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Mercedes AMG SL 43
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PORSCHE 911 Carrera T
まずはボディサイズと車重で比較
SLといえば、メルセデスの最上位クーペモデル。さらに、このメルセデスAMG SLは2+2という4代目以来となるシートレイアウトを実現していることを考えると、かなり大きなサイズとなっていることが予想されるが……。
メルセデスAMG SL43
全長×全幅×全高=4700×1915×1370mm
ホイールベース=2700mm
車両重量=1780kg
ポルシェ911カレラT(PDK)
全長×全幅×全高=4530×1852×1291mm
ホイールベース=2450mm
車両重量=1580kg
実際にポルシェ911と比べてみると、サイズはまったく異なる。全長で170mmも新型SLが上回っており、その差は歴然だ。当然ながら車両重量もメルセデスAMG SL43が1780kgであるのに対し、ポルシェ911カレラTのPDK仕様は1580kgと、200kgもの差がある。これはカレラTが素のカレラより25kg軽い(空車重量DIN比)軽量バージョンということも影響している。
後席空間については、どちらのモデルも大人がゆったりと乗車することは想定されておらず、非常にコンパクト。しかもカレラTは軽量化のため後席は取り払われている。使い勝手に大きな差はなさそうだが、後席があること自体、日常生活ではありがたいと感じさせてくれるはずだが、その場合はカレラを選ぶと良い。
タイヤはいずれも20インチ以上
標準装備されるタイヤサイズは以下のとおり。FRとRRという駆動方式の違いを感じさせるサイズ設定で、いずれも20インチ以上の大径タイヤを履く。
メルセデスAMG SL43
フロント265/40ZR20
リヤ295/35ZR20
ポルシェ911カレラT(PDK)
フロント245/35ZR20
リヤ305/30ZR21
パワートレインは4気筒と6気筒
911のラインナップにおいて、「カレラ」と「カレラS」の間に位置する「カレラT」。搭載される水平対向6気筒エンジンは、最高出力385PSを誇る。対するメルセデスAMG SL43には搭載される直列4気筒エンジンは、「BSG」と呼ばれる独自の電動ターボで加給され、最高出力381PSを生み出す。パワー的には、イーブンと言える性能だ。
メルセデスAMG SL43
エンジン形式=直列4気筒ターボ
排気量=1991cc
最高出力=381PS/6750rpm
最大トルク=480Nm/3250-5000rpm
0-100km/h加速=4.9秒
駆動方式=FR
ポルシェ911カレラT(PDK)
エンジン形式=水平対向6気筒ツインターボ
排気量=2981cc
最高出力=385PS/6500rpm
最大トルク=450Nm/1950-5000rpm
0-100km/h加速=4.0秒
駆動方式=RR
2.0リッター直4ターボという小排気量エンジンを搭載するメルセデスAMG SL43に対して、3.0リッター水平対向6気筒ツインターボを搭載するポルシェ911カレラTは、幅広い領域で最大トルクを発生する。AMGの方がトルクバンドがやや高回転寄りとなるが、そもそも排気量の違いを乗り越えて、高性能を発揮していることは驚きだ。
0-100km/h加速では車両重量や駆動方式にアドバンテージを有する911カレラTが新型SLを上回る性能を発揮する。ただ、忘れてはならないのが、新型SLは優雅なソフトトップを持つオープンモデルであるということ。運動性能を極めるには不利な要素を、最大限薄めていることがうかがえる。
価格はわずか8万円差
両車がライバルたる所以は、価格面にも表れている。新型SLが1648万円であるのに対して、911カレラTは1640万円。その差はほとんど無きに等しい。
とはいえ、ポルシェ911の場合、この価格はあくまでスタート価格。ふんだんに用意されるオプションをどう選ぶかによって、価格は大きく変動する。
自分好みにカスタマイズできる911か、標準状態でも充実した豪華装備を有する新型SLか。オーナーになるのであれば、贅沢な悩みに直面することになるだろう。