目次
Radical SR1 XXR
LMPからインスパイアされた空力デバイス
2012年の発売以来、ラディカル・モータースポーツのエントリーモデルとして、SR1は多くのドライバーからの高い人気を得てきた。SR1はサーキット走行に特化した仕様のレーシングカーでありながら、2名乗車が可能。セミスリックタイヤを装着し、サーキット走行からレース参戦に向けたステップアップを狙うドライバーに最適なモデルだ。
SR1のデビューから11年、ラディカル・モータースポーツは、このモデルが出場できる国際レースシリーズを12へ拡大した。現在、英国、北米、カナダ、ルーマニア、韓国といった国々で「ラディカル・カップ(RADICAL CUP )」が開催されているが、今回、2023年2月からデリバリーが開始された「SR3 XXR」に続き、ラディカル・モータースポーツはSR1を「SR1 XXR」へとアップデートした。SR1 XXRは、使いやすさと耐久性に重点を置き、デザインとエンジニアリング面に大幅な改良が施された。
ラディカル・モータースポーツにおいてR&D担当責任者を務めるジェイムズ・ピンカートンは、SR1 XXRの進化について次のように説明する。彼は自身もレーシングドライバーとして活躍した経験を持つ。
「ラディカル SR1は私にとって特別な存在です。レースキャリアのステップアップを目指すドライバーにとって、SR1がいかに親しみやすいレーシングカーなのか、身をもって体験してきました。第5世代RPEエンジンの開発にあたっては、SR1のユーザーフレンドリーな特徴を踏襲しつつ、そのポテンシャルを最大限に引き出すことを目指しています」
「SR1 XXRは、エントリーレベルのレーシングカーでありながら、プロが運営するレースシリーズでグリッドに立つことができる、圧倒的なコストパフォーマンスを持っています。現在、世界12カ所で開催されているラディカル・カップでは、SR1とSR3がグリッドの大半を占めています。そして、これまでに200台以上のSR1が販売されています。SR1 XXRは、世界中のラディカル・カップのPRO SR1クラスにも参戦することができます」
効率性と信頼性が進化した第5世代RPE
耐久レースに参戦するLMPマシンからインスパイアされたエアロダイナミクスは、フロントセンター部にフィン形状を導入。リヤミッドに搭載される「ラディカル・パフォーマンス・エンジン(RPE)」は、効率、信頼性、長寿命を重視。今回、ジェネレーション5へと進化した1340cc直列4気筒16バルブユニットは、エンジンの推奨オーバーホール期間が25%も延長された。電子制御式ドライブ・バイ・ワイヤを導入し、使いやすさと効率性を第一に考えて最適化されている。
ウォームアップ時間の短縮とサーマルマネージメント(熱管理)の改善により、より速く、より強く、より長くラップすることが可能に。また、オイル交換間隔も6時間から10時間に延長され、ドライブバイワイヤ・インダクション・システムも新たに導入されている。
コネクティングロッド、クランクシャフトピン、イグニッションシステムの軽量化を実施。耐久性を損なうことなく、エンジンレスポンスとドライバビリティが向上。その他、ギヤボックスに外付けギヤポジションセンサーを追加、給油システムのフローを改善した新しいスカベンジポンプなど、様々な改良が加えられた。同時に、エンジンとギヤボックスのキャリブレーションは完全に見直されている。
アップデートされたSR1 XXRは、20カ国以上で展開されているラディカル・モータースポーツのグローバルディーラーネットワークを通じて受注を開始。2023年夏以降に生産が開始される予定だ。