RENAULT Lutecia E-Tech Full Hybrid

ルーテシア・メディア対抗燃費チャレンジの結末

5月号でレポートしたルノー・ルーテシアE-TECHフルハイブリッドの燃費チャレンジ。何のこと？ という方のために説明すると、横浜から松山まで約800kmの行程をルーテシア・ハイブリッドで走行し、その平均燃費を争うというイベントをルノー・ジャポンが開催したのである。メディア対抗ということもあり、我々自動車メディアの人間は冷静を装いながらも「絶対勝つ！」という熱い思いで挑んだ。何しろ優勝賞品はフランス旅行！ いや本当はルノー本社への取材招待なのだが、パリに行けることには違いない。

GENROQからは永田とWeb編集長の吉岡が参加し、3.0リッター/100km（33.3km/リッター）という結果を出した。その後さまざまな筋から他メディアの状況を探った結果、3.1リッター/100kmを出したメディアはいくつか確認できたが、3.0リッター/100km以上という数字はどこからも聞こえてこなかった。これは、ひょっとしてもしかして、いけるんじゃね？ 他メディアから参加した吉田拓生さんも「3.0リッターなら優勝でしょ！」と太鼓判を押してくれる。ああ、全神経を集中して徹夜で走った甲斐があった！ 最終結果が発表されるのは4月12日。すっかり浮かれ気分になったオレは仕事も上の空、もはや東京タワーがエッフェル塔に見えてくる始末であった。

そしていよいよ運命の4月12日。発表のセレモニーが始まる中、優勝の挨拶を一所懸命考えているオレの耳に、今回の参加メディアが全部で24チームだという声が聞こえてきた。う〜む、意外と多いな。これはどんな伏兵がいるかもわからない。いや、きっと大丈夫。とあれこれ考えている間に順位の発表は進む。車載燃費計の表示がコンマ一桁までなので燃費は同じというチームが多い。その場合は所要時間が短い方が勝ちというルールだ。

チームGENROQ、惜しくも2位！

10位から4位まではすべて3.1リッター/100kmというハイレベルな争い。我々はこの時点でベスト3内が確定した。そして3位はWEB CARTOP、燃費は何と3.0リッター/100km！ やはりいた！ 同じ数字が！ 所要時間は14時間50分で、我々はタイムでかろうじて上回った、ということになる。これはやばい。あと1チームはどこだ？ そこは3.0リッター/100kmなのか、するとタイムは!? まさか2.9リッター/100km出したのか？ こんな短時間にいろいろ考えたのは生まれて初めて、というくらいのパニック状態の中、スクリーンには「第2位 GENROQ」という文字が映し出された。その瞬間、オレは膝から崩れ落ちたのだった。

それから後のことはよく覚えていないが、優勝はCliccarで燃費はやはり3.0リッター/100km。しかし所要時間が我々より50分短かったことが勝敗を分けた。CliccarはGENROQと同じ三栄のWebメディア。Cliccarが参加していることさえ知らなかったオレは、飼い犬に手を噛まれたような気分で茫然自失。ようやく我を取り戻したあと、ルノー・ジャポンの内田さんに「準優勝はハワイですか？」と聞いたのだが、「いえ、何もありません」というクールな返事が返ってきただけであった。

吉岡の証言④

やはりというか、そんなに世の中甘くないのに、優勝したかのようにまわりに喧伝していた永田は、結果発表会で2位を知って膝から崩れ落ちた。はしゃいでいた分、落ち込み方もハンパない。あれから急に老け込んだようにも見えたが、今日も元気に出社している。先日とあるイベントでルノー・ジャポン内田さんが「永田さん、大丈夫？」と心配してくれていた。安心してください、永田は今日も元気です。……あー、悔しい。

REPORT／永田元輔（Gensuke NAGATA）
PHOTO／平野 陽（Akio HIRANO）、GENROQ
MAGAZINE／GENROQ 2023年6月号

Renault Lutecia 媒体対抗燃費チャレンジコンテスト 結果

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