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Mercedes-Maybach EQS 680 SUV
マイバッハ初のフル電動量産モデル
メルセデス・マイバッハEQS 680 SUVは、伝説的なラグジュアリーブランド「マイバッハ」初のフル電動量産モデルとしてデビューを飾った。メルセデス EQS SUVをベースに、マイバッハらしいエクスクルーシブな内外装や、ラグジュアリーな装備を採用。「良いものは、美しくなければならない」という、カール・マイバッハの信念を体現した1台だと言えるだろう。
エクステリアは、大型ブラックパネルに縦型フィンを備えたマイバッハ専用グリルを備え、ボンネットに独立したメルセデス・ベンツのスリーポインテッド・スターを配置した。オプションのツートンカラーペイントも、メルセデス・マイバッハ専用となる。
搭載される2モーター電動ドライブトレインは、最高出力658PS(484kW)、最大トルク950Nmを発揮し、4輪を駆動。0-100 km/h加速は4.4秒、最高速度は210km/h、最大航続距離は600kmに設定されている。メルセデス・ベンツ・グループのオラ・ケレニウス会長は、メルセデス・マイバッハEQS SUVについて、次のようにコメントした。
「メルセデス・マイバッハのお客様は常に非凡な存在を求めています。そして、私たちはその高い期待を上回るクルマをお届けすることを目標としています」
「メルセデス・マイバッハ EQS SUVは、デジタルとフル電動モデルの世界で自動車業界をリードするという私たちの野心と、ラグジュアリーセグメントへの強い関与を一体化しています。メルセデス・マイバッハ初のフル電動モデルは、メルセデス・ベンツが持つ最高のテクノロジーに、メルセデス・マイバッハだけが持つ特別な快適性と専用ディテールを組み合わせたのです」
スリーポインテッド・スターをボンネットに配置
メルセデス・ベンツを象徴するスリーポインテッド・スターは、グリルからボンネットへと移動し、より高級車らしいステータスを際立たせたエクステリアを演出する。メルセデス・マイバッハらしいシックな大型ブラックパネルには、クロームメッキを施した縦型トリムストリップを配したグリルを装着。レーダーセンサー用ハイテクエレメントはグリルへ違和感なく統合された。
バンパーのエアインテークには、クロームメッキが施されたフィリグリー(細金細工)スラットを採用。クラシカルな「MAYBACH」の文字は、クロームメッキの装飾ストリップに組み込まれており、標準装備のデジタル・ヘッドライトユニットとシームレスに一体化されている。
フロントウィンドウの三角窓にはさりげなく「EQS」の文字が入れられた。サイドウィンドウには大胆でゴージャスなクロームサラウンド、Bピラーにクロームメッキトリムを装着。Dピラーにはマイバッハエンブレムを配し、特別なモデルであることを強調する。足元には21インチ/22インチのマイバッハ専用アロイホイールが奢られた。
テールライトも専用デザインと専用アニメーションを採用。テールゲート、リヤエプロン、スポイラーリップにはクローム・トリムエレメントが施され、ここにも「MAYBACH」のレタリングが入れられた。
持続可能性を持ったマテリアルを採用
インテリアは、持続可能性にこだわった天然素材を採用し、ハイテク装備とのスタイリッシュなコントラストを生み出している。標準装備となるのは、暖色系の「エスプレッソ・ブラウン/バラオブラウン・パール」のマイバッハ専用ナッパレザー。オプションで「マキアート・ベージュ/ブロンズブラウン・パール」や「クリスタル・ホワイト/シルバーグレー・パール(写真)」も選ぶことができる。
すべての内装に使用されているマテリアルは、メルセデス初採用となる「植物タンニンなめし革」など、持続可能性をふまえて調達。メルセデスは、レザーのサプライチェーンに対して違法な森林伐採を行っていないことを求めている。
室内の各部にはマイバッハのエンブレムが、デザインエレメントとして各所に配置された。ステンレススチール製ペダルシステム、ヘッドレスト・クッション、フロントシート・バックレスト、リヤフットウェル、リヤシート間のウッドトリム、テールゲートの内張りなどに、マイバッハのエンブレムがさりげなく入れられている。
最新インフォテインメントシステムを搭載
フロントシートには、3つのディスプレイすべてにメルセデス・マイバッハ専用スタートアップアニメーションを備えた「MBUX ハイパースクリーン」が標準装備された。
ディスプレイの表示はエレガントなディープブルーを基調とし、マイバッハEQS SUV専用デザインを採用。インストゥルメントクラスターには、専用アニメーションを含む「MAYBACH」モードが導入された。この専用モードでは、速度やドライビングに応じて、風に乗って優雅に動くシルクスカーフのような画面ポインターを採用。選択時には数字の大きさも変化し、ダイナミックにフェードイン&フェードアウトする。デジタル表示される計器類の周囲はローズゴールドで統一された。
センターディスプレイにはナビゲーションマップを主に表示。ドライバーはアプリケーションを変更することなく、多くの操作をこのディスプレイを介して行うことができる。運転状況に合わせて、システムはインタラクティブに反応し、クルマ側から様々な提案も行ってくれるという。
フロントシートの背面には2基の11.6インチ・ディスプレイを配置。リヤパッセンジャーも様々なインフォテインメント機能を楽しむことができる。標準装備の「MBUX ハイエンド・リヤシート・エンターテインメント」を介して、リヤシートからナビゲーション操作を行うことも可能だ。さらに車外でも使用できる「MBUXリヤタブレット」や「MBUXインテリアアシスト」も標準装備する。
「繭」のような包まれ感を持つリヤシート
リヤシートは、極上のマテリアル、完璧なクラフトマンシップ、マイバッハ専用ディテールが組み合わせられており、パッセンジャーの五感を満たし、まるで“繭”に包まれたような心地よい空間を実現した。標準装備のエグゼクティブシートには、ベンチレーション、マッサージ機能、ネック&ショルダーヒーターが採用されている。
オプションとして、ふくらはぎマッサージ機能や、「ショーファー・パッケージ」も用意。ショーファー・パッケージは、右リヤシートのパッセンジャーがリクライニングポジションを選択すると同時に助手席が自動的に前方へと移動し、ショーファーポジションに変更される。
新たに導入された「ファーストクラス・リヤ」は、ウッドトリムを備えたフロントセンターコンソールが、リヤシートまでシームレスに続く。センターコンソールにはマイバッハ・エンブレムをフロアに投影するプロジェクターを新たに装備。メルセデス・マイバッハ Sクラスと同様、ふたつの温度調整付きカップホルダーと「MBUX」リヤタブレット用シェルフを備えている。
リヤシートには4基の急速充電USB-Cポートと、2基のHDMIインターフェースを装備。パッセンジャーが自身のデジタル機器を簡単に接続すること可能。センターコンソールに2基の折りたたみ式テーブル、冷蔵庫、銀メッキ製シャンパンゴブレットも搭載することが可能だ。