BセグメントSUV「プジョー 2008」改良新型がデビュー

コンパクトSUV「プジョー 2008」がフェイスリフトを実施「BEV仕様の航続距離は400kmオーバー」【動画】

ヨーロッパで高い人気を続けるプジョー 2008が内外装をアップデート。BEVの「e-2008」は最新世代の電動パワートレインが搭載された。
ヨーロッパで高い人気を続けるプジョー 2008が内外装をアップデート。BEVの「e-2008」は最新世代の電動パワートレインが搭載された。
プジョーのBセグメントSUV「2008」の改良新型がデビューした。今回のフェイスリフトでは、よりSUVらしさを強調したエクステリアにアップデート。インテリアの「i-Cockpit」には、10インチ大型高精細ディスプレイが採用された。また、フル電動モデル「e-2008」 は、航続距離が406kmに延びている。

PEUGEOT 2008

欧州屈指の人気を誇るコンパクトSUV

内外装をアップデートした「プジョー 2008」改良新型のエクステリア。
2019年末のデビュー以来、BセグメントSUVで高い人気を集めてきたプジョー 2008。その商品力をさらに高めるべく、内外装がアップデートされた。

プジョー 2008は、2019年末の投入以来、約70万台生産され、ヨーロッパにおけるBセグメントSUVの販売台数で常にトップ3圏内をキープするなど、2021年には年間販売台数トップにも輝いた人気車種である。また、BEVコンパクトSUV「e-2008」も、7万5000台以上がデリバリーされるなど電動モデルも好調である。

2008改良新型は、内外装がアップデートされ、最高出力158PSを発揮するフル電動パワートレインを含む4種類のパワーユニットをラインナップ。「ACTIVE」「ALLURE」「GT」という3つの仕様が用意された。スペインのビーゴ工場で生産され、2023年夏から欧州での販売がスタートする。また、2024年には新たに48Vマイルドハイブリッド・モデルも投入される予定だ。

プジョーのデザインディレクターを務めるマティアス・ホッサンは、2008の改良新型について次のようにコメントした。

「プジョー 2008改良新型は、そのテクノロジーとアイデンティティをさらに強化しました。今回のデザイン変更の注目点は、プジョーの最新デザインを象徴する“3本爪”のシグネチャーを強調したフロントセクションです。あらゆる市場で高い評価を得た筋肉質なフォルムを強化し、さらに高級志向を高めました」

“3本爪”ライトシグネチャーを採用

「508 サルーン/508SW」に続き、プジョーの最新デザイン要素である、3本の縦長ライトクローがフロントセクションに採用された。
「508 サルーン/508SW」に続き、プジョーの最新デザイン要素である、3本の縦長ライトクローがフロントセクションに採用された。

エクステリアには「508 サルーン/508SW」に続き、プジョーの最新シグネチャーライトを導入。すべての仕様が“3本爪”ライトシグネチャーを採用しており、グロスブラックのバンパーインサートと一体化した3本の縦長ライトクローがSUVらしいマッシブなエクステリアを強調する。「GT」仕様はフルLEDヘッドランプ点灯時に、“3本爪”をアピールする専用ライトモーションも導入された。

大型グリルには最新「PEUGEOT」エンブレムを配置。「ACTIVE」仕様は、フロントセクションにグロスブラックカラーの横方向のパターンを採用、「ALLURE」と「GT」仕様はボディワークと同色の垂直パターンが組み合わせられる。リヤセクションは、LEDテールライトの“3本爪”デザインも一新。2本のスラットを3つ重ね合わせ、繊細かつエレガントな印象に加えてワイド感も手にした。

ボディカラーは、新色としてモダンな「セレニウム・グレー(Selenium Grey)」、グレーのハイライトが加えられた「オケナイト・ホワイト(Okenite White)」を追加。従来からの「アーテンス・グレー」「ブラック・ペルラ・ネーラ」「エリクサー・レッド」「ヴァーティゴ・ブルー」と合わせて、6色から選ぶことができる。また、「GT」仕様では「ブラック・バイトーン・ルーフ」が標準装備される。

10インチ・センタータッチスクリーンを標準装備

内外装をアップデートした「プジョー 2008」改良新型のインテリア。
インスツルメントパネルには、「PEUGEOT i-Connect」をはじめとする様々な操作を行う10インチ・センタータッチスクリーンを標準装備する。

プジョーが誇るコクピットシステム「PEUGEOT i-Cockpit」は、人間工学とドライビングプレジャーを最適化すべく、最新世代にアップデート。インストゥルメントクラスターは「ALLURE」と「GT」仕様がデジタルメーター、「ACTIVE」仕様はこれまで通りアナログメーターとなる。10インチ・デジタルディスプレイは新デザインとなり、「GT」仕様では3D表示にも対応する。

全車に10インチ・センタータッチスクリーンを標準装備(従来は7インチ)。この最新タッチスクリーンは、ラジオや電話機能、「PEUGEOT i-Connect」と「PEUGEOT i-Connect Advanced」インフォテインメントシステムの操作を行うことができる。センタースクリーンの下にはメイン機能へと素早くアクセス可能なピアノキーが配されている。

コンパクトなステアリングホイールのセンターには、プジョーの新ロゴを配置した。マルチメディアシステム(オーディオ/電話)のコントロール、音量調整、ボイスコントロールを行うことが可能。6速MT仕様には、人間工学を改善した新デザインのシフトノブが採用された。

パワーと航続距離アップを果たした「e-2008」

内外装をアップデートした「プジョー 2008」改良新型のエクステリア。
フル電動モデルの「e-2008」には、e-208とe-308に続き、最高出力158PSを発揮する最新仕様の電動パワートレインを搭載。バッテリー容量も増加し、後続距離は406kmに伸びている。

フル電動モデルの「e-2008」は、e-208とe-308に続き、電動パワートレインを最新仕様にアップデートした。最高出力は137PS(100kW)から158PS(115kW)へと15%向上し、バッテリーは50kWhから54kWhへと容量を増加。また、効率化を進めたことで、最大航続距離は従来の345kmから406kmまで伸びている。

e-2008の車載充電器はあらゆる充電施設や充電機器に対応できるよう、単相7.4kWを標準装備し、オプションで三相11kWが用意された。20%から80%までの充電時間は公共の充電ポイント(100kW)で約30分、ウォールボックス(7.4kW)で4時間40分、強化ソケット(3.2kW)で11時間10分となっている。

内燃機関モデルは、従来通り1.2リッター直列3気筒ガソリンの「PureTech 100(最高出力101PS)」と「PureTech 130(最高出力131PS)」、1.5リッター直列4気筒ディーゼルは「BlueHDi 130(最高出力131PS)」をラインナップする。

また、2024年初頭には、最高出力137PSの「PureTech」ガソリンエンジンと、電気モーターを組み合わせた48Vマイルドハイブリッド・パワートレインが導入される。回生システムにより電力を充電し、低速域でのトルクアップと最大15%の低燃費を実現。都市部においては、50%以上をフル電動モードでカバーすることが可能となる。

プジョー 2008改良新型を動画でチェック!

上からプジョー 2008、フォルクスワーゲン T-Cross、ルノー キャプチャー、欧州BセグメントSUV3台。サイズはいずれも全長4m少々とコンパクト。最も大きいのは2008で、最もコンパクトなのはT-Cross。ホイールベースがもっとも長いのはキャプチャーとなる。

「プジョー2008」「フォルクスワーゲンT-Cross」「ルノー キャプチャー」3台の人気欧州コンパクトSUVを比較

ヨーロッパのコンパクトハッチバック市場で火花を散らしてきたBセグメントモデル。代表格といえばフォルクスワーゲン・ポロ、プジョー208、ルノー・ルーテシア……というのは、もはや過去の話になりつつあるのかもしれない。Bセグメントの覇者をめぐる争いは、フォルクスワーゲンT-Cross、プジョー2008、ルノー・キャプチャーといったコンパクトSUVへと移りつつあるのだ。

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ゲンロクWeb編集部

スーパーカー&ラグジュアリーマガジン『GENROQ』のウェブ版ということで、本誌の流れを汲みつつも、若干…