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電動コンパクトSUVを含む最多販売帯に投入
GMとホンダは、技術力や設計力、ソーシング戦略を活用。世界トップクラスの品質と高い生産性に加えて、リーズナブルな価格を実現するよう両社で設備の共通化などを目指し、2027年以降に数百万台規模でのEV生産を開始する。新たに投入されるEVシリーズのマーケットは1300万台を超えると見られており、それには現在グローバルで最大の自動車セグメントであるコンパクトSUVが含まれる。
また、GMとホンダは電動化コストのさらなる低減、EVの性能やサステナビリティの向上を目指し、将来のEVに向けたバッテリー技術の領域における協業についても検討する。GMの会長兼CEOを務めるメアリー・バーラは、今回の合意について次のように説明した。
「GMとホンダは、両社のもつベストなテクノロジーやデザイン、生産戦略を共有することで、価格受容性が高くお客様にとって魅力的な性能のEVを北米、南米、さらに中国を含むグローバルな規模でお届けしていきます」
「GMは2035年までに大型トラックを除く車両のテールパイプエミッションをなくし、2040年までに企業活動を含めカーボンニュートラルを達成する目標を掲げています。ホンダとの協業もそのコミットメントに向けて、重要なステップとなります。両社が協業することで、それぞれが単独で取り組むよりもスピーディに世界中のお客様にEVに乗っていただくことが可能になります」
2013年以降関係を深めてきたホンダとGM
GMはすでにリチウム金属電池やシリコン電池、全固体電池などの新技術や、それらの早期導入を可能にする生産方法などの研究開発を加速させている。ホンダも、今後のEVのコア要素になると考える独自の全固体電池技術の研究開発を推進。すでに日本国内の実証設備にて生産技術の検証などを行っているほか、量産化に向けた取り組みを積極的に進めている。
GMとホンダは長年にわたり緊密な協業関係を築いており、今後のプランとして電動自動車・自動運転技術に焦点を当てた、複数のプロジェクトが進行しているという。
両社は2013年に、次世代燃料電池システムや水素貯蔵技術の共同開発をスタート。2018年にはホンダがGMによるバッテリーモジュール開発の取り組みにも参加している。2020年には、2024年上旬発売予定の「Honda Prologue」と、その後に続く「Acura」ブランド初のSUVタイプ・EVモデルの共同開発計画を発表。さらに、両社は「Cruise」との継続的な協業関係を構築し、先進の無人配車サービスやデリバリーサービス専用の完全自動運転車両のひとつである「Cruise Origin」の開発にも共に取り組んでいる。
ホンダの三部敏宏社長は、GMとの協力関係拡大について次のようにコメントした。
「ホンダは、2050年までにグローバルでカーボンニュートラルを実現するという目標を掲げており、そのためにはEVのコストを下げ、より多くのお客様にEVを所有していただくことを可能にしなくてはなりません。ホンダとGMは、グローバルでEVの販売台数を飛躍的に拡大すべく、これまでの技術領域における協業を更に強固なものにしていきます」