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時代と共に変遷を続ける911シリーズ
軽量・ハイパワーで伝説となった“ナナサン・カレラ”
共通車名を60年近くにわたって現在も採用する世界でも稀有な存在のポルシェ 911シリーズ。空冷の水平対向エンジンこそ水冷式になってターボ装着がデフォルトになったものの、リヤアクスル後方にエンジンを搭載するレイアウトは堅持されている。そしてシリーズの長い歴史の中で随一の名車と呼ばれ、現在も高い人気を誇る911の1台が、レースのホモロゲーションモデルを出自とする911 カレラ RS 2.7、通称「ナナサン・カレラ」だ。
内外共にブラッシュアップしたロングセラー、Gシリーズ
911シリーズは1963年の誕生から10年の節目を迎え、初のフルモデルチェンジを1974年に実施。後に、それまでの「ナロー」と対比して「ビッグバンパー」と呼ばれるようになった「Gシリーズ」へと移行する。特徴的なフロッグアイデザインと緩やかなリヤシェイプデザインを踏襲しながら、より現代的に内外をブラッシュアップしたGシリーズは、以後1989年までの長きにわたってポルシェのロードモデルを支えることになる。
車名に「Turbo」を初採用したレジェンド、カレラ RSR ターボ 2.14
現在、タイプ992の911をはじめポルシェの各モデルはターボの搭載がデフォルトとなり、自然吸気エンジンはイレギュラーな存在。しかし、ハイパワーを与えた上級モデルにはあえて「Turbo」の車名が与えられている。それだけポルシェにとって「Turbo」とは単に過給機を備えたモデルを示すだけでなく、自社のトップカテゴリーを意味する特別な言葉だ。その「Turbo」を車名に戴く記念碑的なモデルが、911 カレラ RSR ターボ 2.14である。