新型「メルセデス・ベンツ GLC」日本導入開始

メルセデス・ベンツの新型SUV「GLC」が日本上陸「手頃なサイズはそのままにSクラス譲りの最新技術採用」

東京のメルセデスミー東京で新型GLCを発表する上野金太郎社長。初代デビューから8年、初のフルモデルチェンジを敢行したメルセデス・ベンツのミディアムSUV「GLC」。いよいよ、日本市場への導入が開始された。
東京のメルセデスミー東京で新型GLCを発表する上野金太郎社長。初代デビューから8年、初のフルモデルチェンジを敢行したメルセデス・ベンツのミディアムSUV「GLC」。いよいよ、日本市場への導入が開始された。
メルセデス・ベンツ日本は、2代目へと進化したプレミアム・ミドルサイズSUV新型「GLC」を発表。全国のメルセデス・ベンツ正規販売店ネットワークを通じて、予約受付を開始した。カスタマーへのデリバリーは2023年3月下旬頃から順次予定している。

Mercedes-Benz GLC

ベストセラーSUVが2代目に進化

2015年にミドルサイズ・プレミアムSUVとしてデビュー、260万台を販売したGLCが、初のフルモデルチェンジにより2代目に進化した。
2015年にミドルサイズ・プレミアムSUVとしてデビュー、260万台を販売したGLCが、初のフルモデルチェンジにより2代目に進化した。

2015年にデビューした初代GLCは、2020年と2021年のメルセデス・ベンツにおけるベストセラーSUVモデルであり、全世界での累計販売台数260万台を達成し、昨年でも35万台を販売した。2代目となる新型GLCは、伸びやかで美しいシルエットのなかに、スポーティかつ洗練された要素を取り入れたエクステリアを導入。リアルウッド・トリムを採用した質感の高いインテリアを併せ持つ、SUVモデルに生まれ変わっている。

新型GLCは、メルセデスのデザイン基本思想である「Sensual Purity(官能的純粋)」というデザインの基本思想を継承。ひと目でメルセデス・ベンツのSUVファミリーであることが分かるとともに、他のモデル同様、「Intelligence(知性)」と「Emotion(感情)」を感じさせるモデルとなった。その美しいスタイリングにより、メルセデス・ベンツ独自の現代的なラグジュアリーを生み出している。

伸びやかでスポーティなシルエット

全幅は1890mmに留めながら、先代モデルと比較してホイールベースを15mm/全長を50mm伸長したことで、伸びやかでスポーティなシルエットを実現した。
全幅は1890mmに留めながら、先代モデルと比較してホイールベースを15mm/全長を50mm伸長したことで、伸びやかでスポーティなシルエットを実現した。

先代モデルと比較してホイールベースを15mm、全長を50mm伸長したことで、伸びやかでスポーティなシルエットを手に入れた。全幅は先代モデルと同じ1890mmに留められている。

標準仕様ではフロントグリル周囲を縁取るクロームトリムとアンダーガード調ワイドクロームトリムにより、フロントマスクを上質かつスタイリッシュに仕上げた。AMGラインでは、斬新なスターパターングリルを採用。立体的に配されたスリーポインテッドスターが先進的な表情を生み出し、大胆な開口部を備えたアグレッシブなフロントバンパーとともに、精悍なフロントマスクを形成している。また、フロントグリルと連続したスリムなヘッドライトや、より精悍さを増した最新デザインのフロントバンパーがワイド感を強調。圧倒的な存在感を与え、GLCの独特なプロポーションを強調している。

サイドセクションも「Sensual Purity(官能的純粋)」に基づき、ラインやエッジを大幅に削減。曲線を描く彫刻的な面により陰影を生み出している。これによりプロポーションが強調されるとともに、逞しいホイールアーチにアクセントが与えられた。Dピラーに向けて緩やかに上昇するウインドウラインは、スタイリングにスポーティな躍動感を与えている。

伸びやかなデザインによる優れた空力性能

エッジを排した滑らかなデザインを採用したことで、力強く表情豊かなボディデザインを実現。さらに、Cd値0.29と、優れた空力性能も手にしている。
エッジを排した滑らかなデザインを採用したことで、力強く表情豊かなボディデザインを実現。さらに、Cd値0.29と、優れた空力性能も手にしている。

ヘッドライト/リヤコンビネーションランプからそれぞれ伸びる前後のホイールアーチ上のライン、前後ドアパネル下部を貫くラインが、伸びやかなサイド曲面に絶妙なエッジを追加。力強く表情豊かなボディデザインを実現した。Cd値0.29という優れた数値を実現しており、高水準のエアロダイナミクスにより、省燃費性能も追求されている。

リヤセクションは、力強く張り出したフェンダーと水平基調のリヤバンパー、ツーピース構造で内部に立体感を持たせたスリムなリヤコンビネーションランプにより、ワイドかつシャープなデザインに。リヤバンパーにもクロームのアンダーガード風のデザインを採用。クロームトリムが左右エキゾーストエンドと一体化した力強い造形としたことで、GLCらしい個性をアピールしている。

ドライバーの視認性が向上したコクピット

ダッシュボードと縦型11.9インチメディアディスプレイを、6度ドライバー側に傾けたデザインを採用したことで、ドライバーの視認性が大幅に向上した。
ダッシュボードと縦型11.9インチメディアディスプレイを、6度ドライバー側に傾けたデザインを採用したことで、ドライバーの視認性が大幅に向上した。

コクピットのダッシュボードは、上下2分割デザインを採用。上部は翼のような形状に航空機エンジンのナセルを想わせる、丸みをおびた新デザインの角型エアベンチレーションを配置し、スポーティさを演出する。下部には大型インテリアトリムが広がり、標準仕様でもオプション選択時でも、リアルウッド・インテリアトリムを導入。このインテリアトリムは、センターコンソールからダッシュボードへと途切れなく続き、質感の高い室内空間を実現している。

ダッシュボードと縦型11.9インチメディアディスプレイは、6度ドライバー側に傾けた新デザインを採用。これによりドライバーの視認性が大きく向上した。運転席に備わる12.3インチ大型コクピットディスプレイは、自立型でダッシュボード上部と大きなインテリアトリムの手前に、浮かんでいるように配置されている。コクピットディスプレイとメディアディスプレイは3つのスタイル(ジェントル/スポーティ/クラシック)と、4つのモード(ナビゲーション/アシスタンス/サービス/オフロード)の中から選択し、自由にカスタマイズすることが可能となっている。

ダッシュボードの両端を囲むドアパネルは、シンプルでモダンなデザイン。ドアのセンターパネルはアームレストを一体化し、垂直面から水平方向に張り出している。アームレストの前部はセンターコンソールのデザインを反復するように、クロームがあしらわれた。ここはグラブハンドルとなるほか、ドアを閉めるときのグリップともなる部分であり、パワーウインドウ・スイッチが配置されている。

メルセデス・ベンツの最新世代ステアリングホイールも採用。ナビゲーションやインストルメントクラスター内の各種設定や、安全運転支援システムの設定を全て手元で完結できる機能性も搭載している。さらに、リムに静電容量式センサーを備えたパッドを採用。これにより、ステアリングホイールにかかるトルクがなくとも、ドライバーがステアリングホイールを握っていることを認識。ディスタンスアシスト・ディストロニックの使い勝手が大幅に向上した。

大容量が確保されたラゲッジルーム

ラゲッジルームはシートアレンジを変更することで、620~1680リットルを確保。さらにリヤシートのバックレストを約10度起こすことで、容量が約70~80リットル増加する。
ラゲッジルームはシートアレンジを変更することで、620~1680リットルを確保。さらにリヤシートのバックレストを約10度起こすことで、容量が約70~80リットル増加する。

ダイナミックなドライビング特性、サポート精度を高めた安全運転支援システム、縦型の大型メディアディスプレイを搭載。このメディアディスプレイにはMBUX全体の中から、走行に合わせて変化するコンテンツをユーザーのために取り出し、関連するサービスとともにMBUX情報アーキテクチャーに表示する「ゼロレイヤーデザイン」を採用し、直感的な操作設定が可能になった。

さらに、直感的な行先案内が可能な「ARナビゲーション」、片側130万画素を誇る「DIGITALライト」による効果的な夜間の視界確保、最小回転半径5.1mを実現する良好な取りまわしと優れたハンドリングを実現する「リヤ・アクスルステアリング」など、フラッグシップモデルであるSクラス譲りの最新技術を多数採用している。メディアディスプレイにクルマのフロント部分下方の路面の映像を映し出す「トランスペアレントボンネット」や、車両の傾き、路面の勾配等をディスプレイに表示する「オフロードスクリーン」を標準装備することで、オフロード性能の大幅な向上も図っている。

室内を彩る「アンビエントライト」も改良され、64色から選択可能。単色の発光に加えて、色の連続変化ができるようになった。乗車時には乗員を迎え入れる演出も設定されており、さらにエアコンディショナーの温度設定に連動して、ブルーやレッドに点灯する。

ラゲッジルームは620〜1680リットルと大容量を確保し、実用性が大幅に向上した。また、カーゴポジションを標準装備し、リヤシートのバックレストを約10度起こすことで、ラゲッジルームの容量が先代モデルと比較して約70〜80リットル増加する。ラゲッジルームカバーはフロア下に格納することが可能となっている。

高効率2.0リッター直4クリーンディーゼルターボを搭載

日本に導入される「GLC 220 d 4MATIC」には2.0リッター直列4気筒「OM654M」クリーンディーゼルターボを搭載。これにマイルドハイブリッドのISGが組み合わせられた。
日本に導入される「GLC 220 d 4MATIC」には2.0リッター直列4気筒「OM654M」クリーンディーゼルターボを搭載。これにマイルドハイブリッドのISGが組み合わせられた。

日本に導入される「GLC 220 d 4MATIC」には、エンジン単体で最高出力197PS(145kW)、最大トルク440Nmを発揮する、2.0リッター直列4気筒ターボ「OM654M」ディーゼルを搭載。エンジンとトランスミッション間にマイルドハイブリッドシステムの「ISG」を搭載し、短時間ではあるものの、最大で23PS、200Nmのブーストを加えることができる。高トルク、省燃費が売りのクリーンディーゼルエンジンに、電気による緻密なサポートを組み合わせたことで、さらにスムーズな加速感と、先代比で19%となる燃費の低減を実現した。

「OM654M」エンジンは、新型クランクシャフトの採用により、ストロークが94.3mm、排気量が1992ccに拡大。燃料噴射圧力を2700barに引き上げ、可変タービンを採用した水冷式ターボチャージャーにより、クイックなレスポンスと優れたパワー伝達を実現した。また、スチール製ピストンにナトリウム封入式冷却ダクトを内蔵することで、ピストンクラウンの温度ピークを効果的に低減している。

ギヤボックスは9速ATの「9G-TRONIC」を採用。1速から9速までの変速比幅が広く、エンジン回転数が大幅に低減されることから、優れたエネルギー効率と快適性を実現した。また、新型ではスイッチ操作ひとつでエンジンやトランスミッションの特性を切り替える「DYNAMIC SELECT」の中に、「OFFROAD」モードを追加。「OFFROAD」モードでは、トランスミッションがオフロード走行用に切り替わり、雪道や悪路での走破性が向上する。また、「DSR(ダウンヒル・スピード・レギュレーション)」も備えており、急な下り坂での安定した走行をサポートする。

オフロード走行をサポートする様々な機能

「DYNAMIC SELECT」の「OFFROAD」モードでは、360°カメラシステムによる「トランスペアレントボンネット」機能を使用することができる。これは、メディアディスプレイにクルマのフロント部分下方の路面の映像(フロントタイヤとその操舵方向を含む)を仮想的に映し出す機能であり、進路上にある大きな石や深い窪みなどの障害をいち早く確認することができる。

新開発の「オフロードスクリーン」は、コックピットディスプレイとメディアディスプレイに、情報や操作スイッチ類、様々な機能を分かりやすく配置する機能。コックピットディスプレイには、車両の傾き、路面の勾配、標高、経度緯度、コンパスのほか、車速、エンジン回転数が表示される。

これに加えて、メディアディスプレイには、周辺地形における現在の姿勢やフロントホイールの操舵角、リヤホイールの操舵方向(リヤ・アクスルステアリング搭載車両)などを表示。これにより、オフロード走行に関連するすべての運転機能をひとつの画面で簡単に操作することが可能になった。

他にも2023年に2モデルのSUV発表を予定しており、まだまだSUVの人気は続きそうだ。

車両本体価格(税込)

GLC 220 d 4MATIC(ISG搭載モデル):820万円

【問い合わせ】
メルセデス・コール
TEL0120-190-610

【関連リンク】
・メルセデス・ベンツ 公式サイト

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ゲンロクWeb編集部

スーパーカー&ラグジュアリーマガジン『GENROQ』のウェブ版ということで、本誌の流れを汲みつつも、若干…