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Lancia Fulvia Coupe Rallye 1.3 S
スイス人コンビが第25回記念大会を制覇
第25回の記念イベントとして開催された2023年の「ラリー・モンテカルロ・ヒストリック」は、世界中から200台ものヒストリックラリーカーが参戦。フレンチアルプスを舞台に行われた屈指の人気ヒストリックイベントを制したのは、スイスのクラウディオ・エンツとクリスティーナ・ゼーバーガーが持ち込んだ、1970年型ランチア フルビア クーペ ラリー1.3Sだった。
1970年代から1980年代にかけて、フルビア、ストラトス、ラリー 037、デルタS4、グループAデルタで世界ラリー選手権(WRC)を席巻したランチアは、ドライバーズ選手権とマニュファクチャラーズ選手権を合わせて、15もの世界タイトルを獲得した歴史を持つ。今回の勝利で、あらためてラリーにおけるランチアの輝かしい歴史をアピールすることになった。
1960年代からラリーで活躍したフルビア
1965年のジュネーブ・モーターショーでデビューを飾ったフルビア クーペは、モーターボートのデザインからインスピレーションを得たフロンマスクと、シャープなテールカットを持つコンパクトな2ドアクーペ。ラリーデビューはWRCスタート前の1965年ツール・ド・コルス。1972年にはランチアで数多くの勝利を刻んだサンドロ・ムナーリがフルビア HF 1600をドライブし、ラリーモンテカルロを制している。
ラリー・モンテカルロ・ヒストリックは、1983年までに少なくとも1回はラリーモンテカルロに参戦した経験を持つ車両のエントリーが認められている。ランチアは、個人が所有する19台のラリーカーが参加。オスロ、ロンドン、バートホンバーグ、ランス、そしてランチア ラリー037が展示されたトリノと、様々な都市を起点に伝統的なコンセントレーションランが行われ、モナコに集結した200台のラリーカーによる華やかな競技が開催されたという。