ラグジュアリーミニバン「トヨタ アルファード/ヴェルファイア」と「メルセデス・ベンツVクラス」比較

果てしない納車待ちの「トヨタ アルファード/ヴェルファイア」のライバルになる?「メルセデス・ベンツVクラス」と比較検討

いずれも高級なラグジュアリーミニバン「トヨタ アルファード」と「メルセデス・ベンツ Vクラス」。ディメンションからパワートレイン、もちろん価格まで総合的に比較してみよう。
いずれも高級なラグジュアリーミニバン「トヨタ アルファード」と「メルセデス・ベンツ Vクラス」。ディメンションからパワートレイン、もちろん価格まで総合的に比較してみよう。
2023年6月21日に新型が発表されたアルファード/ヴェルファイア。すでに納期は数年先というほどのバックオーダーを抱え、“欲しくても買えない”状態となっている。それならいっそのこと、ライバル車に目を向けてみてはいかがだろうか。まずは、サイズやラグジュアリー感において引けを取らないであろう、メルセデス・ベンツVクラスと比較してみよう。

TOYOTA ALPHARD / VELLFIRE
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MERCEDES-BENZ V-CLASS

アルファードのサイズ感はVクラスとVクラスロングの中間

殺到するであろう受注台数を絞るため、アルファードはシンプルな2グレード構成。そのうちの「Z」ハイブリッド仕様をピックアップする。対するVクラスは通常ラインのモデルとなる「V220dアバンギャルド」を取り上げ、まずはディメンションからチェックしていこう。

全高はあまり変わらず、どちらも迫力満点の1.9mオーバー。大きく差が出たのが全長と全幅で、前者は90mm差でアルファードが、後者は80mm差でVクラスが上回る。全幅に関しては、日本の道路事情を考慮して抑えめに設定しているアルファードに対して、グローバルで展開するVクラスという違いが表れているところだ。

全長は、やはり日本の道路や駐車場事情を考慮してギリギリ5m以内で設定したアルファードに対し、それより短めとなるVクラスだが、ロングボディ仕様も設定することでユーザーニーズに対応。Vクラスのロングボディ仕様は全長5150mmを誇り、アルファードに対して155mmも長い。ホイールベースはVクラスが200mm長いが、これはアルファードの駆動方式がFFであるのに対して、VクラスがFRを採用していることが大きく影響している。

トヨタ・アルファード Z(ハイブリッド)

全長4995×全幅1850×全高1935mm
ホイールベース3000mm
車両重量=2160kg

メルセデス・ベンツ V220dアバンギャルド

全長4905×全幅1930×全高1930mm
ホイールベース3200mm
車両重量=2370kg

どちらも18インチを装着

その堂々たる体躯にふさわしく、どちらのモデルも18インチのタイヤ&ホイールを履く。ちなみに、先代よりもスポーティな路線が強調されたヴェルファイアは19インチのタイヤ&ホイールが標準装備となる。

トヨタ・アルファード Z(ハイブリッド)

タイヤサイズ=225/60R18
トレッド(前/後)=1600/1600mm

メルセデス・ベンツ V220dアバンギャルド

タイヤサイズ=245/45R18
トレッド(前/後)=1665/1645mm

アルファードハイブリッドは2t超ながら好燃費

2.0リッター直4ディーゼルエンジンのみのVクラスに対して、2.5リッター直4ガソリンエンジンに加えて、2.5リッター直4ガソリンエンジン+モーターのハイブリッド仕様をラインナップするアルファード。さらに、ヴェルファイアには279PSを誇る2.4リッター直4ガソリンターボエンジンも設定されている。それぞれまったく異なるパワートレインが搭載されており、そのフィーリングは当然ながら別物だ。

この中で、最もあらゆる性能をバランスよく備えているのが、アルファード/ヴェルファイアのハイブリッド仕様と言える。エンジン単体でVクラスを27PS上回るばかりか、そこにモーターのアシストがプラス。力強い走りを可能とするばかりか、17.7km/リットルというWLTC燃費も両立している。

トヨタ・アルファード Z(ハイブリッド)

エンジン形式=直列4気筒
排気量=2487cc
エンジン最高出力=190PS/6000rpm
エンジン最大トルク=236Nm/4300-4500rpm
モーター最高出力=134kW
モーター最大トルク=270Nm
トランスミッション=電気式無段変速機
WLTC燃費=17.7km/L

メルセデス・ベンツ V220dアバンギャルド

エンジン形式=直列4気筒ディーゼルターボ
排気量=1949cc
最高出力=163PS/3800-4400rpm
最大トルク=380Nm/1600-2400rpm
トランスミッション=9速AT
WLTC燃費=13.2km/L

値上げしたとはいえVクラスより安価なアルファード

最後に価格を比較してみると、両車の価格帯はまったく被っていないことが分かる。アルファードは540万~872万円だが、Vクラスは926万~1330万円。アルファードの最上級グレード「Executive Lounge」でさえ、Vクラスのエントリーグレード「V220dアバンギャルド」に届かない価格設定だ。

新型になって高くなったと言われているアルファードだが、こうして見てみると、その性能に対してのコストパフォーマンスは依然として高いと言えそうだ。

トヨタ・アルファード

Z 2.5ガソリンエンジン(FF) 540万円
Z 2.5ガソリンエンジン(AWD) 559万8000円
Z ハイブリッド(FF) 620万円
Z ハイブリッド(AWD) 642万円
Executive Lounge(FF) 850万円
Executive Lounge(AWD) 872万円

メルセデス・ベンツ V220dアバンギャルド

V220dアバンギャルド 926万円
V220dアバンギャルドロング 954万円
V220dエクスクルーシブロング プラチナスイート 1325万円
V220dアバンギャルド エクストラロング 982万円
V220dアバンギャルド エクストラロング ブラックスイート 1330万円

今回の比較試乗はレクサスLXが「オフロード」で、ランクルが「GRスポーツ」。どちらも悪路性能を高めたグレードだったことが興味深い。

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著者プロフィール

古川 裕 近影

古川 裕

新型モデルを比較することを信条とするフリーランスジャーナリスト。過去にはゲンロクWebを運営する三栄に…