BMW iX5燃料電池仕様の少数限定生産開始

トヨタとの提携を活かして約100台生産される水素燃料電池車「BMW iX5 ハイドロジェン」とは?【動画】

高効率水素燃料電池システムを搭載する「BMW iX5 ハイドロゲン」が、ドイツ・ミュンヘンで少量限定生産される。
高効率水素燃料電池システムを搭載する「BMW iX5 iX5 ハイドロジェン」が、ドイツ・ミュンヘンで少量限定生産される。
BMWグループは、2023年から試験生産される水素燃料電池仕様「BMW iX5 ハイドロジェン」をメディアに公開した。4年の開発期間を経たBMW iX5 ハイドロジェンは100台弱が限定生産され、いよいよ試験運用の段階に進むことになる。

BMW iX5 Hydrogen

100台弱の燃料電池仕様を少量限定生産

100台弱が少量限定生産される燃料電池仕様「BMW iX5 ハイドロゲン」、今後世界各地でテスト運用されることになる。
100台弱が少量限定生産される燃料電池仕様「BMW iX5 ハイドロジェン」、今後世界各地でテスト運用されることになる。

BMW iX5 ハイドロジェンのパイロット仕様は、100台弱が限定生産され、イベントなどでのデモンストレーション走行に加えて、世界各国の様々なグループによってテスト運用される予定。国際的な展開により、これまで水素自動車を経験してこなかった層へとアプローチすることになり、一般的なカスタマーが iX5 ハイドロジェンの魅力を直接感じられる機会も増える予定だ。

BMW AGの取締役会会長、オリバー・ジプセは、 iX5 ハイドロジェンの少量生産について次のようにコメントした。

「水素は非常に汎用性の高いエネルギー源です。エネルギー転換のプロセス、さらに気候保護において、重要な役割を担っています。水素は再生可能エネルギーを貯蔵・輸送する最も効率的な方法のひとつだからです」

「この水素が持つ大きなポテンシャルを活かし、モビリティ分野の変革も加速させなければなりません。水素は排出ガスのない自動車を実現するための、ジグソーパズルに最後のピースだと言えるでしょう。ひとつの技術だけでは、世界中で気候変動に左右されないモビリティを実現するには十分ではないからです」

X5をベースにトヨタ製燃料電池を搭載

iX5 ハイドロゲンはX5をベースに開発され、搭載される燃料電池システムは、パートナーシップ契約を結ぶトヨタから供給される。
iX5 ハイドロジェンはX5をベースに開発され、搭載される燃料電池システムは、パートナーシップ契約を結ぶトヨタから供給される。

現行のX5をベースに開発された「iX5 ハイドロジェン」は、2019年のフランクフルト・モーターショーでコンセプトカーとしてワールドプレミア。その後、初期プロトタイプが、IAAモビリティ2021で公開された。会場内のシャトル・ビークルとしても活用され、来場者は実際の走行を体験している。

BMWグループは、将来的なゼロエミッション実現に向け、バッテリー駆動電気自動車(BEV)を補完するオプションとして、水素燃料電池技術の開発を計画的に進めている。燃料電池システムは、パートナーのトヨタ自動車から調達。両社はBMW Z4/トヨタ スープラの共同開発をはじめ、長年にわたり強力なパートナーシップを築いており、2013年からは燃料電池駆動システムでも協業を開始している。

iX5 ハイドロジェンは、ドイツ・ミュンヘンの研究革新センター(FIZ)にあるBMWグループのパイロット・プラントで組み立てられる。高効率・燃料電池システムもミュンヘンの水素コンピテンス・センターで製造。BMWグループは水素燃料電池システム用として、タービン付き高速コンプレッサーや高電圧クーラント・ポンプなど、水素専用コンポーネントを新たに開発している。

最大航続距離は500km以上を実現

高効率水素燃料電池システムを搭載する「BMW iX5 ハイドロゲン」が、ドイツ・ミュンヘンで少量限定生産される。
システム最高出力は406PSを発揮し、最大航続距離は504kmを確保。燃料となる水素は専用の水素ステーションにおいて、数分でフル充填することができる。

iX5 ハイドロジェンに搭載される燃料電池システム単体では172PS(125kW)を発揮し、リチウムイオンバッテリーと組み合わせることで、システム最高出力は406PS(295kW)を実現。最高速度は180km/h、最大航続距離は504km(WLTP規定)と、遠距離移動にも十分な能力が確保された。

燃料電池に必要な水素は、2基の炭素繊維強化プラスチック(CFRP)製700気圧タンクに充填。タンクには約6kgの水素を収めることができる。水素タンクの充填は、専用の水素ステーションにおいて3~4分ほどで満タンになるため、内燃機関に近い使い方ができると言えるだろう。

BMW iX5 ハイドロジェンを動画でチェック!

BMW XM日本初公開

非公開: 「BMW M専用モデルにしてM社初のPHEV」超レア車の「XM」を東京・原宿で見られるイベントとは?

ビー・エム・ダブリューは、ポップアップ・エキシビションイベント「FREUDE by BMW – CONNECTED THROUGH TIME(フロイデ・バイ・ビーエムダブリュー – コネクテッド・スルー・タイム)」を、2023年3月4日(土)から2023年4月4日(火)までの期間限定にて、東京・原宿のヨドバシ J6 ビルディングを会場として開催する。

ミュンヘンの燃料電池システム生産施設を訪れた、BMW AGオリバー・ツィプセ取締役会会長(左)と、開発担当取締役のフランク・ウェーバー(右)。

非公開: 「EVだけではなく水素も」BMWがミュンヘンの専用ファクトリーにおいて水素燃料電池システムを生産開始

2022年8月31日、BMW AGオリバー・ツィプセ取締役会会長と、開発担当取締役のフランク・ウェーバーは、ドイツ・ミュンヘンの水素コンピテンス・センターにおいて、燃料電池システムの生産開始を宣言した。BMWが開発した燃料電池システムは、2022年末から試験運用が開始される「BMW iX5 ハイドロジェン」に搭載される。

キーワードで検索する

著者プロフィール

GENROQweb編集部 近影

GENROQweb編集部