7代目フォード マスタングは最新のデジタルコクピットを採用

7代目フォード マスタングがデビュー! V8と直4の2機種を搭載し、ドリフトが自在な電気サイドブレーキを装備【動画】

7代目に進化を果たしたフォード マスタング。
5.0リッターV8自然吸気エンジンと2.3リッター直4ターボの2本立てで登場した新型「フォード マスタング」。
初代デビューから60年、7代目となる新型「フォード マスタング」がデビューを飾った。ジェット戦闘機からインスピレーションを得た没入型デジタルコックピットや電子ドリフトブレーキを採用。マスタング史上最もパワフルな5.0リッターV型8気筒自然吸気ユニットが搭載された。新型マスタングはミシガン州フラットロック工場で生産され、米国において2024年モデルとして、2023年夏からデリバリーが開始される。

2024 Ford Mustang

世界的ベストセラーが7代目に進化

7代目に進化を果たしたフォード マスタングの走行シーン。
多くのスポーツカーが電動化へと舵を切るなか、7代目マスタングは伝統のスタイルとV8エンジンを維持してデビューを飾っている。

アメリカンスポーツの象徴、フォード マスタングが7世代目に進化した。パワーユニットは伝統の5.0リッターV型8気筒コヨーテ自然吸気と2.3リッター直列4気筒エコブーストという、内燃機関ユニットの2本立て。エッジを効かせながら時代を超えたエクステリアデザイン、最新のデジタルコクピットなど、マスタング史上最高の爽快感と直感的な走りを実現している。

7年連続で「世界で最も売れたスポーツカー」の称号を持つマスタングは、クーペとコンバーチブル、V8自然吸気と直4ターボ、マニュアルとオートマチックなど、様々な価格帯と性能レベルの選択肢を用意。フォード・モーターカンパニーのジム・ファーレイCEOは、新型マスタングのラインアップについて次のように説明する。

「多くのライバルメーカーが内燃機関ビジネスから撤退している今、新たな世代のマスタングにあえて投資することは、大きな意志表明になるでしょう。同時にフォードは、2026年までに500億ドルもの資金をEV関連に投資しますし、フォードのすべてのラインアップにハイブリッドモデルを用意したり、コネクテッド・テクノロジーの開発も進めています」

ゲームのような操作が可能なセンターディスプレイ

7代目に進化を果たしたフォード マスタングのインテリア。
センターディスプレイのグラフィックは、エピック・ゲーム製アンリアル・エンジンで製作。ディスプレイを介した、直感的な操作が可能になった。

7代目マスタングのアグレッシブなエクステリアシルエットの裏側には、マスタング史上最も技術的な進化を果たしたドライバー中心のコクピットがある。ジェット戦闘機からインスパイアされた囲まれ感のあるコクピットは、流れるような曲線を描く2基の大型ディスプレイを備え、ドライバーが「見たい情報」「必要な情報」を表示するため、素早いカスタマイズが可能になっている。

12.4インチ・デジタル・インストルメントクラスターは、自在なカスタマイズにより、さまざまなアニメーションデザイン、ドライブモードに関連したビジュアルを表示することが可能。今回、最新テレビゲームで使用されているエピック・ゲーム製アンリアル・エンジンが導入され、現在のクルマの状態がリアルタイムのグラフィックレンダリングとして表示される。このグラフィックをスワイプすることで、クルマをバーチャルに回転させながらセッティングを行うという、まさにゲームのように没入感のある仕様となった。

フォード マスタング・インタラクション・マネージャーのクレイグ・サンドヴィグは、未来的に進化したコクピットについて次のように説明する。

「私たちはディスプレイに表示されるすべてのピクセルを進化させました。必要な運転情報の表示にも工夫を凝らし、カラーの選択やマスタングらしいクラシカルな表示ゲージ、あるいは最小限のディテールだけを表示する落ち着いた画面も用意さています。つまり、ドライバーが自由にコクピットをデザインできるのです」

フラットボトム形状の新型ステアリングホイール

7代目に進化を果たしたフォード マスタングのインテリア。
コクピットには、フラットボトム形状が採用された新型ステアリングホイールを採用。これによりドライバーの乗降性が向上している。

コクピットには、モータースポーツをイメージしたフラットボトム形状の新型ステアリングホイールを配置。これにより、ドライビングシート着座時のスペースが大幅に拡大した。上級シリーズではフルレザー製ステアリングホイールも選ぶことができる。

車外から、ドライバーが近づくとアニメーションのウェルカムライトが点灯。乗車するとマスタングのスプラッシュスクリーンが浮かび上がる。また、エンジンの回転音を楽しみたいドライバーのために、リモートキーを使用し、エンジンを事前に回転させる「リモートレブ」も導入された。 

インテリアは、オールクロスシートを標準装備。上級モデルはインストルメントパネルとドアトリムにグレードアップしたラッピングとアクセントステッチが施される。直列4気筒エコブースト・モデルには、複数色から選べるフォードのアクディブX合成皮革、5.0リッターV8モデルにはレザーシートインサートが採用された。

メーターは従来のブルーとライトグレーの色調から、マスタング マッハEと共通のモダンなカッパーカラーに変更。インストルメントクラスターは、ドライブモードの選択に応じて変化し、「アンビエント・インテリア・ライティング」を介してディスプレイのほぼすべてを好みの色調に設定することも可能となっている。

このデジタルインストルメントクラスターは、オプションで13.2インチ「SYNC」4センタースタックとシームレスにつながるよう、設定することもできる。フォードのインテリアデザイン・マネージャーを務めるリカルド・アルシアはコクピットのデジタル化について次のように説明した。

「私たちは、お客様が何を求めているかをリサーチし、ドライバーにフォーカスしたコクピットを維持しながら、これまでで最もデジタルな室内デザインを開発しました。ラジオやクライメートコントロールなどの物理的なボタンの一部を廃止し、デジタルディスプレイに統合。これらは、ミレニアル世代、Z世代、さらに従来のマスタング・ドライバーからも好評を得ています」

「GT」モデル専用フロントフェイスを導入

7代目に進化を果たしたフォード マスタング GTのエクステリア。
マスタングの伝統を踏襲しながら、彫りの深いモダンなエクステリアを実現。「GT」モデルにはよりアグレッシブなフロントフェイスが用意された。

エクステリアはこれまでの伝統からインスパイアされたデザインにモダンな彫りの深さを加えた。ひと目でマスタングと分かるデザインながらも、カスタマーにアピールする力強さを手に入れている。

フロント全体は低く構えた水平基調が採用され、ワイド感を強調。アッパーグリル形状は1960年代のオリジナルデザインから影響を受けている。また、マスタングの特徴的なヘッドライト形状を継承するトライバーLEDヘッドランプが採用された。 なだからか弧を描く流麗なルーフライン、短くなったリヤオーバーハングも、初代の色褪せないプロポーションを踏襲する。

ワイドになったリヤセクションは、マスタングらしくリヤホイール周辺に力強さを加えている。ルーフラインは、サーキットでヘルメットを脱がずにドライバーが乗り降りできるよう最適化。延長されたリヤデッキには、新形状のシグネチャー・トライバーテールライトと、再設計されたディフューザーを配置。リヤアクスル周辺の空力バランスが大幅に改善された。

フロントセクションはモデルごとに独自デザインを導入。V8モデルの「GT」は直4モデルとの差別化のため、グリル開口部を大型化し、パフォーマンスの向上を反映し、効率的なエアフローを確保するよう設計された。また、大型フードベントやフロントスプリッターも専用デザインとなり、エアロダイナミクスが最適化されている。

4名乗車の伝統が維持されたコンバーチブル

7代目に進化を果たしたフォード マスタング コンバーチブルのエクステリア。
マスタング伝統のオープントップ仕様「コンバーチブル」は、今回も折りたたみ式ファブリックルーフを採用。4名乗車と十分なラゲッジスペースが確保された。

マスタング コンバーチブルは、オープンエアの自由度を最大限に高めるべく、4名乗車「ドロップトップ」の伝統を受け継いだ。センターラッチに配置されたシングルハンドルをワンタッチ操作することで、裏地付き断熱ファブリックルーフを開閉することができる。コンパクトなルーフデザインと、独立懸架式リヤサスペンションにより、ルーフ収納時でも、ゴルフバッグ2個を収納できるセグメントトップレベルのトランクスペースを実現した。

新型マスタングのエクステリアカラーは、新色のヴェイパーブルーとイエロースプラッシュの2色を含む、11色から選択可能。さらに新たなストライプカラーとデザインも追加された。ブレンボ製ブレーキキャリパーも3色からチョイスできる。

伝統の5.0リッターV8NAと効率的な2.3リッター直4ターボ

パワーユニットは、アメリカンスポーツカーらしい大排気量自然吸気ユニットの5.0リッターV型8気筒と、効率的な2.3リッター直列4気筒ターボをラインアップ。
パワーユニットは、アメリカンスポーツカーらしい大排気量自然吸気ユニットの5.0リッターV型8気筒と、効率的な2.3リッター直列4気筒ターボをラインアップ。

パワーユニットは、トップグレードの「GT」に5.0リッターV型8気筒コヨーテ自然吸気エンジンを搭載。第4世代に進化した5.0リッターNAは、革新的なデュアル・エアインテークボックスとデュアル・スロットルボディの導入により、自然吸気エンジン搭載マスタング史上最も高い出力を発揮する。

フォードのマスタング担当チーフ・ネームプレート・エンジニアのエド・クレンツは、エンジンの進化について次のように説明した。

「7代目マスタングは、これまでで最も運動性能が高く、自信を持ってドライブできるよう仕上げられました。ATでもMTでも、エンジン、サスペンション、ステアリング制御、ドライブモードが専用に調整されています。お気に入りのドライブロードからサーキットまで、どこでも最高のパフォーマンスを楽しめるはずです」

プリミティブな魅力を持つV8エンジンに、フォードはドライビングを堪能できる伝統的な6速MTを用意した。さらに先進的な10速ATは、選択されたドライブモードに合わせて、ほぼ瞬時に変速パターンを組み替えることが可能となっている。

また、ドライブの楽しさに燃費効率を求めるカスタマーには、新開発2.3リッター直列4気筒エコブースト(ターボ)エンジンも用意されている。

誰もが簡単にドリフトを楽しめる電気サイドブレーキ

今回、すべてのモデルにオプションで「パフォーマンス・エレクトリック・パーキング・ブレーキ」を用意。初心者でも、簡単な操作でドリフトを楽しむことができる。
今回、すべてのモデルにオプションで機械式ハンドブレーキのような「パフォーマンス・エレクトリック・パーキング・ブレーキ」を用意。初心者でも、簡単な操作でドリフトを楽しむことができる。

マスタング GTでチョイス可能な6速マニュアルトランスミッションには、クラッチ操作時にエンジン回転数を維持する「レブマッチング」機能を標準装備。ブリッピング機能が働くことで、シフトダウン時にピークトルクを維持し、より正確でスリリングな走りを実現する。

今回、セグメント初となるエレクトリック・ドリフトブレーキを採用。形状は従来の機械式ハンドブレーキを踏襲しながら、サーキットなどにおいて後輪駆動のマスタングだからこそ可能な、ドリフトパフォーマンスを楽しむことができる。

「パフォーマンス・エレクトリック・パーキング・ブレーキ(Performance Electronic Parking Brake)」は、マスタングの全モデルで「パフォーマンス・パック(Performance Pack)」として選択可能。初心者のドライバーがドリフト技術を習得・向上するために設計されており、上級ドライバーには競技に適したシステムが提供される。

新型フォード マスタングを動画でチェック!

2035年までに、自動車メーカーはカリフォルニア州において内燃機関車両の新車販売が禁止されることになる。BEVのマスタング マッハ-Eが好調のフォードは、この規制に歓迎の意向を発表した。

非公開: カリフォルニア州の2035年内燃機関車販売規制を受け、電動化を進めるフォードが述べたステートメントとは?

8月25日、米国・カリフォルニア州の環境当局は、2035年以降、州内でのガソリンモデルやハイブリッドモデルなどの内燃機関の新車販売を全面的に禁止する新たな規制案「アドバンスト・クリーンカーズII」( Advanced Clean Cars II )を決定した。これを受けて、フォード・モータースは歓迎のステートメントを発表した。

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ゲンロクWeb編集部 近影

ゲンロクWeb編集部

スーパーカー&ラグジュアリーマガジン『GENROQ』のウェブ版ということで、本誌の流れを汲みつつも、若干…