シトロエンの新フラッグシップ「C5 X」はSUV? ワゴン? サルーン?

シトロエンの新たなるフラッグシップ「C5 X」はサルーンでもワゴンでもSUVでもない、まったく新しいカテゴリーを切り拓いた

シトロエンの新たなるフラッグシップ「C5 X」。様々な車型の要素を併せ持つ独創的なスタイリングが特徴だ。
シトロエンの新たなるフラッグシップ「C5 X」。様々な車型の要素を併せ持つ独創的なスタイリングが特徴だ。
2021年4月にワールドプレミアされたシトロエンの新たなるフラッグシップモデルとなるC5 Xが本邦上陸を果たした。最新シトロエンはステーションワゴンとクーペSUVのクロスオーバーである。

これまでにないスタイリング

シトロエンの新たなるフラッグシップ「C5 X」。様々な車型の要素を併せ持つ独創的なスタイリングが特徴だ。
シトロエンの新たなるフラッグシップ「C5 X」。様々な車型の要素を併せ持つ独創的なスタイリングが特徴だ。

シトロエンの新たなるフラッグシップ「C5 X」は、今時のクーペSUVというか、なんとも形容しがたいファストバック的なシルエットが印象的だ。様々な車型の要素を併せ持つ独創的なスタイリングのベースとなったデザインコンセプトは、2016年パリ・モーターショーで発表されたCXperienceコンセプトだという。

ボディサイズは全長4805mm、全幅1865mm、全高1485mmでホイールベースは2785mm。車格はメルセデス・ベンツCクラスやBMW3シリーズをライバルとするDセグメントとなる。全高は低めだが、タイヤの外径は720mmと大径でSUV的な最低地上高を持っており、スタイリングは前述のとおりSUVとステーションワゴンのクロスオーバーというのがもっとも正しいかもしれない。いずれにせよ、これまでにあまりカテゴライズされなかった形状といえるだろう。

なおC5というモデル名では、かつてDセグメントセダン、ワゴンが存在したが、2017年(中国では2021年)に生産終了している。このたび、4年のブランクを経て、3世代目の登場となるが、セダンやワゴンはラインナップせず、すべてを包含したモデルとしてC5 Xが存在する。なお「C5 X」のXは「XM」などの大型モデルの血統を意味しているという。

PHV仕様のEV走行可能距離は65km

パワートレインは1.6リッター直4ターボガソリンエンジンのみ搭載するガソリンエンジン仕様と、それにモーターと12.4kWhのバッテリーを組み合わせたプラグインハイブリッド(PHV)仕様の2機種がラインナップされる。組み合わされるトランスミッションは8速ATで駆動方式はFWDのみとなる。

ガソリン仕様の最高出力は133kW(180ps)/5500rpm、最大トルク250Nm/1650rpmで、PHVはほぼ同仕様のエンジン(最高出力と最大トルク発生回転数がわずかに上昇し、最高出力5500rpm→6000rpm、最大トルク1650rpm→1750rpmとなる)に最高出力81kW(110ps)と最大トルク320Nmを発揮するモーターを組み合わせ、最高システム出力225ps、最大システムトルク360Nmを誇るという。なおPHV仕様のEV走行可能距離は最大65kmで、EVモードにおける最高速度は135km/hを謳う。

徹底的にコンフォートを追求した室内

マジックカーペットライドと評されてきたシトロエン謹製のハイドロニューマチックに匹敵する快適性をもたらすプログレッシブ・ハイドロリック・クッションが搭載される。さらにPHV仕様には新開発となる「シトロエン アドバンスト コンフォート アクティブ サスペンション」という電子制御可変油圧システムのいわゆるアクティブサスが備わる。これはフロントカメラで前方を監視し、ダンパーの減衰力を車速に応じて適宜瞬時に調整するという機能だ。

室内のトピックは「アドバンスト コンフォート シート」と名付けられたシート。高密度フォームと厚みのある構造が姿勢を保持し、快適な移動をもたらすと謳う。そしてコンセプトカーと同様にセンター上部にレイアウトされた大型12インチタッチスクリーンや、大型のHUDによって、視線を外すことなく、車速やナビはもちろん、電話やインフォテインメントなど様々な情報を得られるという。

グレード展開はベーシックグレードの「SHINE(484万円)」、SHINEにレザーシートなどを追加した「SHINE PACK(530万円)」、PHV仕様の「SHINE PACKプラグインハイブリッド(636万円)」となる。

最高システム出力815hpを発揮するハイパーEVプロトタイプ「DS E-テンス パフォーマンス」のエクステリア。

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