アストンマーティンの新型スーパーツアラー「DB12」がワールドプレミア

「アストンマーティン DB12」がデビュー「4.0リッターV8ツインターボはクラス最高の680PSを発揮」【動画】

アストンマーティンによる次世代スポーツカー第1弾「DB12」のエクステリア。
アストンマーティン、次世代スポーツカー第1弾「DB12」が、ついにそのベールを脱いだ。
アストンマーティンは新型スーパーツアラー「DB12」を発表した。DB12は伝統的な「DB」の血統を受け継ぎながら、スポーティなキャラクターとダイナミックな走行性能を大幅に進化。スリリングなドライビング体験、最先端テクノロジー、世界最高峰のラグジュアリーを組み合わせ、世界初の「スーパーツアラー」が誕生したと謳う。DB12のデリバリーは2023年第3四半期に開始予定だ。

Aston Martin DB12

4.0リッターV型8気筒ツインターボを搭載

アストンマーティンによる次世代スポーツカー第1弾「DB12」の走行シーン。
徹底的に磨き上げられたシャシーに、クラス最強の4.0リッターV型8気筒ツインターボを組み合わせたことで、アストンマーティン DB12は、これまでにないドライブ体験を実現している。

創設者のライオネル・マーティンとロバート・バンフォードがアストンマーティンを設立してから110周年、そして「DB」モデル誕生75周年という、ふたつの重要なアニバーサリーイヤーに、DB12は発表された。

DB12は、あらゆるクルマを知り尽くしたドライバーを満足させるパフォーマンスと、極上のハンドリングを目指して開発。磨き上げたシャシーは、クラス最強の最高出力680PS、最大トルク800Nmを発揮する4.0リッターV型8気筒ツインターボと完璧な調和を見せるという。その結果、パフォーマンスと情熱に裏打ちされた、これまでにないドライブ体験を提供する最新アストンマーティンが完成した。

剛性レベルの大幅な強化からスタートし、アストンマーティンの仕様に合わせて開発された専用「ミシュラン Pilot Sport 5s」タイヤの採用も含め、パフォーマンスとエモーショナルな走りを最大化するよう、DB12は設計・開発が行われた。正確かつダイレクトな操作を実現した「エレクトロニック・パワーアシスト・ステアリング(EPAS)」と「エレクトロニック・リア・ディファレンシャル(E-Diff)」により、ダイナミックなドライビング性能を獲得。また、E-Diffは俊敏性を高める効果もあり、スーパースポーツにも互するダイナミックな走りを実現している。

6軸慣性測定システムを使用してグリップを予測する「エレクトロニック・スタビリティ・コントロール(ESC)」を搭載したDB12には、5つのドライブモードが用意される。これにより、ドライバーは高い安全性を確保しながら、走行特性を自由に変化させることが可能になった。

洗練性、快適性、高級感そして高性能

アストンマーティンによる次世代スポーツカー第1弾「DB12」のエクステリア。
アストンマーティン創立110周年、DB誕生75周年というふたつの重要な節目を記念し、DB12はあらゆる局面でクラス最高を目指して開発された。

DB12は、アストンマーティンの次世代スポーツカーの先陣を切るモデルとして、ハイパフォーマンスとウルトララグジュアリーという、相反するふたつの価値観を両立させている。アストンマーティン・グループの最高技術責任者を務めるロベルト・フェデリは、DB12について次のようにコメントした。

「DB12には、アストンマーティンからの“主張”が、色濃く込められています。このモデルはパフォーマンス、ダイナミクス、エンジニアリング、テクノロジーのリーダーとしてのアストンマーティンを強く主張しているのです。私たちは、あらゆる側面でクラス最高を目指しました。その結果、ライバルよりも優れたパワーとパフォーマンスを実現することに成功しました。このニューモデルは、卓越したハンドリングとエキサイティングなサウンドを組み合わせた、情熱的で真にスポーティな1台だと言えるでしょう」

「重要なのはその幅広い機能により、洗練性、快適性、高級感を損なうことなく、高い目標を達成したこと。業界をリードするダイナミック・コントロールとインフォテインメント・システムを採用したDB12は、アストンマーティン史上もっともエキサイティングな新時代の幕開けを告げているのです」

最高速度は325km/h

アストンマーティンによる次世代スポーツカー第1弾「DB12」の走行シーン。
クラス最高の性能を備えた4.0リッターV型8気筒ツインターボは、最高出力680PS・最大トルク800Nmを発揮する。

DB12に搭載される4.0リッターV型8気筒ツインターボはクラス最高の性能を備え、0-60mph(約0-96km/h)加速はわずか3.5秒(0-100km/h3.6秒)、最高速度は325km/hに達する。ハンドビルドされたV8エンジンは、アストンマーティンのエンジニアによってファインチューンが施され、クラストップの最高出力680PS、DB11と比較して34%も増加した最大トルク800Nmを発揮する。

パワーの強化は、カムプロファイルの変更、圧縮比の最適化、大径ターボチャージャーの採用、冷却性能の強化によって達成。冷却システムは完全に再設計され、既存の中央メインラジエーターに2基の補助クーラーが追加されている。

さらにオイル回路の高熱化に対応するため、補助エンジンオイルクーラーの表面積を従来の2倍以上に拡大。エアフローを改善することで冷却性能が最適化、開口部を56%も増加したことで、より多くの冷気がラジエーターへと流入させられるようになった。また、熱排出はボンネット中央に配置されたエアベントから行われる。

4つのESPモードと5つのドライブモード

アストンマーティンによる次世代スポーツカー第1弾「DB12」のエクステリア。
新開発の「6軸慣性測定ユニット」は、利用可能なグリップのレベルを事前に予測し、瞬間的な挙動の不安定性に対応します。

DB12は、ドライバーに完璧なダイナミックサポートを提供するよう設計され、最先端の「エレクトロニック・スタビリティ・プログラム(ESP)」システムを搭載している。このシステムはセンターコンソールの「ESP」ボタンで選択可能な、4つのESPモード(ウエット/オン/トラック/オフ)が用意されている。

このシステムは車両周囲に搭載されたセンサーから情報を取得する。その中で、もっとも先進的なシステムが新規開発された「6軸慣性測定ユニット」だ。この高度な加速度計は、車両の挙動をリアルタイムで計測。最先端のアルゴリズムを活用し、利用可能なグリップのレベルを予測し、瞬間的にクルマの不安定な挙動に対応する。このシステムはバックグラウンドで作動するように設計されており、ドライバーは高度な安全性を確保しながら、最大限のサポートが得られる。

ESPに加えて、DB12は5つのドライブモードも備えている。「GT」「スポーツ」「スポーツ+」は動的挙動を段階的に調整し、ステップごとにドライバーが自由にグリップとトラクションの限界を探ることができる。「ウエット」モードはグリップの低い路面での安定性を向上。「インディビジュアル」では、シャシー/パワートレイン/ESP/トラクションコントロールの設定を自由に組み合わせ、ドライバーの好みに合わせてシステムを調整できる。

ドライブモードは、センターコンソールのスイッチを使用して選択する。5つのプリセットを備えたロータリーコントローラーにより、簡単にモードを切り替えることが可能。シャシー、ESP、エキゾーストの個別のオーバーライドボタンも、センターコンソールのロータリーコントローラー下部と左側に設置されている。

スーパーツアラーの名に相応しいデザイン

アストンマーティンによる次世代スポーツカー第1弾「DB12」のエクステリア。
アストンマーティンは、DB12を従来のGTを凌駕する「スーパーツアラー」としており、開口部が大型化されたフロントセクションなど、その名前に相応しい存在感と伝統を備えたデザインが完成している。

DB12のエクステリアデザインは、力強さと持てるポテンシャルを完璧に表現。アストンマーティンらしい完璧なスタイルと75年にわたる「DB」の伝統、世界初の「スーパーツアラー」に相応しいプロポーションを統合している。この結果、自信に溢れた存在感、鍛え抜かれたアスリートのようなフォルム、アグレッシブなディテール、極上のエレガンスを手にした。

トレッドはフロントが6mm、リヤは22mm拡大。フロントセクションはラジエーター開口部が拡大され、スプリッターとともに形状も見直された。特徴的な新しいデイタイム・ランニングライト(DRL)を備えたLEDヘッドライトは、DB12のワイドなスタンスをさらに強調する。

フロントノーズには、最新形に進化を遂げた、象徴的なアストンマーティンのウィング・バッジが装着された。DB12はこの新しいウィング・バッジが採用された最初のモデルとなる。小型のフレームレス・ウイングミラーは、車両のエアロダイナミクスを改善する効果を持つ。足元には21インチ・鍛造アロイホイールが標準装備されている。

アストンマーティン・エグゼクティブ・バイス・プレジデント兼チーフ・クリエイティブ・オフィサーのマレク・ライヒマンは、DB12のデザインについて次のように説明を加えた。

「DB12のデザインは、アストンマーティンが目指す“スーパーツアラー”を定義しています。現代の自動車愛好家の間で『GT』という名称は、ある種の快適さ、スピード、洗練さを意味してきました。ただ、経験豊富なアストンマーティンのお客様は、単なるGTでは満足しないでしょう」

「そのため、私たちは単純に自動車を開発するのではなく、卓越したハンドリング、ダイナミクス、パワートレイン、スペース感覚、スタイリングなど、すべてをDB12に融合させました。そして、スーパーツアラーというまったく新しいカテゴリーに相応しい走行体験を提供するため、テクノロジーを通じてそれを最大限に表現しました」

自社開発の次世代インフォテインメント

アストンマーティンによる次世代スポーツカー第1弾「DB12」のインテリア。
ラグジュアリーなインテリアは、老舗レザーブランド「ブリッジ・オブ・ワイル」による、美しい手縫いレザーが採用された。

最高峰のラグジュアリーを体現したインテリアは、現代的で豪華な空間に加えて、次世代オーダーメイド・インフォテインメント・システムと、最先端コネクテッド・テクノロジーを導入。新たなパートナーである「Bowers & Wilkins(バウワーズ&ウィルキンス)」による素晴らしいサラウンド・サウンドシステムも採用された。

クリーンで現代的なデザイン、長い伝統を誇るクラフトマンシップ、最高級の素材を組み合わせたDB12の室内は、ドライバーとパッセンジャーに、スタイリッシュかつ贅沢な空間を提供。ドライバー中心のコクピットは、高度なテクノロジー、職人にる高い技術力、最高のマテリアルが切れ目なく統合されている。

老舗レザーブランドの「Bridge of Weir(ブリッジ・オブ・ワイル)」による手縫いレザーを採用した豪華なインテリアは、真のスーパーツアラーの価値を体現。専用シートは長距離走行でも心地よい快適性を実現しながら、必要なサポート性を提供する。新デザインのキルティングパターンは、最高品質のフルレザーかアルカンターラ・インテリアに採用されている。

今回、アストンマーティンが自社開発した、次世代インフォテインメントが導入された。「Apple CarPlay」と「Android Auto」を含む新システムは、車両と完全に一体化されたマルチスクリーン・システム。素早い応答時間(30ミリ秒)の静電容量式タッチコントロールを備えた10.25インチ・ピュアブラック高解像度スクリーンに、必要な情報がインタラクティブに表示される。

タッチスクリーンによる利便性に加えて、確実な操作フィールを提供する物理スイッチも、あえて残された。ギアチェンジやドライブモードの選択、冷暖房やベンチレーションといった操作は、物理スイッチでも行うことができる。

SPECIFICATIONS

アストンマーティン DB12
全長:4725mm
全高:1295mm
全幅:2060mm
ホイールベース:2805mm
最低地上高:120mm
フロントオーバーハング:925mm
リヤオーバーハング:995mm
アプローチアングル:10.1°
ディパーチャーアングル:20.5°
トランク容量:262リットル
燃料タンク容量:78リットル
重量:1685kg(乾燥重量)
前後重量配分:前48:後52
回転半径:6.2 m

エンジン:4.0リッターV型8気筒ツインターボ
駆動方式:フロントミッド・後輪駆動
最高出力:680PS/6000rpm
最大トルク:800Nm/2750-6000rpm
最高速度:325km/h
0-60mph:3.5秒
0-100km/h3.6秒
圧縮比:8.6

トランスミッション:8速AT
ステアリングレシオ:13.09.1
ロック・トゥ・ロック:2.375
フロントサスペンション:ダブルウィッシュボーン
リヤサスペンション:マルチリンク
タイヤ:前275/35ZR21、後325/30ZR21

アストンマーティン DB12を動画でチェック!

写真はアストンマーティン・アラムコ・コグニザントF1チームが2023年シーズンを戦っているF1マシン「AMR23」。

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ゲンロクWeb編集部

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