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8月18日に「オーロラ」をワールドプレミア
ゼンヴォ・オートモーティブは、英国のエンジニアリングメーカー「マーレ・パワートレイン(MAHLE Powertrain)」と共同開発した、新型6.6リッターV型12気筒エンジンを発表した。このパフォーマンスエンジンはモータスポーツ用ではなく、純粋な公道車両用として開発。公道用としては世界で最もパワフルなV12エンジンとなる。
6.6リッターV型12気筒クワッドターボエンジンは、エンジン単体で最高出力1267PS/8000rpmを発揮。最高回転数は9800rpmに達し、他のエンジンにはない独特のエンジンサウンドを奏でるという。
このV12エンジンは現在ゼンヴォ・オートモーティブが開発を続けている新型ハイパースポーツ「オーロラ」に搭載される。ここに608PSのハイブリッドシステムが組み合わせられることで、最高システム出力1875PSを実現。パフォーマンスだけでなく、日常域での使い勝手が重視される他、時代に沿った環境性能も確保されるという。
すでに米国と欧州の両市場において、厳しい排出ガス規制をクリア。マーレ・パワートレイン社による詳細な解析技術を駆使して、エンジンの仕様と設計レイアウトはすでに順調に進められている。このエンジンにはマーレ製ジェット・イグニッションを採用。「ユーロ7排ガス規制」が求めている、パーツ保護のための過剰噴射は必要ないという。
この最強ハイブリッドパワートレインを搭載したハイパースポーツ「ゼンヴォ オーロラ」は、2023年8月18日に発表を予定している。
将来的にV8やV6エンジンの開発も計画
ゼンヴォ・オートモーティブは、このパワーユニットの拡張性も考慮しており、モジュラー構造を採用。今回発表された大排気量V12だけでなく、このエンジンをベースに開発されたV型8気筒やV型6気筒が、将来のゼンヴォ製スポーツカーに搭載される可能性がある。また、OEMとして、他メーカーにゼンヴォ製エンジンが供給される計画もあるという。
ゼンヴォ・オートモーティブのCCO兼取締役会長を務めるイェンス・スベルドロップは新型パワーユニットについて、次のようにコメントした。
「ひとりの自動車ファンとして、また自動車のプロフェッショナルとして、私は常にV12エンジンの頂点を目指してきました。V12エンジンが呼び起こす感動とフィーリングは、スーパースポーツやハイパースポーツにとっての究極の選択肢だと言えるでしょう」
「自動車業界において最もV12エンジンに精通し、知識も豊富なエンジン開発者のマーレ・パワートレインとのコラボレーションは、私にとって夢のような出来事でした。そして、カスタマーからの反応から判断すると、多くの自動車ファンも同じように考えているようです」