メルセデス・ベンツCクラスとBMW3シリーズのベーシックグレードを比較

「価格差50万円をどう考えるか」メルセデス・ベンツCクラスとBMW3シリーズのベーシックグレード比較

メルセデス・ベンツCクラスとBMW3シリーズ。永遠のライバルと評されるだけあってディメンションは拮抗。C180が全長で35mm、ホイールベースで15mm長いのに対して、318iは全幅と全高で5mmずつ上回る。
メルセデス・ベンツCクラスとBMW3シリーズ。永遠のライバルと評されるだけあってディメンションは拮抗。C180が全長で35mm、ホイールベースで15mm長いのに対して、318iは全幅と全高で5mmずつ上回る。
メルセデス・ベンツのCクラスとBMWの3シリーズとえいば、誰もが認めるライバルであり、日本における輸入車人気を長年にわたってけん引してきた存在だ。それぞれがAMGとMというスポーツ性能を売りにするトップモデルを頂点に多くのグレードから構成されるが、今回注目したのは最もベーシックなグレード。C180と318iを比較していく。

MERCEDES-BENZ C180
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BMW 318i

110kgの重量差

永遠のライバルと評されるだけあって、ディメンションは拮抗している。C180が全長で35mm、ホイールベースで15mm長いのに対して、318iは全幅と全高で5mmずつ上回っている。

室内スペースの面ではC180にやや分がありそうだが、それ以上に大きな差が生じているのが車両重量だ。318iが110kgも軽くなっており、走行性能面でのアドバンテージを得ている。

メルセデス・ベンツ C180アバンギャルド

全長4755×全幅1820×全高1435mm
ホイールベース2865mm
車両重量=1650kg

BMW 318iスタンダード

全長4720×全幅1825×全高1440mm
ホイールベース2850mm
車両重量=1540kg

装着タイヤは前後同サイズ

標準装備されるタイヤは、両モデルとも同じサイズの17インチ。前後同サイズとなっており、他グレードのように前後異径サイズではない。このあたりはベーシックグレードらしく、タイヤローテーションを考慮して経済的な設定となっている。

メルセデス・ベンツ C180アバンギャルド

タイヤサイズ=225/50R17
トレッド(前/後)=1580/1590mm

BMW 318iスタンダード

タイヤサイズ=225/50R17
トレッド(前/後)=1590/1605mm

C180はモーターがアシスト

1.5リッターと2.0リッターと排気量に差があるものの、エンジンの性能比較では小排気量のC180が優勢。最高出力で14PS上回り、最大トルクは同等であるうえに、コンパクトなモーターがアシストしてくれるC180は、燃費でも1.4km/リットル優れている。

また、トランスミッションはC180が9速であるのに対し、318iは8速。ここまで多段化されていれば1速の違いはわずかかもしれないが、これも燃費に少なからず影響しているかもしれない。

メルセデス・ベンツ C180アバンギャルド

エンジン形式=直列4気筒ターボ
排気量=1494cc
エンジン最高出力=170PS/5500-6100rpm
エンジン最大トルク=250Nm/1800-4000rpm
モーター最高出力=15kW
モーター最大トルク=208Nm
WLTC燃費=14.4km/L
トランスミッション=9速AT

BMW 318iスタンダード

エンジン形式=直列4気筒ターボ
排気量=1998cc
最高出力=156PS/4500rpm
最大トルク=250Nm/1300-4300rpm
WLTC燃費=13.0km/L
トランスミッション=8速AT

最廉価グレードの価格差は48万円

Cクラスも3シリーズもボリュームゾーンは600万円台だが、500万円台から購入可能となっている。最もベーシックなC180はかろうじて500万円台に収まる価格設定だが、318iは500万円台中盤の価格設定で、その差は48万円と大きい。

ただ、2022年にC180が追加されるまで、Cクラスの最廉価グレードはC200で、3シリーズとの価格差は100万円以上もあった。その価格差が現在は埋まっており、より選びやすくなっているのは歓迎すべき点だろう。

メルセデス・ベンツ C180アバンギャルド 596万円
BMW 318iスタンダード 548万円

軽やかな乗り心地は「タイヤの周囲にソフトな真綿を何重にも巻き付けたのではないかと思えるほど、路面からのショックを優しく受け止めてくれる」と表現したい。

2022年注目されなかった隠れた名車「BMW 318i」はマイナーチェンジで別物になっていた

2022年も多くの新型車を試したプロのモータージャーナリストだが、その試乗車の中には地味ながら心を揺り動かされた名車がある。今回モータージャーナリスト大谷達也が挙げた2022年の「隠れた名車」は意外なエントリーグレードであった。

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著者プロフィール

古川 裕 近影

古川 裕

新型モデルを比較することを信条とするフリーランスジャーナリスト。過去にはゲンロクWebを運営する三栄に…