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Volvo EX90
新時代の幕開けを宣言するフラッグシップSUV
ボルボは、ストックホルムのダウンタウンにおいて、スウェーデンの文化を色濃く反映させた新たなフル電動フラッグシップSUV「EX90」を世界初公開した。EX90は2023年から米国で生産を開始、その後中国でも生産される予定となっている。
今回公開されたEX90を皮切りに、ボルボは毎年1台ずつ新しいフル電動モデルを発表し、2030年までにラインナップすべてがフル電動モデルとなる予定だ。2040年までに気候変動に左右されない企業になるという、ボルボの経営方針を示しているという。
スカンジナビアンデザインを現代的に新解釈し、EX90のエクステリアは機能に基づいたフォルムを再定義された。モダンなプロポーションが与えられ、様々な用途に使用できるスタイリッシュなファミリーカーとしてデビューした。従来の価値観をベースに、コアコンピューティング、コネクティビティ、電動化などの最先端テクノロジーを組み合わることで、安全性、効率性、美しさを最適なバランスで商品化している。
ボルボ・カーズのジム・ローワンCEOは、EX90の発表に喜びを隠さない。
「ボルボ EX90は、私たちが現在立っている場所、そしてこれから向かう場所を指し示しています。1回の充電で最大600kmの航続距離を実現したフル電動モデルであり、私たちの安全基準をさらに高めるよう設計されました。ソフトウェアによって完全にコントロールされた、最初のボルボ・モデルであり、世界規模のエコシステムの一部となって、様々なデバイスに接続することができます。EX90はボルボ・カーズにとって新章の始まりなのです」
将来の自動運転化に向けたハードウェアを完備
EX90の安全性は、これまで販売された全てのボルボ・モデルよりも高いレベルに設定された。ドライバーと周囲の環境をインテリジェントに判断、すべての人の安全を守るように開発。また、走行を続けることでデータを取得・学習し、アップデートを繰り返し、時間の経過とともに安全レベルが進化する。
EX90に搭載される膨大なセンサーは、ドライバーの操作がほんの少し遅れただけで、反応・対応するように設計された。ライダー(LiDAR:レーザーによる画像検出と測距)は、昼夜を問わず、あらゆる路面状況に対応し、前方の道路を検知。ライダーは数百メートル先の小さな物体もとらえることが可能で、情報提供や行動、回避のための時間をより多く生み出すことができる。この高度なセンサーにより、車線変更時のステアリングサポート機能を含めた「パイロットアシスト」の信頼性と総合的な性能向上が実現した。
ボルボが独自開発したアルゴリズムによる特殊なセンサーとカメラは、ドライバーの視線の集中度を測定。この技術により、EX90はこれまでのボルボ・モデルでは不可能だった、注意力散漫や眠気などの状態を把握することが可能になった。ドライバーに変化が現れた場合、最初はやさしく、次第に強く注意を促す。また、万が一、運転中に居眠りや体調不良を起こした場合でも、EX90は安全に停止し、助けを呼ぶことができるように設計されている。
ライダーを含む最先端のセンサー機能により、EX90は将来の自動運転化に向けて、ハードウェアとして対応した最初のボルボ・モデルとなる。
AIを含む新世代「コアシステム」を搭載
EX90には、エヌビディアコーポレーションが開発したドライブ用AIプラットフォーム「Xavier」と「Orin」、クアルコム・テクノロジーズのコクピットプラットフォーム「Snapdragon」 に、ボルボが自社開発したソフトウェアを組み合わせた最新のコアシステムを搭載。安全性の確保やインフォテインメント、バッテリー管理まで、車内のコア機能のほとんどが、このコアシステムよって稼働される。
EX90は単なるラグジュアリーな電動SUVではなく、4つのタイヤの上に搭載された高度なコンピュータ集合体とも言えるだろう。スマートフォンやノートパソコンと同じように、EX90はWi-Fiを介した定期的なソフトウェアのアップデートにより、時間経過と共に性能が向上するように設計されている。
最新ゲームエンジンによる高度なグラフィック
コックピットプラットフォームの「Snapdragon」 が持つ最先端の演算能力と、エピック・ゲームズが開発した3Dツール「Unreal Engine」の視覚化機能を組み合わせたことで、車載スクリーンとヘッドアップディスプレイに、高速演算能力と高品質のグラフィックを実装した。
14.5インチ・センタースクリーンには、Googleの最新インフォテインメントシステムを導入。Googleアシスタントによるハンズフリー機能、Googleマップのナビゲーション、Google Playが展開する様々なアプリなど、Googleが展開するすべての車両サービスが組み込まれている。さらに、今後はApple CarPlayにも対応する予定となっている。
5G通信コネクションに対応したことで、必要なアプリケーションをホーム画面にインストールし、直感的なナビゲーションを利用することが可能。また、ボルボとしては初めて、Bowers & Wilkins製最新オーディオシステムを搭載しており、ヘッドレスト一体型スピーカーから臨場感あふれるサウンドを楽しむことができる。
インテリアには持続可能な天然素材や、再生素材ををふんだんに使用。セグメントで最も快適かつエレガントな室内に、高度なコネクティビティを集約。ドライバーはリラックスした環境の中で、最高の機能とサポートを楽しむことができる。
最高出力524PS、最大トルク910Nmを発揮
EX90はボルボが自社開発した電動プラットフォームをベースに、より持続可能なファミリーカーとなるよう開発された。1回の充電で最大航続距離373マイル(約600km:WLTP)を実現。30分の急速充電で、バッテリー残量を10%から80%まで回復することができる。
デビュー時点では、前後アクスルに1基ずつモーターを搭載した、ツインモーターAWD仕様をラインアップ。容量111kWhのバッテリーと2基の永久磁石式電気モーターを組み合わせることで、最高出力380kW(524PS)、最大トルク910Nmを発揮する。