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Mercedes-Benz EQB
GLBの“取り柄”をそのまま継承するBEV
メルセデス・ベンツ GLBは、全長4.6mのコンパクトで扱いやすいサイズ、SUVならではの使い勝手、3列シートも選べる自由度の高さ、そして正統派のドライバビリティを備えたオールラウンダーとして一気にメルセデス・ベンツの売れ筋モデルに昇格した。そのGLBの電気自動車版といえるのがEQBだ。
メルセデス・ベンツ日本は、そのEQBの国内販売を2022年7月14日にスタートした。フロントにモーターを搭載するFWDの「EQB 250」と、前後に1基ずつモーターを積むAWDの「EQB 350 4MATIC」の2タイプをラインナップし、航続距離はFWDモデルが520km、AWDモデルが468kmを実現している。車両本体価格は250が788万円、350が870万円で、日本に導入されるのはいずれも右ハンドル仕様。
ライバル不在の3シーターコンパクト電動SUV
EQBの全長4685×全幅1835×全高1705mmというボディサイズは、トヨタ RAV4やマツダ CX-5といった人気の国産SUV勢に近く、日本の道路環境にも馴染みやすい。
一方ホイールベースは2830mmと長く、室内には最大7人が乗車できる空間をつくりあげている。このセグメントで3列シートレイアウトを採用する電動SUVは他になく、現時点でEQBはライバル不在の存在といえる。ちなみに先般日本で取り扱いを開始したテスラ モデルYも、本国では3シーターを用意しているが、日本に導入されているのは5シーターのみである。
最大4個のチャイルドシートを設置可能
2列目シートは膝前、頭上ともに十分なスペースが確保されており、バックレスト角の調整はもちろん、前後に140mmのスライドも可能。また、2列目と3列目シートにはISOFIX対応の固定装置を備えているので、最大で4つのチャイルドシートを搭載することができる。
コンパクトクラスの3列目シートは、あくまで“補助席”的な扱いとなっているクルマが少なくないが、EQBはその限りではない。安全面を考慮して身長165cmまでの乗員を対象にしてはいるものの、USB-Cポートも左右にひとつずつ備えるなど使い勝手に配慮している。
前輪駆動と4輪駆動の2タイプをラインナップ
EQBは、前後アクスル間のフロア部に容量66.5kWhのリチウムイオンバッテリーを搭載する。充電は、6.0kWまでの交流普通充電と、100kWまでの直流急速充電（CHAdeMO規格）に対応している。なお、EQB 250はフロントに永久磁石同期モーター×1を装備。EQB 350 4MATICは非同期式電気モーター×1をフロントに、リヤに永久磁石同期モーター×1を備えている。各モデルのパワースペックは以下のとおり。
EQB 250＝最高出力190ps／最大トルク380Nm
EQB 350 4MATIC＝最高出力292ps／最大トルク520Nm
回生ブレーキの強度は4段階で調整可能。ステアリングホイール脇のペダルを使い、“エンブレ”の効きを指先ひとつで変更することができる。
“いつもの景色”が広がるキャビン
一見するとGLBにそっくりなEQBだが、電気自動車の航続距離に大きく影響する空力性能面には徹底して磨きがかけられている。バンパーや前後エプロン、ドアミラー、アンダーボディ、ルーフスポイラー、テールランプの整流エッジなど、空気をスムーズに流すための工夫を随所に採用。結果、0.28のCd値を実現した。
ひとたびオーナーになってしまえば、どのモデルに乗っても「いつもの景色、いつもの流儀」で運転できるのがメルセデス・ベンツに共通する良識だが、その美点はEQBにも受け継がれている。キーをもち、ドアを開け、ドライバーズシートに身体をおさめれば、見慣れたデザインのスイッチ、コントローラ、ディスプレイ、エアコンルーバーがいつもの場所で乗員を出迎えてくれる。
電気自動車特有の用途に対応するソフトウェア
なお、専用のアプリを使えば遠隔から充電ステータスや駐車位置の確認、ウインドウの開閉、ドアのロック＆アンロックなどの操作が可能。乗車前の空調操作にも対応しており、冬場はウインドウの霜を除去しておいたり、夏場はあらかじめ室内を快適な温度にしておくことができる。
「ハイ、メルセデス」でお馴染みの自然対話式音声認識機能も、「充電ステーションを探して」「出発時刻を8時に設定して」といった電気自動車特有のオーダーに対応。もちろんナビゲーションも、充電ステーションの情報や車両の充電状況や気温を考慮して適切なルートを判断する特別仕様となっている。
日本のEV市場を勢いづける1台となるか
なお、気になる“充電料金”だが、新車納車時に車載される専用の充電カードを使用すれば、全国にある約2万基の提携充電器を利用可能。申し込みから1年間は月額基本料金及び充電料金は無料となっている。
コンパクトで、いざとなれば7人が乗れて、室内を自在にレイアウトできる“使えるベンツ”GLBは日本の市場でウケにウケた。2021年には日本で2番目に売れたメルセデス・ベンツとあいなった。そのレイアウトや機能性はそのままに、ガソリンを1滴も使わず走ることができるEQBは、電気自動車界隈の勢力地図に大きな影響を与える1台になりそうである。
SPECIFICATIONS
メルセデス・ベンツ EQB 350 4マティック
ボディサイズ：全長4685 全幅1835 全高1705mm
ホイールベース：2830mm
最低地上高：205mm
ラゲージスペース（VDA方式）：110〜1620リッター
車両重量：2160kg
バッテリー容量：66.5kWh
最高出力：215kW
最大トルク：520Nm
サスペンション：前マクファーソンストラット 後マルチリンク
駆動方式：4WD
0-100km/h加速：6.2秒
最高速度：160km/h
航続距離（WLTP）：468km
車両本体価格（税込）：EQB 250 788万円、EQB 350 4MATIC 870万円
【問い合わせ】
メルセデス・コール
TEL 0120-190-610
【関連リンク】
・メルセデス・ベンツ 公式サイト
http://www.mercedes-benz.co.jp/
