【ニュルブルクリンク24時間2023】フェラーリがGT3最高峰の耐久レース初制覇

「フェラーリ296 GT3」30号車がニュルブルクリンク24時間レースを制覇「最多周回数162ラップを走破」

初のニュルブルクリンク24時間レースに参戦したフェラーリ296 GT3が、2位に26秒911差秒差をつけて総合優勝を飾った。
初のニュルブルクリンク24時間レースに参戦したフェラーリ296 GT3が、2位に26秒911差秒差をつけて総合優勝を飾った。
5月20~21日、ドイツ・ニュルブルクリンク・サーキットを舞台に「ニュルブルクリンク24時間レース」の決勝が開催され、フリカデッリ・レーシングのフェラーリ296 GT3 30号車(アール・バンバー/ニッキー・キャッツバーグ/デイビッド・ピタード/フェリペ・フェルナンデス)が、SP9プロ・クラス/総合優勝を飾った。

Ferrari 296 GT3

予選レースでの好調を維持した296 GT3 30号車

5月20日16時にスタートした決勝レース、4月の予選レースを制したフリカデッリ・レーシングのフェラーリ296 GT3 30号車が順調にラップを重ねていく。
5月20日16時にスタートした決勝レース、4月の予選レースを制したフリカデッリ・レーシングのフェラーリ296 GT3 30号車が順調にラップを重ねていく。

4月に行われたニュルブルクリンク24時間の予選レースを制したフリカデッリ・レーシングのフェラーリ296 GT3 30号車は、ノルドシュライフェとGPコースを組み合わせた、全長25.378kmの世界地過酷な舞台に挑んだ。

5月20日16時、23万5000人の観客が見守るなか、今年で51回目を迎える「ニュルブルクリンク24時間」決勝レースがスタート。フェラーリ296 GT3 30号車は常に首位争いを展開する。

レース序盤、296 GT3 30号車はパンクによりボディワークとリヤエクストラクターにダメージを受けたものの、緊急ピットイン後にメカニックが記録的なスピードで修復を完了。結果的に24時間の長丁場でこれが唯一のトラブルとなった。296 GT3はライバルのGT3勢よりも整備性に優れた特性を活かし、順調にラップを重ねていく。

3台のフェラーリ296 GT3全車が完走

2023年シーズンから本格的に投入されたフェラーリの最新GT3マシン「296 GT3」は、初挑戦のニュル24時間で30号車が総合優勝しただけでなく、参戦した3台すべてが24時間を走り切った。
2023年シーズンから本格的に投入されたフェラーリの最新GT3マシン「296 GT3」は、初挑戦のニュル24時間で30号車が総合優勝しただけでなく、参戦した3台すべてが24時間を走り切った。

20回目のピットストップを終え、最終スティントを任されたデイビッド・ピタードは、2位にローヴェ・レーシングのBMW M4 GT3 98号車(マキシム・マルタン/シェルドン・ファン・デル・リンデ/ドリス・ヴァントール/マルコ・ヴィットマン)に26秒のリードを持ってフィニッシュ。フェラーリにとっては、ニュルブルクリンク24時間レース初制覇、さらに従来の最多ラップ記録を更新する162周を走破した。

3位にはチーム・ビルシュタインのメルセデスAMG GT3 4号車(ラファエル・マルチェッロ/フィリップ・エリス/ルカ・シュトルツ)、4位にはチーム・ゲットスピードのメルセデスAMG GT3 2号車(アダム・クリストドーロウ/マクシミリアン・ゲッツ/ファビアン・シーラー)が入っている。

ニューマシンの296 GT3で、GT3最高峰のレースを制したフェラーリ。GTレース部門のトップを務めるアントネッロ・コレッタは次のように喜びを語った。

「ニュルブルクリンク24時間レースにおいて、296GT3が勝利したことは、歴史的かつ悲願と言える素晴らしい成果です。あらためて心から嬉しく、そして誇りに思っています。ドイツ・メーカーが長年支配してきたこのレースで素晴らしいペースを披露したことは、私たちにとってこれ以上にないご褒美だと言えるでしょう。世界で最もチャレンジングなコースにおいて、3台すべてを完走させたことは296GT3プロジェクトの堅実性を物語っています」

24時間レース初挑戦のBMW M4 GT3が2位

初めて24時間レースに投入されたBMW M4 GT3は、ローヴェ・レーシングの98号車が、フェラーリに26秒差の2位でフィニッシュしている。
初めて24時間レースに投入されたBMW M4 GT3は、ローヴェ・レーシングの98号車が、フェラーリに26秒差の2位でフィニッシュしている。

優勝したフェラーリから26秒911差の2位でチェッカーを受けたのは、ローヴェ・レーシングのBMW M4 GT3 98号車 。優勝にこそ手が届かなかったものの、トップと同一周回でのフィニッシュであり、98号車もまた162周のラップ記録を達成した。

M4 GT3 98号車をドライブし、24時間の長丁場を戦い切ったドライバーのシェルドン・ファン・デル・リンデは次のようにコメントしている。

「大きなトラブルやアクシデントもなく、このレースを乗り切れただけでも、素晴らしいパフォーマンスだったと言えるでしょう。特に今回は夜間に多くのクラッシュがありましたが、私たちは巻き込まれることなる走行を続けることができました。ただ、優勝を狙うには少しペースが足りなかったかもしれません」

表彰台を争ったメルセデスAMGの2台

チーム・ビルシュタインとチーム・ゲットスピードのメルセデスAMG GT3が終盤まで3位を争い、チーム・ビルシュタインのメルセデスAMG GT3 4号車が3位表彰台を得た。
チーム・ビルシュタインとチーム・ゲットスピードのメルセデスAMG GT3が終盤まで3位を争い、チーム・ビルシュタインのメルセデスAMG GT3 4号車が3位表彰台を得た。

1分44秒311差の3位は、チーム・ビルシュタインのメルセデスAMG GT3 4号車が入った。さらにメルセデスAMGは、SP9プロ・アマ・クラスとSP-Xクラスも制している。総合3位を得たラファエル・マルチェッロは、次のようにレースを振り返った。

「できる限り最高の結果を得られたと考えています。残念ながら、今回のレースではコース上で私たちが最速とは言えませんでした。それでも我々は最大限の努力をし、4位に入ったチーム・ゲットスピードのメルセデスAMG GT3 2号車と素晴らしいバトルも楽しめました。優勝できなかったことは少し残念ですが、この結果には納得しています」

終盤まで4号車と表彰台を争ったチーム・ゲットスピードのメルセデスAMG GT3 2号車は、2分30秒811差の4位。アダム・クリストドーロウは、表彰台を得た4号車を讃えている。

「今回のレースはまさにジェットコースターのような展開でしたが、私たちは無傷で乗り切ることができましたね。表彰台まであと一歩でしたし、確かに4位は悔しいリザルトです。ただ、クラッシュも多く、チャレンジングなレースでしたから、4位は悪くない結果だと考えています。そして、表彰台に上がったチーム・ビルシュタインに心からの祝福を贈ります」

今年の注目は2台のニューマシン、ポルシェ 911 GT3 Rとフェラーリ 296 GT3だ。そしてランボルギーニ ウラカン GT3は今季にはパフォーマンスが向上したEvoIIとなる。これらをBMW M4 GT3やメルセデスAMG GT3が迎え撃つ。

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ゲンロクWeb編集部

スーパーカー&ラグジュアリーマガジン『GENROQ』のウェブ版ということで、本誌の流れを汲みつつも、若干…