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Maserati Grecale Folgore
2022年中にデビューするフルEV仕様
3月22日、マセラティは欧州において、レヴァンテに続くSUV第2弾「グレカーレ」をワールドプレミアした。この時、2023年モデルからグレカーレにフルEV仕様の「フォルゴーレ」を追加すると予告している。2022年中の投入に向けた寒冷地テストの様子が撮影された。
イタリアで稲妻を意味する「フォルゴーレ(Folgore)」には、2基の250kW電気モーターを前後アクスルに1基ずつ搭載。合計システム出力は最大500kWと、デビュー時点ではマセラティ史上最もパワフルな公道走行モデルとなる(グラントゥーリズモ フォルゴーレがすぐに抜き去るが・・・)。0-100km/加速はSUVながら3秒台を記録する可能性もある。
このパワフルなモーターに組み合わされるのは、400Vバッテリーシステム。バッテリーパックは105kWhと大容量を誇り、十分な航続距離をグレカーレにもたらすだろう。また、フロントアクスルへの駆動をカットするシステムを採用することで、使用電力を節約することもできるようだ。
加熱する電動ミドルサイズSUVセグメント
グレカーレ フォルゴーレの登場により、電動ミドルサイズSUVは群雄割拠の時代へと突入する。先行する「テスラ モデルY パフォーマンス(393kW)」「アウディ e-tron S(370kW)」「メルセデス・ベンツ EQC 400(300kW)」を大きく上回る500kWのパワーは、グレカーレ フォルゴーレを一気にセグメントリーダーへと推し上げるだろう。
しかし、マセラティの天下も長く続かないかもしれない。ポルシェは、フルEVとして開発を続ける次期「マカン」に、タイカン ターボSと同じパワートレインを採用する可能性があるのだ。タイカン ターボSは、ローンチコントロール使用時に最大560kWを発揮。これが搭載されれば、すぐにポルシェが最強電動SUVの座を奪還する。
ちなみに、グランツーリスモ フォルゴーレには800Vシステムが搭載され、最高システム出力895kWを発揮すると見られている。EV仕様のフォルゴーレはMC20、クアトロポルテとレヴァンテの次世代モデルにも導入。2025年までにマセラティの全モデルにフル電動モデルが加わり、2030年には内燃機関モデルは姿を消すことになる。