「シビック・タイプR」と「メガーヌR.S.」本気で走りたい人向けの2台を比較

永遠のライバル「ホンダ・シビック・タイプR」と「ルノー・メガーヌR.S.」をスペックから冷静に比較する

もはやホットハッチとは呼べないほどのパフォーマンスを備えるシビック・タイプRとメガーヌR.S.。日本市場での価格はシビック・タイプRに分がある。
もはやホットハッチとは呼べないほどのパフォーマンスを備えるシビック・タイプR(上)とメガーヌR.S.。日本市場での価格はシビック・タイプRに分がある。
「FF最速」の称号をかけて争う、自他ともに認めるライバルといえば、ホンダ・シビック・タイプRとルノー・メガーヌR.S.だ。相手が持つニュルブルクリンク北コースのFF車最速タイムを塗り替えることは、両車に与えられた至上命題と言える。シビック・タイプRが新型へと生まれ変わった今、どちらが最速の称号を手にするのだろうか。

HONDA Civic Type R
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RENAULT Megane R.S.

ワイドなスタイル際立つシビック・タイプR

両車のディメンションを比べてみると、シビック・タイプRの方がやや大きく、低いことが分かる。シビック・タイプRは全長85mm、全幅15mmメガーヌR.S.より大きく、60mm低い、スポーティなロー&ワイドフォルムを実現している。

ボディサイズ

ホンダ・シビックタイプR

全長4595×全幅1890×全高1405mm、ホイールベース2735mm
車両重量=1430kg

ルノー・メガーヌR.S.

全長4410×全幅1875×全高1465mm、ホイールベース2670mm
車両重量=1480kg

ちなみに、ベース車両のディメンションを見てみると、通常モデルのシビックは4550×1800×1415mm、同じく通常モデルのメガーヌが4395×1815×1485mmとなっている。さすがスポーツモデルだけあって、どちらも通常モデルに比べてロー&ワイドなスタイルになっていることが分かるが、シビック・タイプRは通常モデル比90mmも幅広い。

この理由は、トレッドを拡大し、ワイドなサイズのタイヤを履くためと考えられる。両車のタイヤサイズとトレッドを比べてみると…

タイヤサイズ

ホンダ・シビックタイプR

タイヤサイズ=265/30ZR19
トレッド(前/後)=1625/1615mm

ルノー・メガーヌR.S.

タイヤサイズ=245/35ZR19
トレッド(前/後)=1620/1600mm

どちらも19インチの大径タイヤを履くが、強力なパワーをより効率的に路面に伝えるべく、シビック・タイプRはより幅広な265サイズをチョイス。ただし、使い勝手面では最小回転半径が5.9mとなり、メガーヌR.S.の5.2mに劣る。

300PS台のハイチューンエンジンを搭載

パワートレイン

ホンダ・シビックタイプR

エンジン形式=直列4気筒ターボ
排気量=1995cc
最高出力=330PS/6500rpm
最大トルク=420Nm/2600-4000rpm
WLTC燃費=12.5km/リットル
トランスミッション=6速MT

ルノー・メガーヌR.S.

エンジン形式=直列4気筒ターボ
排気量=1798cc
最高出力=300PS/6000rpm
最大トルク=420Nm/3200rpm
WLTC燃費=11.3km/リットル
トランスミッション=6速DCT

0.2リッターの排気量差がある両車のエンジン。300PSのメガーヌR.S.に対して、歴代最高の330PSを実現したシビック・タイプRは、よりワイドなパワーバンドを与えられており、高い戦闘力がうかがえる。また、燃費面においても優秀で、シビック・タイプRが1.2km/リットル上回る。

ちなみに、シビック・タイプRで用意されるトランスミッションは6速MTのみ。メガーヌR.S.の場合は6速DCTが搭載されるが、「トロフィー」では6速MTも選べるようになっている。

シビック・タイプRの価格はバーゲン

甲乙つけがたいパフォーマンスを備えるシビック・タイプRとメガーヌR.S.。しかし、価格面ではシビック・タイプRが優位に立つ。

シビック・タイプRが499万7300円であるのに対して、メガーヌR.S.は519万円。約20万円の差となるが、メガーヌR.S.の場合はよりスポーツ走行に特化した「トロフィー」も設定されており、そちらを選ぶと価格差は50万円以上に広がる。

とはいえ、価格が高騰し続けている近年の自動車市場において、これだけのハイパフォーマンスを味わえるモデルが、500万円前後というのは驚くべきこと。両車は、ホンダとルノーの良心と言えるかもしれない。

まさに日本の誉れ! 「ホンダ シビック タイプR」はスーパースポーツカーに引けを取らぬ走りが魅力

11代目シビックのスポーツグレード、シビック・タイプRが登場した。6代目となるシビック・タイプRの開発コンセプトは先代と同じ「アルティメットドライビングプレジャー」で「2.0」に進化した。タイプRの聖地、鈴鹿サーキットでその意味を考えた。

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著者プロフィール

古川 裕 近影

古川 裕

新型モデルを比較することを信条とするフリーランスジャーナリスト。過去にはゲンロクWebを運営する三栄に…