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Ariel Atom 4R
アトム 3.5Rから大幅なパフォーマンスアップ
1960年代に破綻した英国のバイクメーカー「アリエル」の名称を引き継ぎ、個性的な2輪、4輪モデルを展開するアリエル・モーターカンパニー。6月13~17日に開催されたグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードにおいて、同社が展開する4輪モデル「アトム」の最新仕様「アトム 4R」を初公開した。
アトム 4Rは、アリエルが専用チューニングを施した、シビック・タイプR用のホンダ製2.0リッター直列4気筒iVTECターボエンジンを搭載。最高出力は405PS、最大トルクは500Nmというビッグパワーを誇る。新開発のパドルシフト付き6速シーケンシャル・ギヤボックスが組み合わせられ、0-100km/h加速は2.7秒以下、0-100mph加速が6.5秒以下、最高速度は170mph(273km/h)と、究極の公道&サーキットパフォーマンスを実現した。
エアロダイナミクスとクーリングも大幅な進化を果たしており、左右のサイドポッドには新開発のクーリングシステムを追加。タイヤを保護する「エアロウイング(フェンダー)・パッケージ」や、専用の「4Rグラフィック」もオプションで用意されている。
アリエルのディレクターを務めるヘンリー・シーベルト-サンダースは、アトム 4Rについて次のように説明する。
「私たちは公道やサーキットにおける究極のドライバーズカーとして、アトムを進化させ続けています。アトム 4Rは、素晴らしいアトム 3.5Rの足跡をたどり、再び大きなアップデートを果たしました。驚くべきパフォーマンスを実現したと私たちも自負してます」
ホンダ製2.0リッター直4ターボを搭載
シビック タイプR用のホンダ製2.0リッター直列4気筒iVTECターボエンジンは、新開発のクーリング・システムとインタークーラーを搭載。最高出力は405PS、最大トルクは500Nmと、アトム 3.5Rから25%ものパフォーマンスアップを果たした。今回、最高出力だけでなくトルクも向上したことで、特にサーキットにおける加速力が大幅に向上。アリエルが手がけた専用エンジンチューニングは、ホンダが誇る信頼性も維持されている。
新開発のインテーク・ジオメトリー、再設計されたクーリングシステムを採用し、左側ポッドには冷却用ラジエターを追加。右側ポッドに搭載された空冷式インタークーラーは、75%もサイズが拡大したことで、エンジン冷却効率が55%も向上している。この結果、従来型よりも効率的にエンジンからパワーを引き出すことが可能になった。
駆動系は新開発のクワイフ(Quaife)製6速シーケンシャルギヤボックスを搭載し、空気圧式パドルシフトにより1秒以内に5回のシフトダウンが可能。ドライバーはステアリングホイールから手を離すことなく、マシンをコントロールすることができる。微調整可能なトラクション・コントロールとローンチ・コントロールも用意されており、様々なコンディションにおける走行をサポートする。
個性的な1台を演出するオーダーメイドシステム
アトム 4Rは、アリエルが展開するオーダーメイドシステムに基づいて製造。エンジン、ギヤボックス、サスペンションは幅広いオプションによってサポートされており、カスタマーの好みに合わせてカスタマイズすることが可能だ。 ひとりのテクニシャンが、1台ずつハンドメイドで製造し、同じクルマは2台と存在しない。
エクステリアに関しては、フロント&リヤフェンダーにベンチュリ効果を与える「エアロウイング・パッケージ」が登場。これは、英国ブラックリーのトタルシム(TotalSim)社が開発したブランブル・システム(BRAMBLE system)をベースにしており、ドラッグを低減しながら、ダウンフォースレベルの向上を実現した。
カーボンセラミック製ディスク、AP製レーシング4ポットキャリパーを備えた軽量カーボンブレーキシステムは、ベースモデルから大幅に制動力をアップ。さらに耐フェード性を高め、摩耗も低減する。ディスクの重量は、標準ディスクの半分以下となる。専用設計のカーボン・ホイールは、カーボンブレーキ・システムと組み合わせることで、ベースモデルから26kgも軽量化を果たした。