセデス・ベンツは、2022年4月19日の正式発表に先立ってEQS SUVのインテリアを公開。サルーンのEQSと同じく、ダッシュボード全体をガラスのスクリーンが覆う先進的な意匠を採用している。
メルセデス・ベンツは、2022年4月19日に新型車「EQS SUV」をワールドプレミアする。正式発表に先立ってインテリアの画像を披露するとともに、米アラバマ州にバッテリー生産のために新設したビブ カウンティ工場、及び車両のアッセンブリーを行うタスカルーサ工場の内部の様子を公開した。

電気版のフラッグシップSUV、EQSはアメリカで生産

メルセデス・ベンツ EQS SUVのプロトタイプ。フロントビュー
メルセデス・ベンツ EQS SUVのプロトタイプ。写真奥は、同モデルを生産する米アラバマ州のタスカルーサ工場近郊に、新たに建設したバッテリー生産工場。

メルセデス・ベンツは、ピュアEVファミリー“EQシリーズ”の生産を世界各地の拠点でスタートしている。フラッグシップサルーンのEQSはドイツ・シンデルフィンゲンの旗艦工場「ファクトリー56」で、EQCやEQEはドイツ・ブレーメンと中国で、EQVはスペインのビトリアでと、各工場で先進の電気自動車が日々送り出されている。

フラッグシップSUVたるEQS SUVの生産は、メルセデス製大型SUVの本拠といえる米アラバマ州タスカルーサ工場で行われる。同工場は1997年にMクラスの生産拠点として操業を開始して以来、四半世紀にわたり約400万台のメルセデス・ベンツを出荷してきた。現在はGLEとGLEクーペ、GLS、そしてマイバッハ GLSのラインが稼動している。

ダッシュボード全体をガラスで覆う先進のコクピット

メルセデス・ベンツ EQS SUVのキャビン
メルセデス・ベンツ EQS SUVのキャビン。EV専用プラットフォームの特性を活かし、広大で開放的な室内空間を確保している。また、2列シートの5人乗りモデルと、3列シートの7人乗りモデルの2タイプをラインナップする。

2022年4月19日にワールドプレミアされる新型車「EQS SUV」は、フルサイズSUV「GLS」のピュアEV版といえるモデル。EV専用のアーキテクチャーを最大限活かした広大な室内と、フラッグシップモデルに相応しい高級な質感を融合。電動調整できるセカンドシートを備え、3列シート仕様もオプションで選択できる。

ダッシュボードには、EQSと同じ次世代の車載インフォテインメントシステム「MBUX ハイパースクリーン」を採用。横幅約1.4mに及ぶガラス製スクリーンの中に、メーターディスプレイ、センターディスプレイ、助手席前ディスプレイの3面がシームレスに溶け込むように嵌め込まれている。スクリーン一面を覆うガラスカバーは摂氏約650度の高温で成形加工されており、ゆるやかに湾曲しているのが特徴。これにより、角度を問わず映り込みや歪みのない鮮明な表示が可能になっている。

EQS SUVに続いてEQE SUVもアメリカで生産予定

メルセデス・ベンツの米アラバマ州タスカルーサ工場。生産ライン
メルセデス・ベンツの米アラバマ州タスカルーサ工場。同工場のラインはフレキシブルな生産システムを導入しており、同一のラインで異なるモデルやドライブトレインをアッセンブルすることが可能。

タスカルーサ工場では今後、EQS SUVと、その弟分であるEQE SUVの生産もスタートする。2台のピュアEVの心臓部といえるバッテリーの供給をスムーズに行うべく、メルセデス・ベンツはタスカルーサ工場からほど近いビブ カウンティにバッテリー生産工場を新設。

そのバッテリー工場では、EQS SUVとEQE SUV用の高性能リチウムイオンバッテリーをカーボンニュートラルで生産する。約300mのラインには70を超えるワークステーションを設置。その長いラインを流れながら、バッテリーシステムが完成する構成となっている。バッテリーは、環境に配慮しコバルト含有量を10%削減した、ニッケル:コバルト:マンガンの比率が8:1:1のNMC811を採用する。

自動車づくりは「次の100年」へ

メルセデス・ベンツが米アラバマ州ビブ カウンティに新設するバッテリー生産工場。生産ライン
メルセデス・ベンツが米アラバマ州ビブ カウンティに新設するバッテリー生産工場。フォークリフトの燃料にも、ディーゼルではなく水素エネルギーを活用している。

ビブ カウンティに新設するバッテリー工場は、独カーメンツ、中国・北京、タイ・バンコク、ポーランド・ヤボル、独シュトゥットガルトに加わる世界的なバッテリー拠点のひとつとなる。それぞれの工場で生産するバッテリーは基本的に地元のアッセンブリー工場へ出荷されるが、必要に応じて輸出にも対応するという。各工場では、高電圧バッテリーを扱う従業員に徹底したトレーニングを実施し、安全に工場が操業できるよう配慮している。

工場全体で持続可能性を徹底するべく、太陽光や雨水も大切な資源として余すことなく利用。照明にはLEDライトを使い、エアコンにもエコフレンドリーな冷媒を用いるなど、細かい部分まで省エネの観点を採り入れている。フォークリフトの燃料にも、従来のディーゼル燃料ではなく水素エネルギーを使用しているという。

メルセデス・ベンツは、バッテリーを“作る”だけでなく“再生する”ためのリサイクル工場の建設にも着手している。内燃機関を積んだ自動車を100年間作り続けてきた一大メーカーとして、これからの100年を支える自動車──もちろんそこには変わらず内燃機関も含まれるはずだ──を作る最適な環境づくりを整えるべく、全社の力を総動員して前進しているのである。

自社でバッテリーリサイクル工場を設立するメルセデス・ベンツ。バッテリーのリサイクルプロセスのイメージ

非公開: メルセデス・ベンツがバッテリーのリサイクル工場を新設。再生率96%以上を目指す

メルセデス・ベンツは、自動車用バッテリーをリサイクルする先進のプラントをドイツ・クッペンハイムに開設する。96%超のリサイクル率を標榜する先進のリサイクル工場となる模様で、2023年に操業を開始するという。

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