目次
Koenigsegg Gemera HV8
ジェメーラ用最新生産施設を公開
グリペン・アトリエはジェメーラの製造施設に加えて、将来のモデルの開発、デザイン、生産拠点、さらにオフィスやショールームスペースで構成される。グリペン・アトリエが加わったことで、ケーニグセグの本社施設の総面積は、3万㎡に達することになった。グリペン・アトリエの稼働により、従来の2シーター・スーパースポーツの製造と並行して、ジェメーラのプログラムを展開することが可能になった。
ケーニグセグ・オートモーティブのクリスティアン・フォン・ケーニグセグCEOは、グリペン・アトリエのオープンに喜びを隠さない。
「グリペン・アトリエを開設し、さらに画期的なハイブリッド・スーパースポーツ『ジェメーラ』のクライアント仕様を公開できたことを嬉しく思います。このジェメーラは、プリプロダクト仕様から様々なアップデートが施され、機能が大幅に強化されています。ジェメーラは自動車業界に新たなベンチマークを打ち立てる存在となるでしょう」
アップデートを果たしたクライアント仕様
世界初の4シーター・メガカーとして、1MW(メガワット=1360PS)を超えるパワーを実現したジェメーラは、カスタマーへのデリバリーに向け、最終的な生産仕様が確定。プレ生産仕様から、様々なコンポーネントがアップデートを果たしている。
当初、ジェメーラには、レゲーラなどに採用されている「ケーニグセグ・ダイレクト・ドライブ・システム」の搭載が予定されていた。しかし、ジェスコに導入された「ライト・スピード・トランスミッション(LST)」がカスタマーから非常に高い評価を受けたことを受けて、爽快なドライブを実現すべくジェメーラにもLSTの進化版「ライト・スピード・トゥールビヨン・トランスミッション(LSTT)」が搭載されることになった。
エンジンとLSTTを補完するために、新たに「ダークマター(Dark Matter)」電気モーターも開発。この特許申請中のアキシャル(同一軸)フラックス電気モーターは、単体で最高出力811PS、最大トルク1250Nmを発揮する。6フェーズ技術が導入された、世界で最もパワフルな自動車用電気モーターとなる。
このダークマター1基がLSTTと組み合わされ、3基のクォーク電気モーターがダイレクト・ドライブシステムと組み合わされる。これにより、ドライブトレインのさらなる軽量小型化が可能になった。2.0リッター直列3気筒ツインターボエンジンと電気モーターを組み合わせることで、最高出力は1420PS、最大トルクは1850Nmに達する。
V8エンジン搭載仕様「ジェメーラ HV8」を追加
さらに、ハイパフォーマンス仕様の「ジェメーラ HV8」が追加された。LSTTの開発前は、ジェメーラの4シーター用居住スペースを確保するには、V8ユニットの搭載は不可能だと考えられていた。しかし、コンパクトなLSTTがV8の搭載を可能にしたという。
ケーニグセグは、ジェスコに搭載されている5.0リッターV型8気筒ツインターボのレイアウトを、ジェメーラとLSTTに合わせて変更。ジェスコV8が持つ壮大なエンジンサウンド、レスポンス、パワーを、ジェメーラと組みわせることに成功した。ジェメーラ HV8は、最高出力1520PSを誇るV8エンジンと新開発のダークマター電気モーターを組み合わせたことで、システム最高出力は驚異の2330PS、最大トルク2750Nmという、市販モデル世界最高のスペックを実現している。
「ジェメーラ HV8は驚異的なパワーを持つ、地球上で最もパワフルでエクストリームな市販車です。さらに、実用的でユーザーフレンドリーなスポーツカーでもあります。驚異的なレスポンス、ハンドリング、エンジンサウンド、歯切れの良いトランスミッション、広々とした室内空間、4輪駆動システムなどが組み合わされ、サーキットや直線でのパフォーマンスにおいて数々の記録を打ち立てる、前代未聞のドライビングエクスペリエンスを実現しました」と、クリスティアン・フォン・ケーニグセグCEOはコメント。
ジェメーラは2024年末からグリペン・アトリエにおいて生産を開始。2025年前半からカスタマーへとデリバリーされる。