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Ferrari 296 GT3
予選レースでの好調を維持した296 GT3 30号車
4月に行われたニュルブルクリンク24時間の予選レースを制したフリカデッリ・レーシングのフェラーリ296 GT3 30号車は、ノルドシュライフェとGPコースを組み合わせた、全長25.378kmの世界地過酷な舞台に挑んだ。
5月20日16時、23万5000人の観客が見守るなか、今年で51回目を迎える「ニュルブルクリンク24時間」決勝レースがスタート。フェラーリ296 GT3 30号車は常に首位争いを展開する。
レース序盤、296 GT3 30号車はパンクによりボディワークとリヤエクストラクターにダメージを受けたものの、緊急ピットイン後にメカニックが記録的なスピードで修復を完了。結果的に24時間の長丁場でこれが唯一のトラブルとなった。296 GT3はライバルのGT3勢よりも整備性に優れた特性を活かし、順調にラップを重ねていく。
3台のフェラーリ296 GT3全車が完走
20回目のピットストップを終え、最終スティントを任されたデイビッド・ピタードは、2位にローヴェ・レーシングのBMW M4 GT3 98号車(マキシム・マルタン/シェルドン・ファン・デル・リンデ/ドリス・ヴァントール/マルコ・ヴィットマン)に26秒のリードを持ってフィニッシュ。フェラーリにとっては、ニュルブルクリンク24時間レース初制覇、さらに従来の最多ラップ記録を更新する162周を走破した。
3位にはチーム・ビルシュタインのメルセデスAMG GT3 4号車(ラファエル・マルチェッロ/フィリップ・エリス/ルカ・シュトルツ)、4位にはチーム・ゲットスピードのメルセデスAMG GT3 2号車(アダム・クリストドーロウ/マクシミリアン・ゲッツ/ファビアン・シーラー)が入っている。
ニューマシンの296 GT3で、GT3最高峰のレースを制したフェラーリ。GTレース部門のトップを務めるアントネッロ・コレッタは次のように喜びを語った。
「ニュルブルクリンク24時間レースにおいて、296GT3が勝利したことは、歴史的かつ悲願と言える素晴らしい成果です。あらためて心から嬉しく、そして誇りに思っています。ドイツ・メーカーが長年支配してきたこのレースで素晴らしいペースを披露したことは、私たちにとってこれ以上にないご褒美だと言えるでしょう。世界で最もチャレンジングなコースにおいて、3台すべてを完走させたことは296GT3プロジェクトの堅実性を物語っています」
24時間レース初挑戦のBMW M4 GT3が2位
優勝したフェラーリから26秒911差の2位でチェッカーを受けたのは、ローヴェ・レーシングのBMW M4 GT3 98号車 。優勝にこそ手が届かなかったものの、トップと同一周回でのフィニッシュであり、98号車もまた162周のラップ記録を達成した。
M4 GT3 98号車をドライブし、24時間の長丁場を戦い切ったドライバーのシェルドン・ファン・デル・リンデは次のようにコメントしている。
「大きなトラブルやアクシデントもなく、このレースを乗り切れただけでも、素晴らしいパフォーマンスだったと言えるでしょう。特に今回は夜間に多くのクラッシュがありましたが、私たちは巻き込まれることなる走行を続けることができました。ただ、優勝を狙うには少しペースが足りなかったかもしれません」
表彰台を争ったメルセデスAMGの2台
1分44秒311差の3位は、チーム・ビルシュタインのメルセデスAMG GT3 4号車が入った。さらにメルセデスAMGは、SP9プロ・アマ・クラスとSP-Xクラスも制している。総合3位を得たラファエル・マルチェッロは、次のようにレースを振り返った。
「できる限り最高の結果を得られたと考えています。残念ながら、今回のレースではコース上で私たちが最速とは言えませんでした。それでも我々は最大限の努力をし、4位に入ったチーム・ゲットスピードのメルセデスAMG GT3 2号車と素晴らしいバトルも楽しめました。優勝できなかったことは少し残念ですが、この結果には納得しています」
終盤まで4号車と表彰台を争ったチーム・ゲットスピードのメルセデスAMG GT3 2号車は、2分30秒811差の4位。アダム・クリストドーロウは、表彰台を得た4号車を讃えている。
「今回のレースはまさにジェットコースターのような展開でしたが、私たちは無傷で乗り切ることができましたね。表彰台まであと一歩でしたし、確かに4位は悔しいリザルトです。ただ、クラッシュも多く、チャレンジングなレースでしたから、4位は悪くない結果だと考えています。そして、表彰台に上がったチーム・ビルシュタインに心からの祝福を贈ります」