12月23日、PS4/PS5用『GT7』に「フェラーリ ヴィジョン グランツーリスモ」が登場

フェラーリがワールドプレミアした「ヴィジョン グランツーリスモ」はマラネッロ初のバーチャル・レーシングコンセプト【動画】

未来のレーシングプロトタイプとして、マラネッロがデザインした「フェラーリ ヴィジョン グランツーリスモ」。
未来のレーシングプロトタイプとして、マラネッロがデザインした「フェラーリ ヴィジョン グランツーリスモ」。
プレイステーション用ゲームシリーズ『グランツーリスモ』のため、フェラーリが特別にデザインした初のコンセプトカー「フェラーリ ヴィジョン グランツーリスモ」が公開された。近未来的なシングルシーターは3基の電気モーター、究極のエアロダイナミクス、先進的なダイナミクス制御システムを採用。2022年12月23日から、プレイステーション4/プレイステーション5用『GT7』のすべてのユーザーが、このスペシャルマシンをドライブできるようになる。

Ferrari Vision Gran Turismo

フェラーリ75周年のフィナーレを飾る存在

PS4/PS5用ゲーム『グランツーリスモ』とコラボした「フェラーリ ヴィジョン グランツーリスモ」のエクステリア。
2022年は「125S」デビューから75周年というアニバーサリーイヤーであり、そのフィナーレを飾る存在として「フェラーリ ヴィジョン グランツーリスモ」がデザインされた。

バーチャルモータースポーツのためにフェラーリが特別に手がけた初のコンセプトカーとして、クローズド・ホイールのシングルシーター、「フェラーリ ヴィジョン グランツーリスモ」がデビューを飾った。世界的な人気を誇るプレイステーション用ゲームシリーズ『グランツーリスモ』のために、フェラーリが特別にデザインを手がけた1台となる。

フェラーリ ヴィジョン グランツーリスモは、フェラーリが紡いできたレースの伝統に深く根ざしたデザインが採用された。ボディ各部に配置されたカーナンバー「75」は、フェラーリのヘリテージを強くアピール。2022年は、フェラーリ最初のレーシングカー「125S」がファクトリーで製造されてた1947年から75周年の節目にあたるため、この専用リバリーが導入されている。

フェラーリ製スポーツプロトをオマージュ

マラネロによってデザインされた「フェラーリ ヴィジョン グランツーリスモ」は、330Pや512Sといった歴史的名車から、最新の499Pなど、新旧フェラーリ製スポーツプロトタイプレーシングカーがオマージュされた。
マラネッロによってデザインされた「フェラーリ ヴィジョン グランツーリスモ」は、330Pや512Sといった歴史的名車から、最新の499Pなど、新旧フェラーリ製スポーツプロトタイプレーシングカーがオマージュされた。

フェラーリ ヴィジョン グランツーリスモのデザインは、フラヴィオ・マンツォーニ率いるフェラーリ・スタイリング・センターが担当。直接のインスピレーションとなったのは、ル・マン24時間レースやデイトナ24時間レースなど、耐久レースで大成功を収めた1960〜70年代の伝説的なフェラーリ製スポーツプロトタイプだという。

デザインテーマは、ドラマチックなプロポーションと未来的なライン。フェラーリ 330Pや512Sといった名車のフォルムをさりげなく導入し、跳ね馬の輝かしいレース史にオマージュを捧げている。さらにフェラーリが考える、クローズドホイールレーシングカーの進化も表現された。

アーキテクチャーを支えるのは、2基のサイドダクトを中心とする先進的なエアロダイナミクス。フェラーリはこの空力処理の特許を取得しており、エアフローはフロントアンダーボディからコクピット周辺へ、そして特徴的なサイドポッドへと導かれる。これにより、アンダーボディ中央部で発生する推進力と吸着力の変動によって、極めて効率的にダウンフォースが生み出される。

リヤ周辺のエアロダイナミクス、ディフューザーと2段式リヤウィングは最新プロトタイプレーシングカー「499P」からインスピレーションを得たもの。フロントのSダクトとホイールアーチに組み込まれたエアアウトレットが空力効率をさらに高め、高速走行時の安定性を引き上げている。

最高システム出力1356PSを発揮

PS4/PS5用ゲーム『グランツーリスモ』とコラボした「フェラーリ ヴィジョン グランツーリスモ」のエクステリア。
3.0リッターV型6気筒ツインターボエンジンと前後アクスルに搭載された3基のモーターを組み合わせ、最高システム出力1356PSを発揮する。

リヤミッドに搭載されるのは296 GTB/296 GTS/296 GT3、そして最新の499Pと同じ、バンク角120°の3.0リッターV型6気筒ツインターボエンジン。今回はテクニカルレギュレーションによる制限がないため、このパワーユニットが持つ真のパフォーマンスが解き放たれるよう、さらに磨きがかけられた。

エンジンは9000rpmで1030PSという最高出力を発揮するようチューンアップ。これに加えて、左右フロントアクスルに2基、リヤアクスルに1基、合計3基搭載された電気モーターが240KW(326PS)の出力を発生する。フェラーリはこの革新的なパワートレインでも胸躍るサウンドが忠実に再現されるよう、グランツーリスモと協カ。ゲーム内でも臨場感のあるサウンとを楽しむことができるという。

F1で開発されたハイブリッドマネージメント

PS4/PS5用ゲーム『グランツーリスモ』とコラボした「フェラーリ ヴィジョン グランツーリスモ」の走行シーン。
フェラーリが長年F1によって培ってきたバッテリーマネージメントや回生技術が導入されており、『グランツーリスモ』内でも、その強大なパワーを最適に活用することができる。

ボディシェルはフラットなカーボンファイバー製アンダーボディの上に浮いているように処理。技術的コンポーネントはすべてボディ下部集中搭載されているため、そのフォルムの純粋さがより際立つことになった。このパワートレインのレイアウトによって、フロントとリヤの最適な重量配分と極限の低重心が実現。あらゆるコンディションにおいて、AWDの恩恵が生かさることになった。

エラストキネマティック・サスペンションのセットアップは『グランツーリスモ』で使われるタイヤのパフォーマンス特性とマシンの空力バランスに合わせて開発。その目標は複雑な市街地コースでも、耐久レースが行われる伝統的なサーキットでも、最高のパフォーマンスが保証されている。

サスペンションは、タイヤの接地面を維持して最大のトラクションを確保する設計を採用。ハイブリッドパワートレインが発揮する1100Nmの最大トルクを、残らず路面へと伝えることができる。最新の電子制御システムにより、コーナリングでの抜群の敏捷性と絶妙なハンドリングバランスも確保。フェラーリをドライビングする興奮を忠実に再現し、強化されたパフォーマンスをゲーム中に正確に体験できるよう設計されている。

ハイブリッドシステムは、フェラーリがF1において開発を重ねてきた電気的なブーストと回生エネルギーに関するテクノロジーも生かされている。バッテリーの充電状態を最適にマネージメントすることで、ドライバーはICE(内燃機関)と電気モーターを組み合わせたパワーを最大限に活用することが可能になった。予選アタックだけでなく、決勝レースでの継続的な周回中も、最大限のパフォーマンスが発揮される。

シンプルでクリーンなコクピット

PS4/PS5用ゲーム『グランツーリスモ』とコラボした「フェラーリ ヴィジョン グランツーリスモ」のコクピット。
エクステリアデザインの延長線上にあるコクピットは、シースルーカバーが採用されるなど、シンプルでありながら、あえて機能を見せるよう設計された。

インテリアデザインはエクステリアの延長にあり、ピュアでミニマリストな印象でまとめられた。また、ドライバーにとって最適な機能性と人間工学も実現。ダッシュボードのラインは非常にシンプルでクリーン、ハイブリッドパワートレインを覆うシースルーのエンジンカバーと同様に透明なハイテク素材が採用された。これにより、洗練されたステアリングホイールのメカニカルコンポーネントが露わにされている。

フェラーリ ヴィジョン グランツーリスモは、モナコ・モンテカルで開催の「グランツーリスモ・ワールドファイナル」で初披露。2022年12月23日からは、プレイステーション4/プレイステーション5用『GT7』のすべてのユーザーが、このスペシャルマシンをドライブできるようになる。

それに先だって、発表直後の11月27日から『GT7』のユーザーに向けてゲーム内でクイズキャンペーンがスタート。ウイナーは賞品としてフェラーリ ヴィジョン グランツーリスモを12月15日に受け取ることができる。同じ日に、実物大のデザインモデルがマラネッロのフェラーリ・ミュージアムで一般公開され、2023年3月まで展示される予定だ。

SPECIFICATIONS

フェラーリ ヴィジョン グランツーリスモ
エンジン形式:120°V型6気筒ツインターボ
総排気量:3000cc
最高出力ICE:1030PS/9000rpm
最大トルクICE:900Nm/5500rpm
最高出力ハイブリッドシステム:240KW(326PS)
駆動方式:AWD
乾燥重量:1250kg
重量配分:フロント43.5%/リヤ56.5%
ギヤボックス:8速Fデュアルクラッチギヤボックス
最高速度:350km/h
0-100 km/h:2.0秒
0-200 km/h:5.0秒
フィオラノラップタイム:1分10秒

フェラーリ ヴィジョン グランツーリスモを動画でチェック!

ロードカーのデザインを受け持つフェラーリ・チェントロ・スティーレの手になる499P。ロードカーとは基本的に無関係なプロトタイプカーだが、ひと目でフェラーリとわかるスタイリングに仕上げた。

「来年のル・マン24時間が待ち遠しい!」フェラーリの最新プロトタイプレーシングカー「499P」発表

2023年からFIA世界耐久選手権(WEC)のハイパーカークラスへのエントリーを表明しているフェラーリが、ついにその参戦車両「499P」を発表した。その全貌を現地から大谷達也がリポートする。

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著者プロフィール

ゲンロクWeb編集部 近影

ゲンロクWeb編集部

スーパーカー&ラグジュアリーマガジン『GENROQ』のウェブ版ということで、本誌の流れを汲みつつも、若干…