【ル・マン24時間】【WEC】フェラーリが2台の「499P」を投入

50年ぶりにトップカテゴリーに復帰するフェラーリ「499P」51号車ドライバー達が語る「100周年のル・マン24時間」

第3戦スパ・フランコルシャン6時間レースで3位表彰台を獲得した、フェラーリ 499P 51号車。 499Pにとって初挑戦となるル・マンに向けて、各ドライバーが意気込みを語った。
第3戦スパ・フランコルシャン6時間レースで3位表彰台を獲得した、フェラーリ 499P 51号車。 499Pにとって初挑戦となるル・マンに向けて、各ドライバーが意気込みを語った。
いよいよ、来週末(6月8〜11日)に迫った世界耐久選手権(WEC)第4戦ル・マン24時間レース。フェラーリ・AFコルセは、ハイパーカー規定で開発されたプロトタイプレーシングカー「フェラーリ 499P」を2台投入する。499Pのル・マン・デビューを前に、51号車をドライブするアレッサンドロ・ピエール・グイディ、ジェームス・カラド、アントニオ・ジョヴィナッツィの3名が意気込みを語った。

Ferrari 499P

ニューマシンで「完走」をターゲットに

2019年に488 GTEをドライブし、ル・マン24時間クラス優勝の経験を持つアレッサンドロ・ピエール・グイディ(左)。彼は、まずは新しいマシンでの完走を目標に掲げた。
2019年に488 GTEをドライブし、ル・マン24時間クラス優勝の経験を持つアレッサンドロ・ピエール・グイディ(左)。彼は、まずは新しいマシンでの完走を目標に掲げた。

2023年のル・マン24時間レースは、フランス西部のサルト・サーキットを舞台に100周年大会として開催される。フェラーリが最後にワークス参戦してから半世紀を経て、2台のプロトタイプレーシングカー「499P」を投入。50号車はアントニオ・フォコ/ミゲル・モリーナ/ニクラス・ニールセン、51号車はグイディ/カラド/ジョヴィナッツィの3名が499Pのステアリングを握る。

トヨタ、ポルシェ、プジョー、キャデラックといったライバルがひしめくハイパーカークラスにおいて、フェラーリはマニュファクチャラーズ選手権ランキングで、トップのトヨタから33ポイント差の2番手(第3戦終了段階)。ドライバーズ選手権は、51号車のグイディ/カラド/ジョヴィナッツィが5番手につけている(50号車は3番手)。

直近の第3戦スパ6時間において3位表彰台を獲得したアレッサンドロ・ピエール・グイディは、過酷な24時間レースで、まずは走り切ることを目標に掲げた。

「ル・マンでの最初の目標は、まずフィニッシュラインに到達することです。コース上を走るレーシングカーの台数や、これまでのレースで見られたように信頼性の問題を考えれば、決して簡単な任務ではありません」

「実際、コースインしてみなければ分からないことも多いのですが、自分たちのベストを尽くしたいと思っています。もちろん、私自身はすべてのレースで勝つことを目指していますし、シーズン中最も重要なル・マン24時間でもそれは変わりません。ただ、それは簡単なことではないので、現実的な視点も必要なのです」

「ル・マンでの最も素晴らしい思い出は2019年。数年間厳しい戦いを強いられてきた488 GTEで、クラス優勝を果たしたことです。あれはチームワークの賜物でしたし、本当に特別な瞬間でした」

長丁場のレースでいかにミスを抑えるか

F1をはじめ、様々なカテゴリーにおける豊富な経験を持つアントニオ・ジョヴィナッツィ。ル・マンではミスを最小限に抑えることが重要だと指摘する。
F1をはじめ、様々なカテゴリーにおける豊富な経験を持つアントニオ・ジョヴィナッツィ。ル・マンではミスを最小限に抑えることが重要になると指摘する。

F1での長いキャリアを持ち、様々なカテゴリーでの経験豊富なアントニオ・ジョヴィナッツィにとって、ル・マン24時間参戦は2018年以来、5年ぶりとなる。

「開幕から3レース、フェラーリとして3回の表彰台を獲得できたことは、非常にポジティブな雰囲気をチームにもたらしました。そして、いよいよフェラーリが総合優勝を狙えるチームに返り咲くべく、最も重要なル・マン24時間レースを迎えます。もちろん“プランシングホース”の一員として戦う以上、最終的な目標はいつだって優勝です」

「ただ、トヨタをはじめ、このカテゴリーで豊富な経験を持つライバルの強さを理解していますから、勝つのは簡単ではありません。とにかく距離の長いレースであること、そしてこのチームにとっては初の24時間レースであることを考えると、ミスを最小限に抑える必要があります」

「2018年のル・マン24時間に、私は488 GTEでLM GTE Proクラスに参戦することができました。あのレースは私にとってとてもエキサイティングな思い出です。499Pであれば、さらに最高のレースとなるでしょう。ル・マンは人々が考えるように、純粋なスピードだけでは勝つことができません。変化に富んだコースで、どのような走りができるのか楽しみです」

イタリア人のふたりとチームを組むのは、英国出身のジェームス・カラド。彼はフェラーリ 488GTEで2度のル・マン24時間クラス優勝の経験を持つドライバーだ。

「ル・マン24時間では、ベストを尽くすことが目標です。499Pにとっては、信頼性が最大限に試されるレースですが、パフォーマンスを考えれば、良い結果を残すチャンスもあるはずです」

「ル・マンでの一番の思い出は、2019年と2021年に488GTEで優勝したことです。ル・マンで勝つということは、自動車史に名を残すということ。だからこそ、私にとっても特別な位置を占めているレースなのです。499Pでの夜間走行は特別な経験になるでしょう。トリッキーな時間帯ですが、今からワクワクしています」

伝統のスパ・フランコルシャンを舞台に開催されたWEC第3戦スパ6時間。トヨタの2台に続き、フェラーリ 499Pが表彰台を獲得した。

WEC第3戦スパの最終盤まで続いた「フェラーリ 499P」」と「ポルシェ 963」バトルの結果【動画】

4月29日、ベルギーのスパ・フランコルシャンにおいて、FIA世界耐久選手権(WEC)第3戦「スパ・フランコルシャン6時間レース」決勝レースが行われ、TOYOTA GAZOO Racing(トヨタ)が1-2フィニッシュを飾った。3位にはフェラーリAFコルセのフェラーリ 499P 51号車、4位にポルシェ・ペンスキー・モータースポーツのポルシェ963の5号車が入っている。

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ゲンロクWeb編集部

スーパーカー&ラグジュアリーマガジン『GENROQ』のウェブ版ということで、本誌の流れを汲みつつも、若干…