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Porsche 718 Spyder RS
911 GT3と同じ自然吸気ボクサー6を搭載
ボクスター コンセプトの公開から30年が経過した2023年、ポルシェは高い人気を誇るミッドエンジンロードスターの最強バージョン「718 スパイダー RS」を発表した。日本市場にも最高のドライビングプレジャーを提供するオープンエアスポーツカーとして投入する。
718 スパイダー RSは、718ケイマンGT4 RSと、対をなすオープントップモデルとなり、911 GT3に搭載されている最高出力368kW(500PS)の水平対抗6気筒自然吸気エンジを搭載。このハイパフォーマンスユニットが、オープントップのミッドエンジンスポーツカーに採用されるのは、今回が初となる。同じ高回転型軽量パワーユニットはレーシングカーの「911 GT3 カップ」にも搭載されている。
718 スパイダー RSの超軽量ソフトトップルーフは、純粋性を愛するファンのためにあえて手動式を採用。これにより刺激的なエンジンサウンドが、一段と魅力的にドライバーの耳へと届くことになった。この“サウンド”に関する効果は、標準装備される軽量ステンレススチール製スポーツエキゾーストシステムと、ヘッドレスト背後の両サイドに設けられた「プロセスエアインレット」によって、一層高めらている。
ポルシェのGTカー部門責任者を務めるアンドレアス・プロイニンガーは、718 スパイダー RSについて次のようにコメントした。
「718 スパイダー RSは、オープントップでのドライビングプレジャーを新たな次元へと引き上げます。ポルシェのGT3用エンジン、クロスレシオのトランスミッション、コンパクトなサイズ、軽量化、ワインディング向けに最適化されたサスペンション、最高の開放感。これらにより非常に魅力的で純粋なドライビング体験が得られるでしょう」
最高出力500PS、最大トルク450Nmを発揮
718 スパイダー RSはパワートレインを718 ケイマン GT4 RS クーペと共有。4.0リッター水平対向6気筒自然吸気エンジンは、最高回転数9000rpm、最高出力368kW(500PS)、最大トルク450Nmを発揮する。
718スパイダーと比較すると、最高出力が59kW(80PS)も増加。このボクサー6にクロスレシオの7速PDKトランスミッションを組み合わせることで、0-100km/h加速は3.4秒、0-200km/h加速は10.9秒を実現した。0-100km/h加速は0.5秒も速くなり、最高速度も300km/hから308km/hへと向上している。
現行ラインアップのRSモデルと同様、新しい718 スパイダー RSも、ポルシェドッペルクップルング(PDK)仕様のみを展開。ギヤボックスは、7つのギアを驚愕のスピードで変速し、最高のパフォーマンスを発揮する。パドルシフトも標準搭載されており、手動でシフトチェンジする場合もステアリングホイールから手を離さずに操作が可能だ。
エンジンのパワーアップに加え、大幅な軽量化もパフォーマンスの向上に貢献。718 スパイダー RSの車両重量は1410kgで、PDK搭載の718スパイダーより40kg軽く、クローズドモデルの718ケイマンGT4 RSと比較してても5kgも軽い。
バランスの取れたエアロダイナミクス
718 スパイダー RSのフロントセクションは、718ケイマンGT4 RSとほぼ同じデザインを採用した。CFRP製フロントボンネットを標準装備し、バンパー上部に大型エアアウトレットを装備。2基のNACAダクトはCd値を悪化させることなく、ブレーキの冷却効果を高める効果が与えられている。
バンパー外端のサイドブレードにより、ダウンフォースレベルを増加。フロントスポイラーリップは、718ケイマン GT4 RSよりもわずかに短い仕様が採用された。718 スパイダー RSは大型リヤウィングの代わりに、ダックテール形状のティアオフエッジを装着。
すべての空力コンポーネントが複雑に連動しており、エアロダイナミクスバランスを維持しながら高速走行時の安定性を最大限に高める効果が与えられている。
あえて採用された手動式ソフトトップ
718 スパイダー RSは、手動操作式シングルレイヤー軽量ソフトトップを装備。デザインはコンパクトで、サンセイルとウェザーディフレクターというふたつのコンポーネントで構成されている。どちらも完全に取り外し可能で、ふたつ一緒に、または片方だけを車内に収納することも可能だ。
サンセイルはドライバーとパッセンジャーを強い日差しから守るため、単独で「ビミニトップ」として使用することも可能。この場合、パッセンジャーコンパートメントは側面と背後が大きく開いた状態となる。これにウェザーディフレクターを組み合わせ、サイドウインドウを開けた場合に、雨を効果的に防ぐことができる「コンプリートトップ」となる。
機械パーツを含むルーフ全体の重量はわずか18.3kg。これは718 スパイダーよりも7.6kg軽く、718 ボクスターと比較すると16.5kgも軽くなっている。晴天時にソフトトップを完全に取り外すことで、さらに8kgの軽量化も可能になる。
30mmローダウン化されたサスペンション
718 スパイダー RSのシャシーには、718 ケイマン GT4 RSと718 スパイダーのコンポーネントを採用し、特にワインディングロードで最高のドライビングプレジャーが得られるように設計された。スポーツチューニングを施した「ポルシェ・アクティブ・サスペンション・マネージメントシステム(PASM)」を標準装備し、車高はベースから30mmローダウン化された。
この他にも機械式リミテッド・スリップ・ディファレンシャル(LSD)を備えた「ポルシェ・トルク・ベクタリング(PTV)」、ボールジョイント式サスペンションベアリング、20インチ鍛造アルミホイールを採用。シャシーの鋭い挙動は非常に高いステアリング精度と、きわめてニュートラルなハンドリングにより実現した。
車高、キャンバー、トレッド、スタビライザーのすべてを個別調整可能。718 ケイマン GT4 RSと比較すると、スプリングレートとダンパーレートを低くしたことで、よりリラックスしたドライブも楽しめる、コンバーチブル専用のセットアップとなっている。
パフォーマンス重視のコクピット
コクピットもスポーティなキャラクターが特徴となり、インテリアは機能的にも人間工学的にも不可欠な要素のみが残された。グリップの効いた「RSスポーツステアリングホイールは」は、12時位置にイエローのマークを配置。標準装備のフルバケットシートはカーボン地の軽量CFRP製となり、特に優れたサイドサポートを発揮する。
シートカバーはブラックレザー製。パーフォレーション加工を施した「Race-Tex」シートセンターは、ブラックを背景としたコントラストカラー(アークティックグレー/カーマインレッド)がチョイスされた。ヘッドレストにはコントラストカラーで「Spyder RS」のロゴが刺繍で入れられた。
ダッシュボードとトリムはレザー仕上げ。ボディカラーは、新色の「バナジウムグレーメタリック」をはじめ、スペシャルカラーの「アークティックグレー」「シャークブルー」「ルビースターネオ」など、4色のソリッドカラーと3色のメタリックカラーが用意されている。
ポルシェデザイン製クロノグラフ
718 スパイダー RSには、オプションで「ヴァイザッハ・パッケージ」も用意。オプションの軽量・鍛造マグネシウムホイールは、パフォーマンス重視の装備パッケージと組み合わせてオーダーすることが可能だ。パッケージに含まれるチタン製スポーツエキゾーストシステムは、2018年に限定モデルとして公開された「935」のテールパイプのデザインからインスピレーションを得ている。
また、718 スパイダー RSのオーナーのみが購入できるポルシェデザイン製クロノグラフも登場した。スイス・ゾロトゥルンにあるポルシェ時計工房で製造された高品質リストウォッチとなり、車両デザインや技術的ディテールとも連動。ケースはチタン製、文字盤はカーボン製、ストラップはインテリアと同素材のレザー製となる。また、裏蓋は718 スパイダー RSのホイールリムのデザインが採用された。
車両本体価格(税込)
718 スパイダーRS(7速PDK):2024万円
【問い合わせ】
ポルシェ コンタクト
TEL:0120-846-911
【関連リンク】
・ポルシェ ジャパン公式ウェブサイト