911誕生60周年記念の特別仕様車「ポルシェ 911 S/T」登場

世界1963台限定「ポルシェ911 S/T」は「最高出力525PSの4.0リッターボクサー6+6速MT」【動画】

911誕生60周年を記念し、世界限定1963台のスペシャルエディション「ポルシェ911 S/T」の日本導入が決まった。
911誕生60周年を記念し、世界限定1963台のスペシャルエディション「ポルシェ911 S/T」の日本導入が決まった。
ポルシェジャパンは、911の誕生60周年を記念した限定モデル「ポルシェ911 S/T」の予約受注を、8月2日から全国のポルシェ正規販売店においてスタートした。 911 S/Tは、これまで911 GT3 RSに搭載されていた最高出力525PSを発揮する4.0リッター水平対向エンジンに、初めて6速MTが組み合わせられている。

Porsche 911 S/T

911デビュー60周年を記念し、1963台を限定販売

911誕生60周年記念スペシャルエディション「ポルシェ911 S/T」のエクステリア。
1963年の初代911のデビューから60周年を迎えた2023年、大幅な軽量化を施した世界限定1963台のスペシャルエディション「911 S/T」が登場した。

ポルシェは911の60周年を記念し、ドライビングプレジャーを追求したピュアスポーツカーとして「911 S/T」を開発。911 GT3と911 GT3 RSの特徴を融合し、俊敏性とドライビングダイナミクスを兼ね備えた、世界限定1963台のスペシャルエディションが完成した。

911 S/Tの名称は、初代911のハイパフォーマンス仕様の後継モデルであることを示している。1969年、ポルシェは911 Sのレーシングバージョンを開発。ポルシェ社内において「911 ST」と呼ばれていたこの車両は、シャシー/ホイール/エンジン/ボディに変更が加えられ、加速、ブレーキング、トラクション、コーナリング時のグリップを大幅に向上している。

今回、この911 STをイメージして開発された911 S/Tは、911 GT3 RSに搭載される最高出力525PSの4.0リッター水平対向自然吸気エンジンと、クロスレシオ6速MTが組み合わせられた。さらに徹底的な軽量設計と俊敏性、ドライバビリティのために最適化されたセットアップが導入されている。

車両重量はわずか1380kg(DIN規格、すべてのフルードを含む)と、タイプ992最軽量を実現。オプションとして用意された「ヘリテージデザイン・パッケージ」は、1960年代後半から1970年代前半の911 Sのレーシングバージョンからインスピレーションを得たデザインが採用されている。

CFRP製パーツ採用による大幅な軽量化

911誕生60周年記念スペシャルエディション「ポルシェ911 S/T」の走行シーン。
フロントボンネット、ルーフ、フロントフェンダー、ロールケージなどに炭素繊維強化プラスチック(CFRP)製パーツに加えて、様々な軽量化が施され、1380kgという車両重量を実現した。

911 S/Tは軽量設計により、俊敏でダイレクトなハンドリングを実現。フロントボンネット、ルーフ、フロントフェンダー、インレットを備えたドアは、軽量の炭素繊維強化プラスチック(CFRP)製。ロールケージ、リヤアクスル・スタビライザー、シアパネル(リアアクスルの補強エレメント)にもCFRP製が採用された。

さらに、マグネシウム・ホイール、PCCBシステム、リチウムイオン・スターターバッテリー、軽量ガラスも標準装備。断熱材の削減、パワートレインの軽量化、リヤアクスル・ステアリングが取り外されたことで、車両重量は1380kgに抑えられた。MT仕様の911 GT3 ツーリングから、40kgもの軽量化を達成したという。

今回、911 S/T専用の軽量クラッチを開発。これにより、4.0リッター水平対向6気筒自然吸気エンジンのレスポンスが大幅に向上、息をのむようなスピードで吹け上がるエンジンが完成している。0-100km/h加速3.7秒、最高速度は300km/hというパフォーマンスに加えて、軽量スポーツエキゾーストシステムにより、迫力のサウンドも楽しむことができる。

現行世代の911としては唯一、ダブルウィッシュボーン式フロントサスペンションに、リヤアクスル・ステアリングのないマルチリンク式リヤサスペンションが組み合わせられた。また、ダンパーとコントロールシステムもそれに合わせて調整されている。

足まわりのセッティングと同様にエアロダイナミクスも、サーキットではなく公道向けに最適化。展開式リヤスポイラーのガーニーフラップ、フロント20インチ、リヤ21インチの軽量センターロック式マグネシウムホイールを採用し、フロントに255/35ZR20、リヤに315/30ZR21タイヤが装着された。

CFRP製フルバケットシートを標準装備

911誕生60周年記念スペシャルエディション「ポルシェ911 S/T」のインテリア。
コクピットには、標準で大幅な軽量化を実現したCFRP製フルバケットシートを装着。追加料金なしで「4way調節機能付スポーツシートプラス」を選ぶことも可能だ。

コクピットにはCFRP製フルバケットシートを標準装備。追加料金なしで「4way調節機能付スポーツシートプラス」を選択できる。インストゥルメントクラスターの時計は、クラシカルなグリーンのポルシェカラーで仕上げられた。

また、ポルシェデザインは、911 S/Tを購入したカスタマーを対象に「クロノグラフ1 – 911 S/T」を、ポルシェセンターにおいて特別販売する。コーティングとブラスト加工を排した軽量チタンケースを採用。クロノグラフの心臓部には、COSC認定とフライバック機能を備えた「ポルシェデザインWERK 01.240」が搭載され、911 S/Tのマグネシウム・ホイールと同じデザインのローターが作動する。「クロノグラフ1 – 911 S/T」の価格は205万4800円(消費税込)となる。

専用の「ヘリテージデザイン・パッケージ」を用意

911誕生60周年記念スペシャルエディション「ポルシェ911 S/T」の走行シーン。
今回、「0」から「99」までのスターティングナンバーや、ゴールドの「Porsche」ロゴなどが配される、911 S/T専用の「ヘリテージデザイン・パッケージ」がオプションとして用意された。

911 S/Tには、オプションとして専用の「ヘリテージデザイン・パッケージ」が用意された。ボディカラーの「ショアブルーメタリック」と、ホイールカラーの「セラミカ」は、911 S/T専用カラー。カスタマーの要望に応じて、ドアには「0」から「99」までのスターティングナンバーと、デコレイティブホイールセンターキャップを取り付けることもできる。リヤの「Porsche」ロゴ、「911 S/T」モデルロゴもゴールドにペイントされる。

フロント、ハブキャップ、ステアリングホイール、ヘッドレスト、車両キーには、初代911に装着されていたクラシカルなデザインのポルシェ・クレストを配置。インテリアには、クラシック・コニャックにブラックのピンストライプをあしらった布製シートセンターが採用される。

ツートンカラー(ブラック/クラシックコニャック)のセミアニリンレザートリムと、エクステンデッドレザー仕上げ、パンチング加工が施されたRace-Texのルーフライニング、ポルシェ・エクスルーシブ・マニュファクチャーのエレメントも、このパッケージに含まれている。ヘリテージデザイン・パッケージの価格は、262万2000円(消費税込)となっている。

車両本体価格(税込)

911 S/T (6速MT):4118万円

【問い合わせ】
ポルシェ コンタクト
TEL:0120-846-911

【関連リンク】
・ポルシェ ジャパン公式ウェブサイト

ポルシェ911 S/Tを動画でチェック!

ディミトリ・ディマコスのドライブで、ポルシェ 911 GT3 RSが、ロード・アメリカにおける市販車コースレコードを記録した。

525PSなのに700PSの「911 GT2 RS」が持つコースレコードを2秒以上更新した「ポルシェ 911 GT3 RS」の無敵感

ポルシェ 911 GT3 RS(タイプ992)が、アメリカ合衆国のサーキット「ロード・アメリカ(Road America)」における市販車コースレコードを更新した。ディミトリ・ディマコスがドライブした911 GT3 RSは、2分13秒8でラップ。2019年4月に記録されたポルシェ 911 GT2 RSのタイムを大きく上回った。

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ゲンロクWeb編集部

スーパーカー&ラグジュアリーマガジン『GENROQ』のウェブ版ということで、本誌の流れを汲みつつも、若干…