洗練が進むポルシェ タイカンのMY23をチェック

「初期型オーナーに朗報!」ポルシェ タイカンの驚くべき2023年モデルへのアップデートの中身

MY23となったタイカンは、モーターやバッテリーの制御なども改善されて、航続距離も向上している。
MY23となったタイカンは、モーターやバッテリーの制御なども改善されて、航続距離も向上している。
ポルシェ初のBEVとして登場したタイカンだが、PPEモデル登場の前にその商品性は地道にアップデートされている。しかも、そのアップデートは初期モデルも対象になるという大盤振る舞いだ。MY23の進化を紹介する。

PORSCHE Taycan MY23

走行性能の制御がアップデート

写真は日本に未導入のタイカン スポーツツーリスモ。日本にはSUVとのクロスオーバーモデルとなるクロスツーリスモがラインナップされる。

2022年7月、欧州で23年モデル(MY23)タイカンのデリバリーが開始された。このタイミングで様々なアップデートが行われたが、その影響はMY23にとどまらず初期型のタイカンもアップデートの対象だという。日本の実施時期はまだ未定だが、タイカンオーナーには耳寄りな情報なのでお届けしたい。

パワートレインではAWDモデルの「ノーマル」と「レンジ」モードで、低負荷時フロントアクスルのモーターがほぼ完全に切り離される。コースティングや停車時は前後アクスルの駆動トルクが解放され、摩擦抵抗による電力の損失を低減し、航続距離を大幅に伸ばした。さらに回生ブレーキの自動回生設定は運転プログラムを変更した場合でも保存されるなど使い勝手が向上した。

バッテリーの性能も向上

バッテリーの熱管理も改良された。電子パーツからの排熱をバッテリーを温めるべく活用するなど、特に外気温が低い時にバッテリーのコンディションを保つことで、より短時間の充電が可能になった。

なお今回のアップデートで車載充電機も11kWから22kWに変更可能だという。車載充電機の追加費用はカスタマー負担となるものの、ソフトウェア・アップデートのためのワークショップ入庫に組み合わせることができる。

室内ではポルシェ・コミュニケーション・マネジメント(PCM)のスタート画面がカラフルなタイルデザインに変更され、実際に使いやすさが大幅に向上した。ヘッドアップディスプレイを搭載したタイカンは、ナビゲーション地図の表示が変更され、表示内容も追加された。さらにすべてのタイカンで、操作説明書を音声コントロールにより使用できるようになったという。

初期型カスタマーにもっとも恩恵が?

この4年で様々なボディバリエーション、動力性能、駆動方式が展開されたタイカン。

ポルシェ初のBEVとして2019年のデビューして以来、タイカンにはほぼすべてのコンポーネンツやシステムに改良が加えられてきたという。MY23にアップデートすることで、特に初期型のタイカンを購入したカスタマーは、この4年間でどれだけタイカンが進化してきたか痛感することだろう。

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ゲンロクWeb編集部

スーパーカー&ラグジュアリーマガジン『GENROQ』のウェブ版ということで、本誌の流れを汲みつつも、若干…