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Volkswagen ID.7
「ID. AERO」が市販仕様へと進化
アメリカ・ネバダ州ラスベガスを舞台に毎年1月に開催される、世界最大規模の電子機器見本市「CES(コンシューマー・エレクトロニクス・ショー) 」において、フォルクスワーゲン・グループ・オブ・アメリカは、フォルクスワーゲン初のフル電動セダン「ID.7」を公開した。
特殊なカモフラージュペイントを纏って発表されたID.7 プロトタイプは、2022年7月にコンセプトモデルの「ID. AERO」として中国で初公開。フォルクスワーゲン・グループが誇る電動アーキテクチャ「MEB(モジュラー・エレクトリック・ドライブ マトリックス)」をベースに開発され、空力を意識したフォルムにより最大航続距離700kmが確保されている。
ID.7は、着々とラインアップを拡充するID.ファミリーのフラッグシップサルーンとして、2023年春に正式デビューを予定。欧州市場向けのID.7は、フォルクスワーゲンのドイツ・エムデン工場で生産される。フォルクスワーゲン・パッセンジャーカー担当CEOのトーマス・シェーファーは、ID.7について次のようにコメントした。
「新型ID.7によって、私たちは電動モデルレンジを上位セグメントへと拡大します。この美しいセダンは、トップクラスのテクノロジーと品質が確保されています。ID.7は私たちが2026年までに発売を予定している10車種のEVのうちのひとつ。私たちの目標はすべてのセグメントにおいて、お客様に適した製品をお届けすることにあるのです」
発光する特殊なカモフラージュペイント
ID.7プロトタイプは、その最終的なフォルムを隠すべく、特殊なカモフラージュペイントを纏ってCESへと持ち込まれた。このユニークなボディカラーはデジタルデザインが特徴となり、ID.7がインタラクティブにライトアップする。
この特殊なカモフラージュペイントは40層もの塗料が塗られており、その中には導電性の塗料と絶縁性の塗料が存在。合計22のエリアを個別に制御可能で、最上層の塗装の下に電気を流すことで、美しい光のパターンを展開する。これをサウンドシステムと連動させ、個々のエリアが発光することで、リズムが視覚化されるという。
さらにボンネットとボディサイドにデザインされたQRコードを読み込むことで、現実世界とデジタルの世界がリンクする。
インテリジェントな空調システムを導入
ID.7はMEB(モジュラー・エレクトリック・ドライブ マトリックス)をベースに開発された最新フル電動モデル。カスタマーから寄せられた要望に応え、ユーザーエクスペリエンスを大幅に向上させたとフォルクスワーゲンは胸を張る。
インテリアには新たなディスプレイコンセプトを導入。新開発の拡張現実型ヘッドアップディスプレイ、38cm(15インチ)フルサイズスクリーン、インフォテインメント・システムに統合された空調コントロール、イルミネーテッド・タッチスライダーなどが採用されている。
インテリジェントなベンチレーションを持つ新たなエアコンは、様々な新機能を搭載。新設計の「スマートエアベント」は、空気の流れをコントロールし、ダイナミックに可動することで、広い面積にすばやく適切な温度の空気を行き渡らせる。また、ドライバーが近づいたことをキーに基づいて検知し、夏の暑い日にはドライバーが乗り込む前に車内を冷やし、寒い日には車内を暖め始めることもできるという。
これらの機能は、ユーザーごとに個別に起動・保存することも可能。また、音声コマンドで空調を起動することもでき、例えばユーザーが「ハロー、フォルクスワーゲン、手が冷たい!」と言うと、ID.7はステアリングホイールのヒーター機能をオンにし、同時にベンチレーションから温風が手へと向けられる。