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Mercedes-AMG C 63×Lexus IS500
最新ハイブリッドサルーンか絶滅危惧種の大排気量サルーンか
圧倒的なパワースペックと新機軸の直4ターボ+ハイブリッドシステムを引っ提げ、一躍スポーツセダンカテゴリーのトップへと躍進したメルセデスAMG C 63 S E パフォーマンス。先日は永遠のライバルとしてBMW M3を対抗馬に推したが、ここニッポンにもC 63の独走を阻むモデルがある。それがレクサスブランドきってのスポーツネスを誇るIS500だ。
国内導入が決まったばかりのレクサス IS500は、5.0リッターV8 NAエンジンを搭載。それにレクサスのスポーツモデルを表す“F SPORT”を車名に冠したIS500 F SPORT パフォーマンスなら、メルセデスAMG C 63 S E パフォーマンスに易々と後塵を拝するはずはない・・・のか? 両モデルのスペックからバーチャル対決を試みる。
最高出力199ps差は決定的な数値か?
まずは両モデルのパワートレインを比較しよう。かたや最新の2.0リッター直4ターボ+ハイブリッドシステムをもつ4WD、こなたオーセンティックな5.0リッターV8エンジンをフロントに搭載するFR。
パワートレイン比較
メルセデスAMG C 63 S E パフォーマンス
2.0リッター直列4気筒ターボ(M139l型)+モーター
エンジン最高出力:476ps/6750rpm
エンジン最大トルク:545Nm/5250-5500rpm
モーター最高出力:204ps
モーター最大トルク:320Nm
システム最高出力:680ps
システム最大トルク:1020Nm
トランスミッション:9速DCT
レクサス IS500 F SPORT パフォーマンス
5.0リッターV型8気筒DOHC(2UR-GSE)
エンジン最高出力:481PS/7100rpm
エンジン最大トルク:535Nm/4800rpm
トランスミッション:8速AT
純粋にエンジンのみのスペックではAMG C 63とIS500は拮抗している。しかし電気モーターで200ps以上のエクストラパワーを得るAMG C 63のシステム最高出力680ps/同最大トルク1020Nmは、IS500の最高出力に対して約200psプラス、最大トルクは500Nm近く上回る。
重量とボディディメンション
メルセデスAMG C 63 S E パフォーマンスのボディサイズはまだ公式発表されていない。参考までに、先行してデビューしたメルセデスAMG C 43は、全長4791×全幅1824×全高1450mm。対するレクサス IS500 F SPORT パフォーマンスは全長4760×全幅1840×全高1435mmとなる。C 63はC 43と較べてややワイドになるだろうが、C 63とIS500のボディサイズはほぼ一緒になるだろう。
動力性能に大きく関わる車両重量は、メルセデスAMG C 63 S E パフォーマンスが2111kg、一方のレクサス IS500 F SPORT パフォーマンスは1720kg。391kg軽いIS500が、その重量差でどれほどC 63の動力パフォーマンスに追いあげるのか・・・これは実際に試乗して確かめたいところだ。
あらゆるアプローチが好対照
パワートレインやディメンションの他にも走りに直結するのはシャシーや足まわり。AMG C 63 S E パフォーマンスはモータースポーツシーンからフィードバックされた、電子制御ダンピングシステムを備えるAMGライドコントロールサスペンションを採用し、ドライブモードは8種類用意するなどハイテク満載。
一方のIS500 F SPORT パフォーマンスは、前後にパフォーマンスダンパーを装着したうえ、トルセンLSDとコイルスプリングの変更などトラディショナルなチューニングを施してスポーツ性能を向上してきた。こうして見てみると両モデルはあらゆる面で好対照といえる。
時代の求めに応じて電動化とダウンサイジングに舵をきって、これまで以上のパフォーマンスを実現したAMG C 63と、上質な乗り心地と官能的なサウンドを生み出すV8 NAを熟成させてスポーツドライブにも応えるIS500。数値や装備で憶測を立ててきたが、もうまもなく両モデルをドライブする機会は訪れる。実際にステアリングを握ってスポーツセダンの頂上決戦を楽しみたい。