新世代ドンカーブート初のニューモデル「F22」の生産開始

クセの強さが自慢のドンカーブートが完全新規開発ニューモデル「F22」を発表【動画】

750kgの車重に506PSの最高出力を搭載する、ドンカーブート F22のエクステリア。
2013年にデビューしたD8 GTO以来、10年ぶりの完全新規開発となるドンカーブート F22が公開された。
オランダ・レリスタットを拠点とするドンカーブート・アウトモビーレンは、新型スポーツカー「ドンカーブート F22」を発表した。先代モデルのD8 GTOから全てを刷新したニューモデルは、わずか750kgの車重に最高出力506PSを発揮。ボディとキャビンを拡大し、取り外し可能なカーボンファイバー製ツインタルガルーフを装備するという。

Donkervoort F22

506PSを発揮するアウディ製2.5リッター直5ターボを搭載

750kgの車重に506PSの最高出力を搭載する、ドンカーブート F22のエクステリア。
パワーユニットは、D8 GTOシリーズから搭載するアウディ製2.5リッター直列5気筒ターボ。最高出力は506PSにまで高められている。

ドンカーブート・アウトモビーレンは、創業者のヨープ・ドンカーブートが退き、2021年1月に息子のデニス・ドンカーブートが2代目のマネージング・ディレクターに就任。デニスの指揮のもと、新たな時代の到来を宣言するニューモデル「ドンカーブート F22」をワールドプレミアした。

F22は750kgの超軽量シャシー&ボディに、高出力506PSを発揮するアウディ製2.5リッター直列5気筒ターボエンジンを搭載。ドンカーブートの伝統であるオープンホイールレイアウトを維持しながら、新時代にふさわしい圧倒的なデザイン、ピュアなハンドリングとスピード、さらに日常域での使い勝手も備えたモデルとなる。

F22は、薄肉鋼管パイプフレームとエクスコア・カーボンファイバー製シャシーのハイブリッド構造を導入。D8 GTO インディビジュアル シリーズと比較して、剛性レベルを2倍に高め、サーキットや公道におけるドライビング性能を大幅に高めている。さらに、公道走行ホモロゲーションを取得している2シーター市販モデルとして、世界最軽量の750kgを実現した。

2代目デニス・ドンカーブートが開発を指揮

750kgの車重に506PSの最高出力を搭載する、ドンカーブート F22のインテリア。
F22のレーシーなコクピット。創業者のヨープ・ドンカーブートの退任を受けて、2021年1月にマネージング・ディレクターに就任した、息子のデニス・ドンカーブートがF22の開発を指揮した。

当初、F22は50台のみがハンドメイドで製造される予定だった。しかし、市販仕様の完成前、デザインスケッチの段階で生産枠すべてがソールドアウトしたことを受けて、急遽75台にまで生産台数が増やされている。

2021年に父のヨープからドンカーブートを引き継いだデニス・ドンカーブートは、自身もレーシングドライバーとして活動するなど、ドライビングへの強い想いを持つ人物。F22の開発に際しても、革命的なデザイン、究極の剛性レベルによる高い安全性、サーキットでのペースアップ、限界レベルでのコントロールのしやすさ、そして快適性と実用性の向上という、高い目標を設定した。

新たな経営体制でF22を完成させたデニス・ドンカーブートは、次のようにコメントした。

「F22は、軽量化、高剛性、内燃機関エンジン、純粋なスピードなど、私たちが慣れ親しんできたスーパースポーツの最高峰に立つ存在です。ドライバーに、スピード、ハンドリング、ドライビングの純粋さ、デザイン、実用性の新しいレベルを提供し、ドンカーブートの将来的な方向性を示した1台になります」

「エクスコア・カーボンファイバードアや、ツインタルガルーフの採用など、ドンカーブートらしいイノベーションに満ち溢れています。しかし、同時にドンカーブートが培ってきた43年にわたる協力関係の成果でもあります。F22のデビューにより、他のスーパースポーツは、その価値を失うことになるでしょう」

2023年1月から欧州でのデリバリーを開始

750kgの車重に506PSの最高出力を搭載する、ドンカーブート F22のエクステリア。
初期生産予定枠の50台は発表前にソールドアウトし、2023年1月からデリバリーが開始される。25台の追加生産が決まっており、さらにこの枠が拡大される可能性もあるようだ。

F22は、675hp/tという驚異的なパワーウェイトレシオを実現。スピードリミッターが搭載されていないため、最高速度は約290km/hにまで達する。その一方で、革新的な軽量素材の使用と効率化の追求により、CO2排出量はわずか163g/km(WLTP調べ)に留められた。車両重量自体はD8 GTO インディビジュアル シリーズから55kg増加したにもかかわらず、CO2排出量は約28gも低くなった形だ。

パワフルなアウディ製パワーユニットはフロントミッドに搭載。軽量構造の5速マニュアルギヤボックスと新開発リミテッド・スリップ・トルセン・ディファレンシャルが組み合わせられ、後輪を駆動する。そのネーミングは、家族経営の伝統に則り、2022年5月22日に生まれたデニス・ドンカーブートの長女、フィリッパの誕生日から付けられたという。

F22は、ヨーロッパ、北米、中東などのマーケットで販売。ヨーロッパ市場では24万5000ユーロのプライスタグがつけられ、2023年1月からデリバリーが開始される。前述のとおり、第一次生産枠がソールドアウトしたことから、F22の新規生産枠、F22後継モデルのレジストレーションープログラムも開始している。

ドンカーブート F22を動画でチェック!

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ゲンロクWeb編集部

スーパーカー&ラグジュアリーマガジン『GENROQ』のウェブ版ということで、本誌の流れを汲みつつも、若干…