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Audi A4 Avant
A4にも登場するフル電動モデル「e-tron」
現行アウディ A4は2015年にフランクフルト・モーターショーで発表。以来7年間、欧州だけでなく日本でも高い人気を誇ってきた。新型A4はキープコンセプトのボディスタイルに、ガソリンエンジンとディーゼルエンジンの改良版を搭載。ここにマイルドハイブリッドシステムか、プラグインハイブリッドシステムが組み合わせられると予想される。
駆動方式は、これまでどおり前輪駆動モデルと四輪駆動(quattro)。アウディにおいて開発担当責任者を務めるマルクス・ホフマンは、次期A4について「私たちは現在、マイルドハイブリッドからプラグインハイブリッドなど、すでに電動モデルをラインアップしています。将来のモデルでは、さらに電動化に力を注いでいく予定です」と、語っている。つまり、A4にもフル電動モデルの「e-tron」が加わるということである。
プラグインハイブリッド化される「RS 4」
アウディの情報筋によると、新型A4は電動アーキテクチャーと内燃機関用アーキテクチャーという、ふたつのプラットフォームを並行して開発。ここにはハイパフォーマンス仕様の「RS 4」も含まれている。RS 4は2.9リッターV型6気筒ツインターボ・ガソリンエンジンを維持しつつ、ハイブリッドパワートレインを組み合わせ、最高出力は現行モデルの450psを大きく超える模様だ。
情報筋によれば新型A4は、全長4772mm、全幅1847mm、全高1435mmと、現行モデルと、ほぼ同じサイズを踏襲。現行の「MLB」プラットフォームからの変更点としては、14.4kWhリチウムイオンバッテリーを搭載するため、リヤの構造が変更される。このリチウムイオンバッテリーは、プラグインハイブリッド(PHEV)モデルに搭載される予定だ。
48Vマイルドハイブリッド・システムも改良され、車速などに応じてハンドルのギアレシオを可変制御する「ダイナミックオールホイールステアリング」や、現在開発中のレベル2自動運転システムなどが搭載される可能性もある。また、アウディとファーウェイが開発を続ける、近距離無線通信機能も導入予定。これにより給油や充電、高速道路通行料、パーキング、ドライブスルーなどの支払いを「MyAudi」アプリを介して車内で非接触決済できるようになるという。
内燃機関モデルのメインエンジンとなるのは、2.0リッター直列4気筒「EA888」ガソリンターボ。2008年に導入された長い歴史を持つエンジンだが、絶え間ないアップデートにより、厳しい「ユーロ7」排出ガス規制をクリアして登場する。ギヤボックスは6速MTが廃止され、7速DCTと8速トルコンATのみとなる予定だ。
ポルシェと共同開発したEVプラットフォーム「PPE」
フルEVの「A4 e-tron」は、テスラ モデル3やBMW i4に対抗するモデルとしてデビュー。A4 e-tronも、A6 e-tronや次期ポルシェ マカン EVと同様、アウディとポルシェが共同開発した電動アーキテクチャー「プレミアム・プラットフォーム・エレクトリック(PPE)」を採用する。エクステリアに関しては、A4の内燃機関モデルと同じデザインが採用される見込みだが、ブランクオフ・グリルなどで差別化される。
まだ、確定情報ではないが、A4 e-tronは4ドアセダンではなく、A5 スポーツバックのような5ドアのリフトバックスタイルを採用する可能性が高い。
2024年のデビューを予定しているA4 e-tronは、シングルモーターのRWDと、前後アクスルにモーターを配置したAWD(クワトロ)をラインアップ。また、アウディスポーツはA4 e-tronをベースに、最高システム出力475ps・最大トルク800Nmを発揮する「A4 e-tron RS」も開発している噂される。
アウディは内燃機関搭載のニューモデルを発売するのは「2025年が最後になる」と予告しており、その信念を曲げなければ、次期A4が内燃機関とEVの2本立てで発売されるのは、この世代が最後になる。