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HONDA Civic Type R
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VOLKSWAGEN Golf R
走りに特化したシビック・タイプR
ほぼ素のゴルフと変わらないディメンション(全高のみ-15mm)を与えられたゴルフRに対して、ロー&ワイドでスポーティなシビック・タイプR。その差は如実で、シビック・タイプRは全長にして300mm、全幅は100mmも大きく、それでいて全高は55mm低い。羊の皮をかぶった狼を体現するゴルフRと、全身からただ者ではない雰囲気を醸し出すシビック・タイプRと、見た目からしてキャラクターの違いを感じさせる。
ホンダ・シビック・タイプR
全長4595×全幅1890×全高1405mm、ホイールベース2735mm
車両重量=1430kg
フォルクスワーゲン・ゴルフR
全長4295×全幅1790×全高1460mm、ホイールベース2620mm
車両重量=1540kg
圧倒的にシビックがワイドなタイヤ
それでもゴルフRはニュルブルクリンク北コースで7分47秒31をマークしており、これは先代シビック・タイプRの記録した7分43秒80には届かないものの、充分高いレベルにあるといえる。ちなみにFWD最速はメガーヌR.S.トロフィーRの7分40秒1だ。
なお、全幅が大きく異なるため、当然ながらトレッドもシビック・タイプRがワイドとなる。また、標準装備されるタイヤはシビック・タイプRが19インチであるのに対して、ゴルフRは18インチ。タイヤの幅もシビック・タイプR=265とゴルフR=225と大きな差がある。これはサーキットなどで大きな差になるのは間違いない。
ホンダ・シビック・タイプR
タイヤサイズ=265/30ZR19
トレッド(前/後)=1625/1615mm
フォルクスワーゲン・ゴルフR
タイヤサイズ=225/40R18
トレッド(前/後)=1540/1515mm
甲乙つけがたいハイパフォーマンスエンジン
どちらも2.0リッターターボエンジンを搭載し、最大トルクは同じ値。最高出力はシビック・タイプRが10PS上回っているが、前後トルク配分を100対0から50対50で可変させるAWDシステムを持つゴルフRも負けていない。燃費性能もわずか0.2km/リットルの差だ。
いずれ劣らぬパフォーマンスのエンジンを搭載する両車だけあって、その差を決定づけるのはトランスミッションと駆動方式の違いにある。じゃじゃ馬をいなしながら、自らが操る喜びを得られるシビック・タイプRに対して、涼しい顔をしながら、とてつもないスピードレンジで走り抜けるゴルフR。どちらが好みか、意見が分かれるところだろう。
ホンダ・シビック・タイプR
エンジン形式=直列4気筒ターボ
排気量=1995cc
最高出力=330PS/6500rpm
最大トルク=420Nm/2600〜4000rpm
WLTC燃費=12.5km/リットル
トランスミッション=6速MT
駆動方式=FWD
フォルクスワーゲン・ゴルフR
エンジン形式=直列4気筒ターボ
排気量=1984cc
最高出力=320PS/5350〜6500rpm
最大トルク=420Nm/2100〜5350rpm
WLTC燃費=12.3km/リットル
トランスミッション=7速DCT
駆動方式=AWD
価格を考慮するとゴルフGTIも選択肢に
パフォーマンス面ではライバルといえる両車だが、価格面では大きな差がある。というのも、シビック・タイプRが499万7300円であるのに対して、高度なAWDシステムや充実した装備を誇るゴルフRの価格は639万8000円。その差は140万円以上となり、無視できるレベルにはない。
その点、ゴルフが誇るもうひとつのスポーツモデルであるゴルフGTIの価格は486万2000円と、シビック・タイプRのライバルにふさわしい範囲に収まる。ただ、スポーツ性はゴルフRに劣り……なかなか悩ましいところだ。
フォルクスワーゲン・ゴルフGTI
エンジン形式=直列4気筒ターボ
排気量=1984cc
最高出力=245PS/5000-6500rpm
最大トルク=370Nm/1600-4300rpm
WLTC燃費=12.8km/リットル
トランスミッション=7速DCT
駆動方式=FWD