2年目を迎えた「BMW & MINI Racing 2023」の真の狙い

BMW Group Japanによる公式レース「BMW & MINI Racing 2023」がもたらすモータースポーツを通じた“還元”とは?

日本屈指の人気ワンメイクレースシリーズ「BMW & MINI Racing」。
日本屈指の人気ワンメイクレースシリーズ「BMW & MINI Racing」。
2022年にスタートした、日本唯一のBMW Group Japanによる公式レース「BMW & MINI Racing」。常時20台以上のエントリーを集める、日本屈指の人気ワンメイクレースシリーズだ。今回、「BMW & MINI Racing」を統括する、BMW Group Japanのカスタマーサポート・ディビジョン ビジネス・ディベロップメント シニアマネージャーの巻波浩之(まきなみ・ひろゆき)氏に、BMWとしてレースシリーズを開催する意義を聞いた。

BMW & MINI Racing

レースからフィードバックされた技術

2023年、BMW Group Japanが日本国内において行うモータースポーツ活動は、カスタマー向けシリーズ「BMW & MINI Racing」の運営と、スーパーGT GT300クラスにM4 GT3で参戦する「BMW Team Studie × CSL」へのサポート。巻波氏は目の前の勝ち負けよりも、モータースポーツ活動を通じて、カスタマーエクスペリエンスを高め、いかに還元できるかを重視していると明かした。

「レース活動をきっかけとして、BMWのディーラーに、もっとお客様に来て頂きたいと考えています。BMW & MINI Racingに参戦しているM2 CSレーシングは、我々が車両を直接販売していますし、基本的にBMWの純正パーツを装着してレースを行なっています。この純正パーツの素晴らしさを知って頂きたいのです。レースで鍛えられたパーツを、ご自身の愛車にも装着できるのはBMWの強み。さらに、モータースポーツ活動からフィードバックされた技術として『テレサービス』もあります」

BMWの車両に搭載されている「テレサービス」は、車載通信機能を利用してメンテナンス時期やクルマの状態に関する情報を、登録されている「サービス・パートナー(ディーラー)」へと自動配信する機能となる。

「レースでは車両に何か問題が起こった時、無線でピットへとその状況を伝えます。車両の状態を理解した上で、必要なパーツを準備するからこそ、短い時間でコースへと戻せるわけです。それをお客様とディーラーの間に採り入れたのが『テレサービス』です。クルマの状態は通信を介してドイツへと送られ、ディーラーへとフィードバックされます。例えば、ブレーキパッドが減っていることをディーラーが事前に知ることができる。これにより、お客様が入庫したらすぐパーツを交換できるんです。愛車を数日間、預ける必要もなくなります。これこそ、モータースポーツ活動からお客様への“還元”だと言えるでしょう」

ディーラーが参戦しやすいレース

現在「BMW & MINI Racing」には、全国のBMWディーラーから4チームが参戦中だ。参戦に向けた気運は、さらに高まりつつあるという。

「ディーラーからの反応は想像以上に良くて、これからレースに出ようとしている会社もいくつかあります。ディーラーにはレーシングカーを置くスペースもありますし、整備のためのリフトなど作業環境も揃っている。そして、車両をメンテナンスするプロのメカニックもいるわけです。これ以上、レースに参戦しやすい環境が揃ったところはありませんよね」

「M2 CS レーシングは、市販車を扱っているメカニックの皆さんでも十分に整備ができるレーシングカーです。先ほども申し上げたように、BMW純正パーツを装着しています。メカニックの技術向上など人材育成も含めて、ディーラーの価値を上げることができる活動だと考えています」

過酷なレースにも耐える純正パーツ

ディーラーがレース活動を行うことで、これまでサーキット観戦経験のなかったお客様が、実際に現地へと足を運ぶ機会も増えつつある。

「富士スピードウェイで開催された第2ラウンドには、それぞれのディーラーがご招待したことで、350人を超えるお客様が来場しました。レース観戦だけでなく、サーキットを愛車で走行するパレードランや、ピット作業の見学も実施しています。プロドライバーではない一般の方がレースを走っていたり、過酷なレース環境において純正パーツを使っている様子を実際に見て頂くことができるのです。それこそお客さまご自身が『レースを走ってみたい』と思う可能性だってあります」

充実のホスピタリティを通じて

BMW & MINI Racingでは、各サーキットに専用ホスピタリティを設け、ドリンクを飲みながら実況と解説付きでレースを楽しむことができる。また、公式Youtubeチャンネルでは、予選から決勝レース1/レース2のすべてがライブ配信されている。

「誰もが楽しめるレースとして、BMW & MINI Racingにとってホスピタリティの充実はすごく重要です。レースにあまり興味のない方や、お子様も、サーキットに来てホスピタリティでゆっくりとくつろげます。様々なアクティビティも行っていますし、『また観に行きたいな』と思ったり、ディーラーを再び訪れるきっかけになって頂けたら嬉しいですね」

PHOTO/BMR

BMW & MINI Racing 2023開催スケジュール

レース日程開催地
ROUND 1[Race 1/Race2]予選・決勝4/23(日)モビリティリゾートもてぎ(栃木県)
ROUND 2[Race 3/Race4]予選5/13(土)・決勝14(日)富士スピードウェイ(静岡県)
ROUND 3[Race 5/Race6]予選6/24(土)・決勝6/25(日)岡山国際サーキット(岡山県)
ROUND 4[Race 7/Race8]予選8/5(土)・決勝8/6(日)スポーツランドSUGO(宮城県)
ROUND 5[Race 9/Race10]予選10/7(土)・決勝10/8(日)富士スピードウェイ(静岡県)
ROUND 6[Race 11/Race12]予選12/2(土)・決勝12/3(日)鈴鹿サーキット(三重県)

「BMWに乗っているとイケオジ?」1年間BMWとMINIのレースを応援したアンバサダーガール達の新鮮な目線

BMW M2とMINIによるレースシリーズ「BMW & MINI Racing」の2022年シーズンが無事に終了した。達成感を得ているのは参加したドライバーやチームスタッフだけでなく、イベントを盛り立てるアンバサダーガール達もまたレースから大いなる刺激を受けたようだ。4人それぞれの目線で今年のレースを総括する。

降ったり止んだりの難しいコンディションとなった、富士スピードウェイでの第2ラウンド。ポールポジションからスタートしたレース1で水元は見事1コーナーを制した。

「M2 CS Racing」富士ラウンドで破竹の勢いで4連勝を決めた「TECH-M eWell Racing」インサイドリポート

2年目のシーズンを迎えた、日本唯一のBMW Group Japanによるオフィシャルレース「BMW & MINI Racing」。5年間のシリーズ開催実績を持つ「MINI CHALLENGE JAPAN」と、M2 CS レーシングを使ったワンメイクシリーズ「M2 CS Racing Series」がジョイントする形で、2022年からスタート。第2ラウンド(第3戦、第4戦)が、5月13〜14日に静岡県の富士スピードウェイを舞台に開催された。

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ゲンロクWeb編集部

スーパーカー&ラグジュアリーマガジン『GENROQ』のウェブ版ということで、本誌の流れを汲みつつも、若干…