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先代より大型化されたレンジローバー スポーツ
いまやセダン系統同様に充実した車種を取りそろえる、メルセデス・ベンツのSUVラインナップ。SUV界の絶対王者として君臨し続けてきたランドローバーもラインナップ拡充に余念がないのは同様で、両ブランドともにコンパクトなエントリークラスからフラッグシップ、さらには伝統のクロカンモデルまで、幅広く取り揃えている。その中核を担うモデルであるメルセデス・ベンツGLEとランドローバー・レンジローバー スポーツを、今回はピックアップしていく。
ともにディーゼルエンジンを搭載するベーシックグレード同士で比較していくと、レンジローバー スポーツがひとまわり大きい。数値上は全長16mm、全幅55mm、全高50mmの差がついており、すべてにおいてレンジローバー スポーツが上回っている。とはいえホイールベースはほとんど変わらず、車内のスペースに大きな差はないだろう。また、車両重量はGLEが35kg軽く、優位に立つ。
新型レンジローバー スポーツは先代との比較でも大型化されており、全長91mm、全幅20mm、全高20mm大きい。先代モデルにはオプションでGLE同様に3列目が設定されていたが、新型では今のところ設定されておらず、これは先代との大きな違いと言える。
メルセデス・ベンツ GLE 300d 4MATIC
全長4930×全幅1950×全高1770mm
ホイールベース2995mm
車両重量=2350kg
ランドローバー レンジローバー スポーツ S
全長4946×全幅2005(ミラー含む2209)×全高1820mm
ホイールベース2997mm
車両重量=2315kg
直6と直4+モーターの戦い
パワートレインの比較では、かなり拮抗している。同じディーゼルエンジンではあるものの、レンジローバー スポーツが搭載するのは3.0リッター直6ツインターボ、GLEが搭載するのは2.0リッター直4ターボ。最高出力は28PS差、最大トルクも100Nm差でレンジローバー スポーツが上回っている。
ただし、GLEはコンパクトながらモーターを備えており、そのアシストが受けられるのがポイント。これにより、パワー勝負でも一概に排気量で上回るレンジローバー スポーツが有利とは言い難い。
メルセデス・ベンツ GLE 300d 4MATIC
エンジン形式=直列4気筒ターボ
排気量=1992cc
最高出力=272PS/4200rpm
最大トルク=550Nm/1800-2200rpm
モーター最高出力=15kW
モータートルク=208Nm
ランドローバー レンジローバー スポーツ S
エンジン形式=直列6気筒ターボ
排気量=2997cc
最高出力=300PS/4000rpm
最大トルク=650Nm/1500-2500rpm
ディーゼルエンジン中心のグレード構成
2022年5月の受注開始から半年が経過し、徐々にデリバリーが開始されたレンジローバー スポーツ。台数限定で直6ガソリンエンジンにモーターを組み合わせた「ローンチエディション」が存在するものの、通常モデルはすべて直6ディーゼルエンジンを搭載する。
対するGLEのグレード構成も、基本はディーゼルエンジン搭載モデルだ。直4ディーゼルにモーターを組み合わせる「300d」と直6ディーゼルエンジンを積む「400d」となるが、これに加えて、メルセデスAMGブランドの「GLE53」と「GLE63」をラインナップしており、多彩なパワートレインを用意している。
ディーゼルエンジン搭載車の価格帯は以下のようになっており、すべて1000万円台前半である。どちらを選ぶべきか、ユーザーに悩ましい選択肢を提供してくれている。
車両本体価格
メルセデス・ベンツGLE
GLE 300d 4MATIC 1120万円
GLE 400d 4MATICスポーツ 1310万円
GLE 400d 4MATICクーペスポーツ 1340万円
レンジローバー スポーツ
レンジローバー スポーツ S 1068万円
レンジローバー スポーツ ダイナミックS 1119万円
レンジローバー スポーツ ダイナミックSE 1192万円
レンジローバー スポーツ ダイナミックHSE 1296万円
レンジローバー スポーツ オートバイオグラフィ 1457万円